繰上返済はまとめて行う?マメに行う?
2009年11月25日
期間短縮型と返済額軽減型の使い分け
期間短縮型で繰上返済した方が、お得ではありますが、金利が変わるタイプの場合には、前ページのような使い分けが必要となってきます。返済額軽減型は、「お得ではない」というイメージが付いてしまっていますが、返済額が減った分も繰上返済にまわしていけば、結果的には、期間短縮型と大きな差は生じません。
もし、将来返済が厳しくなってしまった場合、繰上返済で期間を短縮していると、原則として再度返済期間を延ばしてもらうことはできません。最近では、住宅ローンの返済が大変になっているため、各金融機関でもこのような相談に応じてはいますが、やはり約束どおり返済できなくなってしまったということで印象は悪くなります。
返済額軽減型で繰上返済をした場合には、約定返済額(必ず返済しなければならない返済額)は少なくなっていきますので、将来支出が増えたり、収入が減ったりなどの理由で、家計が厳しくなった場合でも対応しやすくなります。
一般には、期間短縮型でなければ効果がないように思われがちな繰上返済ですが、返済額軽減型も上手に使っていくことにより、安心感は高まります。
一般には、期間短縮型でなければ効果がないように思われがちな繰上返済ですが、返済額軽減型も上手に使っていくことにより、安心感は高まります。
将来にわたって無理のない金額かを確認
繰上返済についてみてきましたが、期間短縮型であっても、返済額軽減型であっても、繰上返済を行うことで、手元の預貯金が少なくなることには変わりありません。繰上返済を優先したがために、将来、預貯金がショートしてしまうような事態は避けなくてはなりません。特に、これから教育費のピークを迎える家庭など、将来の支出が増える場合には、支出が増える時期までにどのくらいの預貯金の準備をしておかなくてはならないかを予め把握しておきましょう。
繰上返済は早いほど効果的ではありますが、まずは近い将来のための預貯金を行い、その金額を超えた余裕資金で行うことを心がけましょう。
執筆者:高田 晶子(たかだ あきこ)
株式会社マネーライフナビ取締役。
ファイナンシャルプランナー(一級FP技能士)、宅地建物取引主任者、信託銀行不動産部勤務、 不動産コンサルティング会社を経て、1996年にFPとして独立、2010年より現職。 家計全般、保険の見直し、住宅購入など個人向け相談を中心に、 執筆、マネーセミナー、マネーコンテンツの制作等を行う。
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