不動産サイト nomu.com > 住宅ローントップ > 住宅ローン奮闘記 > 第4話 固定? 変動? それとも両方? 金利タイプはどれを選べばいいの?
健太と美咲の住宅ローン奮闘記目指せ!マイホーム・オーナー
物件選びと並行して、どの住宅ローンを選ぶかについて検討を始めた野村夫妻。 さっそく出てきた悩みは「どの金利タイプを選べばいいのか」。最初から最後まで金利が変わらない「全期間固定金利型」、固定よりも低い金利が魅力の「変動金利型」、一定の期間のみ固定金利の「固定金利選択型」、さらにこれらを組み合わせることも可能で、金利と一口に言っても、種類はさまざま。いったい、どの金利タイプがいちばんお得なのでしょう? 山積みされた資料の前で、野村夫妻の眠れぬ夜のスタートです。
世帯年収 | 約800万円 |
---|---|
住まい | 賃貸アパート(2LDK) |
子ども | なし |
車 | あり |
貯蓄額 | 約500万円 |
- 今日も疲れたわね~。さあて、がんばってマイホーム購入計画の話を進めましょう!住宅ローンの資料は集められた?
- うん、たくさん集めてきたよ。しかし、見れば見るほど、どの住宅ローンがいいのか悩んじゃうね。まず「全期間固定金利型」にすべきか「変動金利型」にすべきか。それが一番の悩みどころだなあ。「固定金利選択型」っていうのもあるから、ますますややこしい。
- 金利の低さだけ見れば、変動型か固定金利選択型だけど、いまは全期間固定金利型もずいぶん低金利だものねえ。
- そうなんだよ。となると、どっちを選んでもいいような気もするんだけど……美咲ちゃんはどう思う?
- 私だって、そう簡単には決められないわよ……じゃあ、まずそれぞれの特徴を整理してみましょうか。
- さすが几帳面なA型!
- それはホメ言葉かしら(笑) まず全期間固定金利型だけど、これは“全期間固定”という言葉通り、借り入れ当初から返済完了までずっと金利が一定で変わらないわけよね。だから、総返済額も最初にわかるし、返済計画がきちんと立てられるというのが、一番の魅力ね。
- 全期間固定金利型を選んで、何年か経ったときに金利がもっと低くなってたらどうなるの?
- そうなった場合も、金利は最初に借りたときのままよ。もし金利を下げたいのなら、金利が低い住宅ローンに借りかえすることになるわ。最初に借入れした時と同じように諸費用がかかるから、それでもメリットが出るなら、だけどね。
- 逆に、金利が上がったときには、全期間固定金利型にしておいてよかった、ということになるわけか。この先金利は上がるのか、下がるのか、果たしてどっちなんだろう?うーむ……。
- しばらく金利は上がらないだろうって思うなら、変動金利型や期間が短めの固定金利選択型もいいんじゃないかしら。もともと全期間固定金利型よりも金利が低いし、ほとんどの金融機関は、そこからさらに金利の引き下げをしているわ。ずっと金利が低ければ、全期間固定金利型より総返済額は少なくなるでしょうね。
- 将来金利がどうなるかはわからないなあ。金利が低いうちは、変動金利型の金利の低さはありがたいけど、もし金利が上がってしまったら変動金利型だと返済額も上がるんだよね?一気に何パーセントも上がったら、大変なことになっちゃうんじゃない?
- 変動金利型は、どんなに金利が上がったとしても、当初5年間の月々の返済額は変わらないことになってるのよ。
- へえ、そうなんだ!?
- まあ、種明かしをすると、元本部分と利息部分の割合を調整して返済額が変わらないようにするということなんだけど。だから、もしも計算上の利息が毎月の返済額を上回るなんてことがあると、返済できない利息分というのが出てきて、さらに次の5年間で繰り越して返済することになるの。その場合でも、返済額はその前の5年間の1.25倍を超えないという約束があるから、一応は安心よ。でも、いつまでたってもなかなか住宅ローン残額が減らない、ということも……。
- そ、それは困るね。
- 固定金利選択型も、固定金利期間終了時にその時点での金利に見直されるの。金利が上がると、返済額もアップするし、変動金利型のように返済額の上限のルールがないから、金利上昇しても支払えるかどうかは十分に考えておかないとね。
ファイナンシャル・プランナー's アドバイス! さまざまなバリエーションがある金利タイプ 住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定金利型」と「変動金利型」、そして固定と変動両方の特徴を備えた「固定金利選択型」の3つ。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分のライフプラン、借りる時点での金利や将来の景気動向などを考慮したうえで、選択するようにしましょう。 表1 3つの金利タイプの特徴とメリット・デメリット
|
- どの金利タイプも一長一短っていうことだね。
- 他にも、通常、ローンを組むと融資手数料や保証料なんかもかかるから、住宅ローンを選ぶときは、金利だけでなくトータルでいくら払うことになるかシミュレーションして比較しないとダメなのよ。
- 金利が低いのは魅力的だけど、それだけで決めてしまってはいけないということを肝に銘じておかなきゃね。しかし本当に住宅ローンを選ぶのは難しいなあ……。でもさ、そもそも、どうして金利って上がったり下がったりするんだろう?
- あら。大学で習わなかったの?
- ……僕は文学部だからね!
- 開き直らないでよ(笑) 住宅ローンの金利は、日銀の政策金利や10年国債の利回りとか、いろいろな指標を基準に判断……
- …………。
- ……すごく簡単に言うと、景気が悪いときは金利が下がって、景気が良くなると金利が上がるっていうことね。
- そう言ってくれるとよくわかるよ(笑) この先だんだん景気が良くなると考えるなら、金利は上がると考えられるし、逆にこの先も大して景気は変わらないと考えるなら、金利もあまり変わらないと考えるべき、ということだね。
- そう考えるのが自然だと思うわ。でも、こればっかりは誰にも確実なことは言えないわね。
- うーむ、奥が深いなあ、住宅ローンは……。
- まだまだ勉強が足りないということじゃないかしら(笑)
- 悔しーい!(笑)
「第5話 一文字違いでも大違い!?元利均等返済と元金均等返済お得なのはどっち?」へつづく!
今回の教訓 |
固定金利選択型は、固定期間終了後の返済プランも要チェック! 金利の低さだけに惑わされない!手数料などを含めた総負担額を必ず比較すること! |