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お金

子育てファミリーのための
「お金」のレッスン

学校では教えてくれない「お金の基本」や、毎日忙しい子育て世代にこそ知ってほしい「お金の使い道」をレクチャーします!

家計診断~インターナショナルスクール、続けられる?

最近、お子様の進路として、留学やインターナショナルスクールといった選択肢を好まれるご家庭も増えています。それだけグローバルな時代になってきたのでしょう。田島さん(仮名)もそういった教育方針の方。2人のお子様はそろってインターナショナルスクールに通っています。ただ、今年の夏以降、収入の状況が変化するということで、そのまま通学が可能か、家計の見直しをご希望されました。

ご相談内容

「二人の子どもをインターナショナルスクールにあと5 ~ 6年入れるという計画に無理はないかどうか教えていただきたいです。今年の夏以降に、もらえなくなる手当があるので不安です。どのように家計を見直しするとよいでしょうか?日用品などは削減の余地があるとは思いつつ、ついつい「便利そうだから」「必要なものだから」と、お金を引き出して使ってしまっています。 」

  • お名前:田島明子さん(仮名)
  • 年齢:43歳
  • 家族構成:夫41歳、子ども7歳、4歳
  • 住まいの情報:持家
  • 世帯年収:夫680万円(公務員)、妻24万円(臨時収入のみ・専業主婦)

家計状況

家計簿はつけることが目的ではなく、予算をつくること。

田島さんは、上記の家計の見直しシートに加え、オリジナルで補足資料を送ってくださった方です。私はその細かな仕分けにびっくり!ご自身で作成されている住宅ローンの償還表も見せてくださいました。そもそもパソコンが得意ということで、細部まで記録されているようです。「本当によくがんばって家計の管理をされているのですね」とお伝えすると、田島さんは、「家計簿をつけるのに時間がかかります。それなのに、なぜか毎月赤字。どのように見直せばいいのか分からなくなっています。それに加えて、今年の夏以降、「その他手当」に書いた金額がもらえなくなるのです」と、相当ストレスをためられているご様子でした。
まずは、家計簿をつける意味について考えてみましょう。
家計簿は、記録ではなく、予算を守っているかチェックするのが目的です。そのため、家計管理は、予算分けがキモです。家計簿で細かく記録していても、ずっと赤字という状態の方は、初めの一歩として適正な予算を考えてみましょう。
田島さんにも、まずは、各項目をどのように予算分けするかをお話ししました。その後に、インターナショナルスクールの通学について検討してみることにしました。

ストレス発散は、おこづかいの範囲内で。

田島さんの家計の中で、気になる項目は、食費と日用品です。外食費をあわせた食費の全国の1ヶ月の平均値は、69,469円です(総務省統計局「家計調査年報」2012年)。田島家の場合は10万円ほどかかっており、やや高いです。お子様は近い将来もっと食べ盛りになりますから、今から何か工夫できないか検討したほうがよいでしょう。食費を削るポイントは、料理の品数は減らし金額は押さえつつも、栄養を保つ工夫です。玄米食を取り入れるなど、食材やメニューに工夫が必要でしょう。ただあまり無理をしすぎないように、田島さんの場合は、8万円程度におさえられないかを考えてみました。
日用品は、お引越しや家電の買い替えで、大幅に使った1年ということだとしても、ここ数か月の平均が10万円というのは突出しています。
ひょっとすると、日頃、家事・育児に頑張ってらっしゃる田島さんのストレスが、家電や日用品の購入で発散されていたのかもしれません。日用品の予算はぐっとおさえつつも、逆に、田島さんご自身のおこづかい金額を少々増やすことをご提案しました。
専業主婦の方は、おこづかいの金額を0円もしくはとても少ない金額で、家計簿につけていらっしゃることがあります。でも、その分、他の項目に、主婦のおこづかいが隠れていることがあります。私は、できれば、専業主婦のおこづかいもある程度は予算に計上することをおすすめしています。

家計は、ご夫婦一緒に舵取りを。

さて、教育費についても考えてみましょう。
今年夏からから、9万円の手当がなくなるということ。現状でさえ、約2万6,000円赤字ですから、家計の大ピンチ!といっても過言ではありません。
こういった大きな収入減があるときは、まず、ご夫婦で価値観をよくすりあわせて、方向性を話し合うことが大切です。
世の中の変化が激しい今、どんな大企業も、利益を出すために、削れるコストがないか知恵を絞り、戦略を立てています。家計の運営も、夫婦が小さな会社を共同経営するとイメージしてみてください。夫婦ともに真剣に経営に取り組まなければ、倒産してしまいます。
田島さんの場合、家計を改善させないまま、現在の毎月の赤字が、これから先インターナショナルスクールに通われる6年間ずっと続いたらどうなるでしょうか?
月々は2万6,000円でも、年間で31万2,000円の赤字、そして、6年間で187万2000円の貯金を取り崩すことになります。
田島さんは、お子さんには高い教育を受けさせたいという価値観をお持ちとのこと。その方針を優先させるのであれば、日用品や食費を削減といった家計の見直しは待ったなしの状況です。また、インターナショナルスクールに通学している間は、月々の定期的な貯蓄の金額も減らすことはやむをえないと考えましょう。そして、なるべく月収内でおさまるように家計管理をすることです。
また、毎月の家計が改善しても、支出の中で、教育費が約30%近くを占め、ご負担が大きい項目であるのに変わりません。改めて、家計の運営方針、優先順位を話し合う会議が必要かと思います。

八木陽子

八木陽子 (やぎ ようこ)

株式会社イー・カンパニー代表、ファイナンシャルプランナー

出版社で女性情報誌の編集部勤務をへて独立。「お金は生活に必要なものなのに、なぜ、日本では向き合う機会が少ないのだろう?」という疑問を持ち、堅いお金の話を楽しく分かりやすく伝える伝道師になる!と決意。二児の母としての消費者の視点から、親子でお金と仕事を学ぶ「キッズ・マネー・ステーション」主宰。現在は、マネー相談、講師、執筆など、幅広く活動している。

HP:http://ecompany-gr.com/
ブログ:http://ameblo.jp/ecompany-yagi/
著書:「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)

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