2009年からの住宅ローン減税はどうなる?
2009年01月06日
実際に控除される額はどのくらい?
最高控除額を控除してもらえるのは、10年間にわたり、年末の住宅ローン残高が5,000万円以上あった場合です。
35年返済、金利3.0%の住宅ローンだとすると、当初借入額は約6,200万円ないと、10年後の残高は5,000万円を下回ります。
つまり、最高控除額を受け取れるのは、かなり高額な借り入れをした場合のみです。
それでは、3,500万円を借り入れした場合の例を見てみましょう。
年末残高に1.0%をかけたものが、控除できる額となります。
3,500万円、35年返済、金利3.0%の場合の例
年末残高 | 控除可能額 | |
---|---|---|
1年目 | 3,442万円 | 34.42万円 |
2年目 | 3,383万円 | 33.83万円 |
3年目 | 3,322万円 | 33.22万円 |
4年目 | 3,259万円 | 32.59万円 |
5年目 | 3,194万円 | 31.94万円 |
6年目 | 3,128万円 | 31.28万円 |
7年目 | 3,059万円 | 30.59万円 |
8年目 | 2,988万円 | 29.88万円 |
9年目 | 2,915万円 | 29.15万円 |
10年目 | 2,840万円 | 28.40万円 |
合計 | 315.3万円 |
所得税から控除しきれなかった分は、住民税も減額される
さらに、実際に控除してもらえる金額は、その人の所得税額が上限となるので、所得によっては、上記の金額を控除してもらえるとも限りません。ただし、所得税額を控除してもなお残額がある場合には、翌年度分の住民税からも控除可能(※)です。
※住民税からの減額は、当該年分の所得税の課税総所得金額等の額に100分の5を乗じた金額で、97,500円が上限
上記表の例で、年収ごとの控除額を見てみましょう。
(年収、所得税額はずっと変わらないものとして試算)
(年収、所得税額はずっと変わらないものとして試算)
1年目は、ローン残高から見ると34.42万円まで控除可能ですが、年収500万円の人で11.9万円、年収700万円の人で26.3万円までとなります。
※ 1年目34.42万円の控除を受けるには、給与収入約820万円以上が必要
最大で500万円、600万円と言われる住宅ローン控除ですが、このように、借入額だけでなく、年収や家族構成によっても控除される金額は異なります。2008年入居の場合より有利な内容となる場合が多いものの、最大限の控除を受けられるケースはとても少ないでしょう。おおよその金額を知りたい場合には、会社員であれば、年末に渡される源泉徴収票で所得税額等を確認すれば、比較的簡単に試算することが可能です。
自分の場合には、どのくらいになるのかを確認してみましょう。
執筆者:高田 晶子(たかだ あきこ)
株式会社マネーライフナビ取締役。
ファイナンシャルプランナー(一級FP技能士)、宅地建物取引主任者、信託銀行不動産部勤務、 不動産コンサルティング会社を経て、1996年にFPとして独立、2010年より現職。 家計全般、保険の見直し、住宅購入など個人向け相談を中心に、 執筆、マネーセミナー、マネーコンテンツの制作等を行う。
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