不動産投資コラム

土地活用法の選び方とおすすめの活用法12選!それぞれのメリット・デメリットと併せて解説

土地活用法の選び方とおすすめの活用法12選!それぞれのメリット・デメリットと併せて解説

所有しているものの、適切に活用できていない土地をどうするか、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
こうした土地は、何らかの方法で活用することにより収益につなげることが可能です。
しかし、具体的にどのような方法で活用すればよいか分からないという方も多いはずです。そこで本記事では、土地に応じた活用法の選び方や、具体的なおすすめの12の土地活用法について、それぞれのメリット・デメリットと併せてご紹介していきます。

土地活用にもいろいろある?ベストな土地活用の選び方

不動産を所有しているものの、活用できていないという場合、何らかの方法で活用することで収益につなげられる可能性があります。
とはいえ、土地活用にもさまざまな方法があり、どのような方法で活用すればよいか分からないという方も多いでしょう。

ここでは、土地活用の選び方における以下のポイントについて解説していきます。

・立地にマッチした土地活用法を選ぶ
・初期投資額から土地活用法を選ぶ
・得たい収益から土地活用法を選ぶ

それぞれ見ていきましょう。

1. 立地にマッチした土地活用法を選ぶ

まずは立地にマッチした土地活用法を選ぶようにしましょう。

例えば、住宅街にある土地であれば賃貸アパートや賃貸マンションなどの居住用施設、オフィス街であれば事業用施設やコインパーキングなどが向いているケースが多いでしょう。

また、一口に居住用施設と言っても、地域の特性や周辺環境によってニーズは異なります。
駅や繁華街から近く利便性が高いエリアであれば単身者向け、大学の近くであれば学生向けなど、より細かく活用方法を検討していくことが大切です。

どの活用法が向いているかを判断するためには、時間をかけてその土地の周辺環境をしっかりリサーチしなければなりません。
例えば、普段どのような人が歩いているのか、不足している施設はないかなど、周辺を歩いたりインターネットを利用したりして調査するとよいでしょう。

2. 初期投資額から土地活用法を選ぶ

また、初期投資額から土地活用法を選ぶことも大切です。

土地活用法にもさまざまな方法がありますが、それぞれに必要な初期投資額は異なります。

例えば、同じ居住用施設であっても、戸建てを建てるのと賃貸マンションを建てるのとでは初期投資額が大きく変わることが多いです。
戸建てであれば1,000~2,000万円程度で活用できる可能性があるのに対し、賃貸マンションを建てる場合は、規模にもよりますが数千万円から1億円を超える可能性もあります。

そうした初期費用をどのような方法で用意するかも重要なポイントとなります。
自己資金で賄えるのであればよいですが、多くの場合はローンを利用することになるでしょう。
ただし、ローンを利用するにしても、一定額の自己資金が求められるのが一般的です。

3. 得たい収益から土地活用法を選ぶ

さらに、得たい収益から土地活用法を選ぶことも大切です。

さまざまな方法が考えられる土地活用ですが、どのような方法で活用するかによって、期待できる収益が変わります。
例えば、戸建て投資を選んだ場合、基本的に1つの建物で1世帯分の家賃収入を得ますが、賃貸マンションを選んだ場合には、複数世帯から家賃収入を得られるため、より大きな収益を見込めるでしょう。

一般的に、初期投資額が大きい方法ほど大きな収益を得やすいですが、そのぶん失敗したときのリスクも大きくなってしまいます。
土地活用を通してどの程度の収益を得たいかを明確にするとともに、どの程度のリスクを取れるかという点でも判断することが大切だといえます。

おすすめの土地活用法12選!それぞれのメリット・デメリット

土地活用法の選び方のポイントについてお伝えしましたが、具体的にどのような活用法があるのかを知っておくことが大切です。
ここでは、12のおすすめの土地活用法について、それぞれのメリット・デメリットと併せて解説していきます。なおそれぞれの活用法においては、適正な立地・土地面積が必要となることにも注意が必要です。

1. アパート経営

土地の上にアパートを建てて、入居者から家賃収入を得ていく土地活用法です。

アパート経営のメリットとしては、複数世帯から家賃収入を得られるということが挙げられるでしょう。
住宅街など立地がよく、部屋の数が多くなるほど収益を大きくしやすいのに加えて、ある部屋が空室になっても他の部屋から家賃収入を得られるため、安定的な高収益を期待できます。

