不動産投資コラム

投資のプロも注目する「不動産投資」を成功させるための秘訣を紹介!

投資のプロも注目する「不動産投資」を成功させるための秘訣を紹介!

不動産投資には金融のプロも注目しています。つまり証券会社や金融機関に勤め、投資に関する知識が豊富な方々をはじめとする多くの方が不動産投資を積極的に行っています。その理由は、次の3つがあると考えられます。

  • 1. 株式の「短期売買」が禁止されている証券会社や金融機関が多い
  • 2. 新築ワンルームマンション販売業者からの勧誘が多い
  • 3. 不動産の価格や家賃の相場は、株などに比べて変動が緩やか

もちろん、不動産投資に踏み出せない証券マンもいますが、不動産投資に対する誤解に基づいている面もあるでしょう。
以下では、不動産投資に関する誤解を解くために役立つ正しい知識をご紹介していきます。

不動産投資の種類

そもそも不動産投資にはどのような種類があるのでしょうか。不動産投資には新築ワンルームマンション投資、アパート一棟所有、戸建て物件を購入して運用するなど、複数の種類があります。

新築ワンルームマンション投資

主に都心の新築ワンルームマンションを購入して運用する不動産投資です。会社員向けの勧誘が非常に多いので、取り組む方も多数おられます。

アパート一棟所有

更地を購入してアパートを建築したり、すでに入居者が住んでいる一棟アパートを購入したりして運用する投資手法です。
戸数が多くなるため収入額も高くなりますが、購入資金が必要で赤字になった場合のリスクも大きくなります。

戸建て物件

戸建てを購入して運用する方法です。古家を安値で購入してリフォームし、付加価値をつけて貸し出したり売却したりして収益を得ます。

不動産投資と他の投資の違い

そもそも不動産投資は、不動産を買い、人や会社に貸して賃料を得たり(インカムゲイン)、買った価格より高く売って売却益を得たり(キャピタルゲイン)することを言います。賃料という毎月安定的に得られる運用収益を得ながら、売却益や将来に向けて大きな資産形成ができる手段として、不動産投資は注目されているのです。

図1は、代表的な投資商品のリスクとリターンの関係を示したものです。
不動産投資の特徴としては、ほかの投資と違い「投資家がリスクや収益を(ある程度)コントロールできる」「レバレッジがきく」という点があります。つまりローンを使えば手元の資金が少額であっても高額な不動産を購入し、高い収益を得られる可能性があるのです。

不動産投資で値下がり、赤字になっても「失敗」といえない理由

株や投資信託では、株価やファンドの基準価額が値下がりしたり、配当・分配金がゼロになったりすると、「投資に失敗した」と判断するのが普通でしょう。
しかし、不動産投資の世界では、購入したときより価格が値下がりしたり、収支が赤字になったりしても、必ずしも失敗ではありません。

例えば、投資の元手にできるお金が1,000万円ある場合を考えてみましょう(※)。
※手元資金を全額投入するのは危険なため、預貯金が2,000万円程度あり、その半分を投資するものとします。

株式の場合1,000万円を投資して2割値下がりしたら、800万円に目減りします。保有している間は含み損ですが、売却する段階で値下がりしていれば、そこで損失が確定します。また、保有している間に企業の業績不振で配当がゼロに近いと、売却損の200万円をカバーすることはできません。投資としては明らかに失敗でしょう。

一方、不動産投資で1,000万円の自己資金があり、フルローンで1億円の一棟マンションを購入すると想定しましょう。物件そのものについては全額をローンで、ほかに必要な仲介手数料や不動産取得税・登録免許税などの諸費用として、手元の約1,000万円を使うということです。

この1億円で買った一棟マンションが、株と同様に2割値下がりしたとすると、8,000万円になります(建物は経年劣化で価値が落ちるため、10年~20年ほど経つと2割くらい値下がりすることは珍しくありません)。20年後に売却して、マイナス2,000万円が確定するとしましょう。

また賃貸運用している20年の間、空室の発生や修繕費などのマイナスが出て、毎年の収支が25万円の赤字だとします。仮に赤字が20年間続いた場合、500万円の累積赤字となります(この分は、手持ち資金として残した預金を取り崩して支払うこととします)。
この例を株や投資信託の発想で考えると、値下がり分と累積赤字の合計で2,500万円の損失となり、「大失敗」に映るでしょう。

