変動金利のリスクを知って上手に利用しよう
2009年06月12日
固定金利型と変動金利型、返済額の違いはどのくらい?
変動金利型は、将来の金利動向によって返済額が変動するというリスクをお話してきましたが、その魅力はやはり金利が低いこと。
金利が上昇するリスクが取れるのであれば、上手に利用し、返済額をなるべく下げたいですね。
長期固定金利で借り入れするのと、変動金利型で借り入れするのとではどのくらいの違いがあるのでしょうか?3,000万円を35年返済で借り入れした場合の例で見てみましょう。
※ 図中の金利は2009年6月時点での水準で試算
全額を長期固定金利で借り入れした場合と、変動金利型で借り入れした場合では、当初の毎月返済額は、約2.8万円もの違いになります。
しかし、変動金利型は将来の金利が決定できません。そこで、将来の金利動向を4パターン想定して、それぞれの将来の返済額と総返済額を試算してみると、次のようになります。
(1)ずっと金利が上昇しなかった場合
(2)毎年、0.25%ずつ上昇、8年目以降3.225%で一定
(3)毎年、0.25%ずつ上昇、11年目以降3.975%で一定
(4)毎年、0.5%ずつ上昇、6年目以降3.975%で一定
(2)毎年、0.25%ずつ上昇、8年目以降3.225%で一定
(3)毎年、0.25%ずつ上昇、11年目以降3.975%で一定
(4)毎年、0.5%ずつ上昇、6年目以降3.975%で一定
当初5年間 | 6~10年 | 11年目以降 | 総返済額 | |
---|---|---|---|---|
(1)ずっと金利が上昇しなかった場合 | 91,488円 | 91,488円 | 91,488円 | 約3,842万円 |
(2)毎年、0.25%ずつ上昇、8年目以降3.225%で一定 | 91,488円 | 111,160円 | 119,718円 | 約4,807万円 |
(3)毎年、0.25%ずつ上昇、11年目以降3.975%で一定 | 91,488円 | 111,160円 | 130,705円 | 約5,137万円 |
(4)毎年、0.5%ずつ上昇、6年目以降3.975%で一定 | 91,488円 | 114,360円 (※1) |
140,201円 | 約5,441万円 |
※1 返済額は従前の1.25倍までのルールのため
この4つのパターンの中では、(1)、(2)であれば、長期固定金利で借り入れした場合よりも総返済額は少なくなりますが、(3)、(4)のように将来の金利上昇が大きくなると、将来の毎月返済額も総返済額も、長期固定金利の場合より増えてしまうことがわかります。
※ 文中の金利は2009年6月時点での水準で試算しています。
執筆者:高田 晶子(たかだ あきこ)
株式会社マネーライフナビ取締役。
ファイナンシャルプランナー(一級FP技能士)、宅地建物取引主任者、信託銀行不動産部勤務、 不動産コンサルティング会社を経て、1996年にFPとして独立、2010年より現職。 家計全般、保険の見直し、住宅購入など個人向け相談を中心に、 執筆、マネーセミナー、マネーコンテンツの制作等を行う。
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