一方、デメリットとしては賃貸マンションと比べると規模を大きくしづらい点が挙げられるでしょう。また、木造の場合は耐用年数が短くなり、売却時に買主がローン審査で不利になりやすく、売却しづらくなるといった点が挙げられます。

2. マンション経営

土地の上にマンションを建てて、入居者から家賃収入を得る方法です。

メリットとしては、賃貸アパートと同様に複数の世帯から家賃収入を得られるため収益を大きくしやすく、また空室リスクを抑制しやすいといったことが挙げられます。
また、賃貸アパートより規模を大きくしやすいため、より大きな収益を得やすく、鉄筋コンクリート造がメインとなるため耐用年数が長くなるといった点もメリットです。

その他、遮音性や断熱性など建物性能が高いため入居者を集めやすい点もポイントだといえるでしょう。

一方、デメリットとしては初期投資額が数千万~1億円を超えるケースもあるなど、負担が大きくなってしまうことが挙げられます。

3. 戸建て賃貸

土地の上に一戸建てを建てて、入居者から家賃収入を得る方法です。

メリットとしては、ファミリー向けの建物になるため、入居者に長く住んでもらいやすいといったことが挙げられます。
また、賃貸アパートや賃貸マンションと比べると、数が少ないのが一般的で、競合が少ないことが多いといった点もメリットとなります。
その他、1,000~2,000万円から土地活用を考えられるなど、初期投資額を抑えられる点もポイントです。

一方、デメリットとしては基本的に1世帯のみにしか賃貸できないため、空室になってしまうと収入がゼロになってしまうという点が挙げられるでしょう。
戸建て住宅は木造の建物であることが多く、耐用年数が短くなってしまう点もデメリットとなります。

4. 賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、土地のうえに建てた居住用施設について、例えば1階部分に自分が住んで、2階部分を賃貸に出すといった土地活用法です。

賃貸併用住宅のメリットとしては、一定の条件を満たすことで、アパートローンより金利の低い住宅ローンの利用を検討できる点や、住宅ローン控除を利用できるといった点が挙げられます。

一方、デメリットとしては建物の一部を自己居住用に利用することもあり、収益は大きくなりづらい点が挙げられるでしょう。
また、入居者の近くに住むことになるため、入居者と気軽にコミュニケーションを取れる反面、クレームなどを直接受けてしまう可能性もある点には注意しなければなりません。
その他、賃貸併用住宅は他の活用法と比べると収益性が低いこともあり、売却しづらい点も押さえておくとよいでしょう。

5. 高齢者向け施設

土地の上に高齢者向け施設を建てて、自分で運営したり、介護事業者に貸し付けたりする方法です。
前者の場合は利用者から、後者の場合は事業者から賃料を受け取ることになるでしょう。

高齢者向け施設のメリットとしては、一定の条件を満たすことで補助金の適用を受けられるということが挙げられます。
また、少子高齢化の進む日本において、今後さらなる需要が見込める点や社会問題の解消に役立てられるといったこともメリットとして考えられます。

一方、デメリットは初期投資額が大きくなってしまいやすいということです。
規模にもよりますが、数億円の費用がかかることも多く、補助金を得られるとはいえ、負担が大きくなりやすいのです。
また、実際に高齢者向け施設を建てて運用することを考えたとき、運営を依頼できる事業者が不足しやすい点も問題となりやすいでしょう。

6. 店舗経営

土地の上に店舗を建てて、自分で運営したり、第三者に貸し付けたりする方法です。
前者の場合は店舗の売上が収入となり、後者の場合は事業者から収入を得ることになるでしょう。

店舗経営による方法で土地活用するメリットとしては、居住用施設と比べて収益を大きくしやすいことが挙げられるでしょう。

一方、デメリットとしては高齢者施設と同じく初期投資額が大きくなりやすい点が挙げられます。
加えて、高齢者施設のように特別な補助金を得ることはできません。

土地があるエリアが商業用施設として運用するのに適しているのか、周辺の競合物件などと併せて事前にしっかりリサーチすることが大切だといえます。

7. コインランドリー経営

土地の上にコインランドリー用の施設を建てて、利用者から利用料を得る方法です。

コインランドリー経営のメリットとしては、ランニングコストがあまりかからない点などが挙げられます。
コインランドリー用の施設の中に、洗濯機などの設備を導入すればよく、賃貸アパートや賃貸マンションと比べると修繕に必要な費用を安く抑えやすいのです。
また、賃貸アパートや賃貸マンションのように、入居者募集のために手数料を支払うといった必要もありません。