しかし、所有している一棟マンションを8,000 万円で売却すれば、それはその時点で収入になります。
購入時から20年経過しているのでローン残債はおよそ4,000万円です。これを差し引くと4,000万円残ります。さらに最初に諸費用などに使った1,000万円と、累積赤字の500万円を差し引くと残り2,500万円。売却時の譲渡税や仲介手数料などの譲渡費用を考慮しても2,000万円程度は残るでしょう。

このお金の動きを簡略化したバランスシート(貸借対照表)に落とし込んでみます。購入時点と比べて売却時点では資産は目減り(不動産価格が下落)しても、それ以上に負債(ローン)が減っているため、純資産(自己資本)は1,000万円から3,500万円増え、4,500万円になっています(ここから税金などの譲渡費用を払うイメージです)。

「全体の金額は減っているのに資産が増える」現象が起きる理由は、不動産投資では「Other People's Money/他人の資金」の存在があるからです。上の例では、自分の財布から出した初期投資(=種銭)は1,000万円なのに、10倍の1億円の投資をしています。このように、種銭を何倍にも活かせることを「レバレッジ」と言います。銀行ローンという他人資本によるレバレッジが、不動産投資の肝(キモ)なのです。

確かに株やFXでも、信用取引や証拠金取引でレバレッジを掛けることは可能ですが、不動産投資のように20年、30年といった長期融資は受けられません。

さらに、この他人資本であるローンの返済に充てるのは、こちらも他人の資金である入居者からの賃料収入です。もちろん、空室などで運営資金が赤字になれば補てんが必要ですが、ローン返済が進んで残債が減った時点で売却すれば、最終的に黒字にできます。つまり、出口でリカバリーできるわけです。

以上のように、不動産投資では値下がりや赤字になっても必ずしも失敗とはなりません。この点も株式投資をはじめとした金融商品への投資と大きく異なる点です。

魅力的に映る新築ワンルームマンション投資の注意点

会社員の中には新築ワンルームマンション投資に惹かれる方が多数みられます。
不動産会社から「頭金は少額でOK」「節税になる」「将来の年金代わりになる」と勧誘されたら、魅力的に感じるでしょう。
確かにフルローンで購入すれば初期費用は少額で済みますし、一定の節税効果があることも事実です。ローン返済が終わった後も、売却せずに賃貸を続ければ、家賃収入の多くが年金代わりにもなるでしょう。とはいえ、次の2つの理由から、サラリーマンが新築ワンルームマンションへ投資することは、積極的にはおすすめしていません。

新築ワンルームマンションの節税メリットは限定的

不動産取得税や登録免許税などの取得時の経費が膨らむ初年度が、最も節税効果が大きく、2年目にも少し節税メリットが出るものの、3年目以降は節税効果が少なくなってしまうケースが多数です。

家賃収入からローンや諸経費を引くとほとんど現金が残らない

新築ワンルームマンションをフルローンで購入した場合、手元に現金がほとんど残らないケースがあり、赤字で持ち出しになる時期が長く続くこともあります。

確かに、数十年後の出口まで持ちこたえられれば、持ち出し分のカバーはできますが、病気やリストラなどで、賃貸運営に行き詰まるリスクは無視できません。

以上の点から、不動産投資をするなら、シミュレーションをしたうえで収支が黒字になり、手残りがある物件を選ぶほうが無難でしょう。首都圏でも、中古の区分所有物件や一棟ものを吟味すれば、こうした不動産投資は可能だと考えます。

節税志向の強い人には、より節税効果の高い収益不動産、例えば減価償却費を大きく計上できる築年の古い木造アパートを探すという手もあります。ただ、これについても節税効果のある期間は限られています。

将来的に優良な資産を増やしていきたい場合は、節税を追求するよりも、収益性が高くて長期に賃貸運用できる収益不動産が向いているでしょう。

新築ワンルームマンション投資を排除する必要はありませんが、まずは、不動産投資の入口に立って具体的な収益不動産を検討し、自分に合った投資スタイルを見つけてみてください。

不動産投資を成功させるために重要な「利回り」とは

不動産投資を成功させるには「利回り」についての理解が必須です。
利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があり、重要なのは実質利回りです。

表面利回り

「表面利回り=満室想定時の年間家賃収入÷物件価格×100」

ただし実際の賃貸運営には経費がかかるので、表面利回り通りの収益は得られません。
表面利回りのみで物件購入を判断すべきではありません。

実質利回り

「実質利回り=(年間の家賃収入-年間にかかる諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100」

より重要なのは実質利回りです。購入物件の検討時には自分で実質利回りを計算し、キャッシュフローを把握しておくことが大切です。

高利回り物件のリスク

利回りは高ければ高いほうが良いとは限りません。高利回り物件にはリスクもあります。
例えば利回りが高い物件には「家賃設定が周辺相場より高い」ケースや「何らかの理由により建物価格や地価が安い」などの事情があるケースもあります。つまり利回りが高い物件は相応の理由がある可能性があるので、利回りのみを追いかけてしまうのはリスクとなるでしょう。

