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住宅ローンコラム 知っておきたい!住宅ローンテクニック

押さえておきたい!2017年度の【フラット35】

2017年05月17日

このコーナーでも以前、「マイナス金利で史上最低金利をマーク!【フラット35】徹底研究」というテーマでコラムを書いたことがありますが、今回は2017年4月からの動きや変更点についてクローズアップします。4つの点を押さえておきましょう。

【フラット35】Sが継続に

2017年度も【フラット35】Sが継続実施されています。

【フラット35】を申込んだ利用者のうち、省エネルギー性・耐震性等、質の高い住宅を取得する場合に、借入金利を一定期間引下げる制度が【フラット35】Sです。新築住宅の建設・購入、中古住宅の購入の際に、該当物件であれば利用できます。残念ながら、借換えでは利用できません。

制度を利用するには、【フラット35】の技術基準だけでなく、【フラット35】Sの技術基準に適合することを証明する必要があり、そのために検査機関による物件検査を受けて適合証明書を交付してもらう必要があります。

【フラット35】Sについては、金利Aプランと金利Bプランがあり、Aプランでは10年間、Bプランでは5年間、金利引下げが行われます。金利の引下げ幅は当初から0.3%引下げとなっていますが、10月1日以降の申込受付分から0.25%引下げへと変更されることは頭に入れておきましょう。

図表1 【フラット35】S
金利引下げプラン金利引下げ期間金利引下げ幅3,000万円をボーナス払なし、元利均等返済、35年、金利1.1%で借りた場合に【フラット35】の総返済額との差額*
【フラット35】S
(金利Aプラン)
当初10年間 ~平成29年9月30日に
申込受付分 年▲0.3%
平成29年10月1日~
申込受付分 年▲0.25%
約84万円(▲0.3%の場合)
約70万円(▲0.25%の場合)
【フラット35】S
(金利Bプラン)
当初5年間 約45万円(▲0.3%の場合)
約38万円(▲0.25%の場合)

なお、【フラット35】Sには予算額があり、これを超える見込みとなった場合は受付を終了します。受付終了日の告知は、終了する約3週間前までに【フラット35】のサイトで行われます。

【フラット35】Sの詳細

【フラット35】リノベも実施

【フラット35】リノベも、同様に2017年度も継続実施されています。【フラット35】リノベとは、【フラット35】を活用した性能向上リフォーム推進モデル事業として住宅金融支援機構が独自に実施するもので、中古住宅・リフォーム市場の活性化および住宅ストックの質の向上を図る目的で行われています。

中古住宅を購入して性能向上リフォームを行う場合や、住宅事業者により性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する場合に、【フラット35】を利用する際の借入金利を一定期間引下げる制度です。

【フラット35】リノベの金利は、0.6%引下げとなっています。金利Aプランでは当初10年間、金利Bプランでは当初5年間、適用されます。

図表2 【フラット35】リノベ
金利引下げプラン金利引下げ期間金利引下げ幅3,000万円をボーナス払なし、元利均等返済、35年、金利1.1%で借りた場合に【フラット35】の総返済額との差額*
【フラット35】リノベ
(金利Aプラン)
当初10年間 年▲0.6% 約168万円
【フラット36】リノベ
(金利Bプラン)
当初5年間 約91万円

なお、2017年4月1日から2018年3月31日までの申込受付分に適用されますが、予算額に達する見込みとなった場合は受付を終了します。受付終了日は、約3週間前までに【フラット35】のサイトで行われます。

【フラット35】リノベの詳細

長期優良住宅の「アシューマブルローン」

「アシューマブルローン」とは、長期優良住宅の認定を受けた住宅について、物件売却時に購入者へ債務を引き継ぐことができる住宅ローンのことを言います。【フラット35】(アシューマブルローン)を利用した場合、借入対象となる住宅を売却する際には、住宅購入者の同意があれば、【フラット35】(アシューマブルローン)の債務を引き継ぐことができます。ただし、債務の引継ぎは1回限りです。

【フラット35】(アシューマブルローン)のメリットは、将来、金利が上がった時期に住宅を売ることになった時に、買主は低い金利のローンを引き継げるため、それ以外の分の借入を新規に利用すればいいことになります。売主としても、低利のローンがついていることをアピールポイントの1つにすることもできます。該当者は【フラット35】(アシューマブルローン)を利用しておくといいでしょう。

ただし、【フラット35】(アシューマブルローン)は新規のみで利用でき、借換えには利用できません。また、制度の申込みは取扱い可能な金融機関で行う必要があります。金融機関によっては取扱いがないところもあるので、利用する前に確認が必要です。

【フラット35】(アシューマブルローン)取扱金融機関

【フラット35】子育て支援型・地域活性化型の創設

これも2017年度の新たな動きの1つで要注目です。

地方創生等の推進に向け、「子育て支援」「UIJターン」「コンパクトシティ形成」の施策を実施している地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、地方公共団体による補助金交付などの財政的支援とあわせて、「【フラット35】子育て支援型」・「【フラット35】地域活性化型」が創設されます。

イメージ図を見るとわかりやすいのではないでしょうか。
「子育て支援」「UIJターン」「コンパクトシティ形成」に関して、例えばある市が今回の事業で住宅金融支援機構と協定を結んだとします。その市からは所定の条件に合う住宅の建築・購入をしたときに一定の補助金を出すことが打ち出されるとともに、これに加えて、「【フラット35】子育て支援型」・「【フラット35】地域活性化型」に該当すると、【フラット35】の借入金利が、当初5年間は0.25%の引下げを受けることができる制度です。

図表3 【フラット35】子育て支援型・地域活性化型のイメージ

(住宅金融支援機構サイトより転載)

5月10日現在、まだスタートはしていませんが、第1弾で協定を結ぶ地方公共団体がそろそろ現れる時期でもあるようです。

もしも、若年子育て世帯や、親と近居(子ども夫婦との近居)を検討している若年子育て世帯、UIJターンを考えている、居住誘導区域外から居住誘導区域内への引越しを考えている、という場合は、補助金や【フラット35】の金利優遇が受けられる可能性があるため、自治体の動きを少し見てみるのもいいかもしれません。動きを調べる自治体も、現在住んでいるところではなく、新たに住む予定の自治体で確認してみるといいでしょう。

図表4 【フラット35】子育て支援型・地域活性化型
施策対象となる要件(例)金利引下げ期間金利引下げ幅3,000万円を期間35年、ボーナス払なし、元利均等返済、金利1.1%で借りた場合に【フラット35】の総返済額との差額*
世帯主の要件住宅の種類
【フラット35】子育て支援型 子育て支援 若年子育て世帯 既存住宅 当初5年間 年▲0.25% 約38万円
若年子育て世帯・親世帯等による同居・近居 新築住宅・既存住宅
【フラット36】地域活性化方 UIJターン UIJターンによる移住 新築住宅・既存住宅
コンパクトシティ形成 居住誘導区域内に移住 新築住宅・既存住宅

2017年度の注目の4点を見てきましたが、住宅ローンを利用する際に、情報はますます大事になっています。自分でもよく調べるとともに、専門家に相談をして、より有利な住宅ローンを利用できたらいいですね。

執筆者:豊田 真弓(とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー
FPラウンジ ばっくすてーじ代表。経済誌・女性誌等のライターを経て94年よりFPとして独立。「家計の永続性」をテーマに、個人相談や講演・研修、雑誌や新聞、サイトへの寄稿、監修などを行う。「住宅ローン賢い人はこう借りる」(PHP研究所)、「50代家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに」。

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