不動産サイト nomu.com > 住宅ローントップ > 住宅ローン奮闘記 > 第9話 入居10年目、そろそろリフォームしたい! でも費用は?
健太と美咲の住宅ローン奮闘記目指せ!マイホーム・オーナー
楽しいマイホーム・ライフも間もなく10年目を迎えようとしている野村夫妻。
2年前に第2子が産まれた美咲は、いまは会社を辞め、専業主婦として育児に専念する毎日。
そんなある日のこと、仕事から帰宅した健太に、美咲が神妙な面持ちで相談を持ちかけてきました――。
- ただいまー。ああ、疲れたあ。子どもたちはもう寝たの?
- ええ、さっき寝ちゃったわ。あのね、ケンくん。お疲れのところ申し訳ないんだけど、ちょっと相談したいことがあるの……。
- な、なんだい、急に!?
- あのね、じつは前々からずっと考えていたことなんだけど……
- な、なに?(ドキドキ)
- 今度、家にご近所の子どもたちを集めて、英会話のレッスンを開きたいと思っているの! ずっと家にいて何もしないのもどうかな、と思って。家計の足しにもなると思うし、どうかしら!?
- おお、もっと深刻な相談かと思ったよ(苦笑) 英会話教室かー。もちろん僕はOKだよ。うちの子たちも家が賑やかになって喜ぶんじゃないかな。ついでに英語も覚えられるんなら一石二鳥だしね(笑)
- ありがとう! で、本題はここからなんだけど、英会話教室を始めるなら少しお部屋もそれらしく改装したいと思っているの。壁紙を張り替えたり、下の階のお宅に音が響かないように床を防音にしたりとか。ついでといってはなんだけど、キッチンも前から使いにくいなって思ってたし、いっそのことまとめてリフォームしたらどうかなあ、なんて。
- なるほど、そういうことね……。まあ、でもこの家ももうすぐ10年目だし、リフォームをするにはちょうどいい時期かもしれないね。
- 問題はリフォーム費用ね。とりあえず私のヘソクリが――。
- ちょっと待った! ふっふっふ。こんなこともあろうかと、密かに財形貯蓄で“リフォーム貯金”をしておいたのだよ!
- まあ、ほんと!? 助かるわー(笑)
- 家長としてはそれぐらい当然! で、とりあえず100万円ぐらいあればいいかな?
- ……んー、それだとちょっと少ないかも。もし全部まとめてリフォームするとしたら、そうねえ、200万円、グレードの高い部材を使うとひょっとしたら300万円ぐらいまでいっちゃうかもしれないわね。
- そ、そんなにかかるの!?
- あら、マンションのリフォームで4~500万円かけるというケースもけっこう多いみたいよ。まあ、今回のリフォームは、そこまではかからないと思うから安心して(笑) いざとなったら私のヘソクリから出しますから。
- 美咲ちゃんのヘソクリは、僕とはケタがひとつ違うからなあ。
- さすがにそこまでは貯めてないわよ(笑) でも、これから教育費もかかってくるし、ある程度まとまった貯金は手元に残しておきたいわよね。だったらいっそのこと、リフォームローンを借りるという選択肢もアリね。
- へえ、リフォームでもローンが組めるの?
- リフォームするときでも、住宅ローンを使うことができるのよ。けど、キッチンの取り換えとか、クロスの張り替え程度でさほど大きな金額にならないリフォームだったら、リフォームローンの方がいいかもしれないわ。
- リフォームローン? 住宅ローンとなにが違うの?
- リフォームローンのいちばんの特徴は、無担保ローンってことかしら。担保なしで借り入れできるから、面倒な抵当権設定の手続きとかもしなくていいの。住宅ローンに比べて審査も早いし、簡単、スピーディーに費用の工面ができるのがいいわね。
- 無担保なの? ということは、金利も高いんじゃない?
- やっぱり多少高くなるわね。それでも、リフォーム専用だから、使い道が自由なフリーローンとかの金利よりはずっと低いわ。ただ、借り入れできる額は、1,500万円くらいまで、返済期間も10~15年以内とかのところが大半かしら。
- なるほどね。10年とかで返さなきゃいけないとなると、毎月の返済額もちょっと多くなりそうだよね。住宅ローンの返済もあるから、リフォーム分の返済額はなるべく抑えておきたいなぁ。
- 毎月の返済額を少なくしたいのなら、金利も低いし、期間も長くできるから、住宅ローンで借りる方がいいかもしれないわね。ただ、マンションに抵当権をつけることになるから、手続きにちょっと手間や時間もかかるわ。手数料も多めになるし……。
- そっか、どちらも一長一短あるね。
- そうなのよ~。うちの場合には、まだ住宅ローンが残っているから、別の銀行でさらにリフォーム分の住宅ローンを借りるのは難しいのよ。もし、他の銀行の方が条件がよければ、今の住宅ローンの額にリフォーム代も加えて、借りかえするって方法もあるけどね。
- へぇ~、借りかえに合せて、リフォーム代も借りちゃう作戦か(笑)。いまより、金利も下がるなら一石二鳥だね。どの方法が僕たちの家計に合ってるか、考えてみるよ。
- それはそうと、ケンくん財形貯蓄してるって言ってたわよね?財形貯蓄をしている人が借りられる「財形住宅融資」も候補になるわよ。
- えー、財形してたことが役に立つの?