また表面利回りが高いとしても、家賃設定が高すぎると借り手がつかず空室が増えるリスクもあります。地方の場合だと、人口が減少して入居者が見つからない可能性も懸念されます。

高利回り物件を選ぶ際には、高利回りである理由に目を向けて慎重に検討しましょう。

利回りが低くても購入をおすすめできる物件の特徴

低利回りでも価値が下落しにくく安定収益を得られるなら、良質の物件と言えます。

例えば以下のような物件を選びましょう。

  • ・立地が良い
  • ・築年数が古すぎない
  • ・設備が整っている
  • ・管理が行き届いている

良い物件の見分け方については後ほど具体的にポイントをお伝えします。

不動産投資で節税できる?

不動産投資により節税できる可能性があります。
不動産投資でマイナスが出たら他の所得と損益通算でき、1年で引ききれない分は3年間繰越控除できるからです。

実質的な赤字にしなくても、建物を購入すると減価償却費を経費として計上できるので、税制上は赤字にできる可能性があります。例えば木造アパートでは1年あたりの減価償却額が高額になるので、節税しやすいでしょう。

ただ節税できるということは、不動産投資自体であまりもうけが出ていないという意味です。
投資はもうけてこそ価値のあるものなので、節税を追い求めすぎるのはあまりおすすめではありません。

不動産投資に成功するためのポイント

最後に不動産投資に成功するためのポイントについて取り上げます。以下では大切なポイントである情報収集や融資、立地、利回りやキャッシュフローなどについて解説します。

情報収集と慎重な物件選び

物件選びはくれぐれも慎重に行ってください。物件の立地は非常に重要です。人気のあるエリアか、駅から近いか、将来の人口減少リスクがないかなど、慎重に検討してみてください。前述した通り、新築ワンルームマンション投資の勧誘に安易に応じるとリスクもあります。
今はネットで現地やその周辺の写真なども見られるようになっているので、できる範囲でしっかり情報を集めましょう。不動産投資セミナーに参加してみるのも1つですし、野村不動産ソリューションズでも投資用物件のご紹介を行っていますので、関心ある方はお気軽にご相談ください。
ただ、現地に一度も足を運ばないで購入することは避けましょう。賃貸運営に関わる貴重な情報を得るためにも、購入前に必ず自分の目で物件をチェックすることをおすすめします。

金利や融資についての理解

不動産投資ではローンの利用が必須です。自分がどこまでの融資を得られるのか、把握しておく必要があります。
またローンを使うと金利が発生するので、最終的な総返済額は借入額より高額になります。
物件価格が下がると物件を売却してもローンを完済できず、残債が残ってしまう可能性があります。
不動産投資で失敗しないためにはこうした金利や融資に関する理解が必須です。

キャッシュフローのシミュレーション

購入前に必ず収支のシミュレーションを行いましょう。厳し目にシミュレーションをしても十分なキャッシュフローを得られる物件を選択すれば、失敗リスクを抑えられます。

リスク対策

不動産投資には空き室リスク、家賃滞納リスク、災害リスクなどさまざまなリスクがつきものです。
それぞれに対してしっかり対策しておけば、安全に投資を進めやすくなるでしょう。

例えば空き室リスク対策としては人が集まるエリアの物件を選ぶ、家賃滞納を防止するため入居審査を厳しくする、災害リスクを低減するため保険に入る、修繕費を予算に入れておくなどが考えられます。

良質な管理会社選び

最後に、不動産投資のサポートをしてくれる不動産管理会社の存在が重要です。
管理がずさんでは家賃を滞納されたり借主がつかなかったりして失敗リスクが高まります。

借主を熱心に探してくれる、良い物件を紹介してくれる、融資についても親身になって相談に応じてくれる、しっかり管理してくれる、良質な修繕業者を紹介してくれる不動産管理会社を選びましょう。

不動産投資を検討したいがまだ一歩踏み出せない方は、以下の記事もぜひご覧ください。
不動産投資とは?【初心者向け】仕組みや、メリット・デメリットを解説

宮澤 大樹
宮澤 大樹

宮澤 大樹野村不動産ソリューションズ株式会社 プライベートコンサルティング営業部

1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。 その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。

 

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