一方、デメリットとしては、収入が時期や天候に左右されやすいといったことが挙げられるでしょう。
梅雨時期や年末の大掃除シーズンは利用が増える一方、晴れの日が続くと利用が伸び悩むといった問題があります。
年間を通して晴れの日が多い年などは、収益が落ち込む可能性があるので注意が必要です。

8. トランクルーム経営

土地の上にトランクルームを建てて賃料を得る方法です。

トランクルーム経営のメリットとしては、賃貸アパートや賃貸マンションと比べると初期費用額を低く抑えやすいことが挙げられるでしょう。
また、居住用施設ではないため、土地の形が整っていなくても活用しやすい点もメリットとなります。

一方、デメリットとしては節税効果が低い点が挙げられるでしょう。
賃貸アパートや賃貸マンションなど居住用施設を建てた場合、固定資産税の納税額を最大6分の1にできる住宅用地の特例の適用を受けることが可能です。
一方、トランクルーム用の施設の場合はこの特例の適用を受けることができません。

9. 太陽光発電

土地の上に太陽光発電用の施設を設置して、売電収入を得る方法です。

太陽光発電のメリットとしては、安定した収入を得やすい点や集客を気にしなくてよい点が挙げられるでしょう。
固定価格買取制度(FIT)により、10kW以上の事業用太陽光発電であれば20年間売電価格が固定されるため、20年先まで安定した収入を見込めます。
また、土地活用を考えるにあたりどのように集客するかは大きなポイントとなりますが、太陽光発電についてはこの点を考慮する必要がありません。
特に郊外の土地の活用を考えるようなケースでおすすめだといえるでしょう。

一方、デメリットとしては、アパートやマンション経営ほどの大きな収益を期待できない点や、設備の経年劣化による発電効率の低下、風水害やケーブル等の盗難などのリスクといったことが挙げられます。

10. コインパーキング

土地の上にコインパーキング用の施設を設置して、利用者から利用料を得る方法です。

コインパーキングのメリットとしては、初期投資額を抑えやすいということが挙げられます。
土地の舗装や利用料を得るための設備などを設置するだけでよく、将来他の用途に転用するときも建物の取り壊し費用がかかりません。

一方、デメリットとしては賃貸アパートや賃貸マンションなどと比べると、得られる収益が少なくなりやすい点が挙げられるでしょう。

コインパーキングで高い収入を得ていくには立地の選定が重要です。一般的には、駅前やオフィス街、観光地、商業用施設の近くなど、駐車場としての利用が見込める土地が向いていると考えられます。
また、需要があるエリアであっても近隣に競合のコインパーキングができると収益が落ちてしまう可能性があるといった点にも注意しなければなりません。

11. 月極駐車場

土地を駐車場として活用し、利用者から毎月の賃料を得る方法です。

月極駐車場のメリットとしては、土地を舗装する程度で始められるため初期投資額を低く抑えやすい点や、毎月安定した収益を得やすい点が挙げられるでしょう。
土地によっては舗装する必要がないケースもあり、ほとんどコストなしで活用することも可能です。

ただし、月極駐車場のデメリットとしては収益額を大きくしづらいということが挙げられます。

月極駐車場は短期間で事業をスタートできるうえ、他の土地活用法への変換もしやすいため、活用方法が決められないときは、とりあえず月極駐車場にするといった方法も考えられるでしょう。

12. 貸地

土地を第三者に貸し付けて賃料を得る方法です。

貸地による方法で土地活用するメリットとしては、リスクなしで収益を得られるということが挙げられます。

一方で、デメリットとしては地代のみの収入となるため、賃貸アパートや賃貸マンションを経営する場合と比べると収益が低い点が挙げられます。
また、契約期間中は他の方法で土地を活用したり、売却したりすることが困難である点もデメリットといえるでしょう。
特に、日本の法律では借りる人の権利が保護されやすく、一度貸してしまうと土地所有者側の都合で解約しづらいといった問題がある点には注意しなければなりません。

まとめ

土地活用法を決めるためのポイントや、具体的な12の土地活用法についてお伝えしました。
土地活用にはさまざまな方法がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
いくつもの土地活用法について、それぞれの特徴を理解したうえで、所有する土地に適した方法で活用することが大切です。
所有する土地の活用について悩んでいる方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造FP2級技能士、宅建士

地方銀行、不動産会社を経て2018年にライターとして独立。2020年に合同会社7pocketsを設立。
現場で得た知識や経験を元に、読む方に理解しやすい記事を執筆しています。

 

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