- 1年以上財形貯蓄をしていて、50万円以上の残高がある人なら、最高4,000万円、残高の10倍まで借り入れできるわ。金利は住宅ローン並みだから、要チェックよ! それに、リフォームなら600万円までは無担保で借り入れできるから、住宅ローンを支払っているうちには合ってるかも。
ファイナンシャル・プランナー's アドバイス! リフォームに備え、費用の準備は早めに マイホームに長く住み続けるには、一戸建て、マンションにかかわらず定期的なメンテナンスが必要です。設備などの補修や交換だけでなく、生活スタイルの変化にともない、間取りを変更するなど大掛かりなリフォームが必要になることもあります。 10年後、20年後のリフォームに備え、早いうちから費用の準備を始めましょう。 ●主に必要になるリフォーム ●住宅のリフォーム時に利用できるローン リフォームをする場合、金利の低さでは「住宅ローン」が有利ですが、少額のリフォームであれば、手続きの手間がかからず、手数料も少ない「リフォームローン」の利用が一般的です。 「リフォームローン」
リフォームローンは、担保なしで借り入れできる無担保ローンです。審査もスピーディーで、抵当権設定の手続きも不要なので、融資までの日数が短いのがメリットです。借り入れできる額は、500~1,000万円程度と少なめで、返済期間は10~15年が上限です。住宅ローンに比べ、返済期間が短いうえ金利も高めなので、月々の返済額は多めになります。住宅ローンと同じ金融機関であれば、金利優遇を受けられるケースもあります。 「住宅ローン」
多くの金融機関では、リフォームの場合も住宅ローンを利用することができます。リフォームローンに比べ金利が低いこと、返済期間を長くできることがメリットです。毎月の返済額を抑えたい場合には向いています。 ただし、土地や建物には抵当権が設定されるので融資までの時間がかかり、登記費用もかかります。住宅ローンが残っている場合は、原則追加での借り入れは難しいので、まずは借り入れ中の金融機関に相談を。 また、返済中の住宅ローンの借りかえを検討するなら、にリフォーム代も合わせて借りかえする方法もあります。 表1 「リフォームローン」と「住宅ローン」の主な違い
その他、「財形住宅融資」を利用することもできます。財形住宅融資は、1年以上継続して財形貯蓄をし、50万円以上の残高がある人なら利用できます。残高の10倍、最高4,000万円まで借り入れでき、金利は5年固定で銀行などのリフォームローンよりも低めです。 また、リフォームなら600万円まで無担保で借り入れすることが可能です。勤務先や条件によっては金利の優遇や、利子補給を受けられる場合もあります。 耐震化やバリアフリー化の場合
都道府県や市町村によっては、助成金の給付や利子補給、また融資を行っているところもあります。特に耐震化や省エネ化、バリアフリー化といったリフォームを対象としたものが多く見られます。利用条件などは、各自治体の担当課やホームページなどで確認してみましょう。 |
- 財形貯蓄をやっていてよかったなあ。しかし、リフォームってこの先も何度か必要になるよね。お金がいくらあっても足りないねぇ。
- 子どもたちが大きくなったら自分の部屋がほしいなんて言い出すかもしれないし、私たちの親が介護が必要になって同居するということになったら、やっぱりリフォームをしないといけないでしょうし。
- マイホームを持つのって、けっこう大変なんだなあ。今ごろになって痛感するよ。
- 大変なことは大変だけど、リフォームできることも、費用で悩むことも、全部マイホームならではの愉しさじゃないかしら?
- 生活しながら、手をかけて暮らしやすい住まいに仕上げていく、と。なんだか、子どもを育てるのと似ているね(笑)
- ほんとねえ(笑) 将来はどんな形になっているのかしら? 楽しみねー。
- みんながいつまでも楽しめる“マイホーム”にしようね。よーし、まずは住宅ローンの返済だ。明日からまたがんばって働くぞー!
- (笑)
(完)
今回の教訓 |
リフォームは必ず必要になる!費用の準備はできるだけ早く始めよう! ローンを利用する場合は、住宅ローン、リフォームローンの中で有利なものを選ぼう! |