不動産投資コラム

アパート一棟買いで失敗しやすい6つの落とし穴。リスク回避のポイントも紹介

アパート一棟買いで失敗しやすい6つの落とし穴。リスク回避のポイントも紹介

本記事では、アパート一棟買いで初心者が陥りやすい6つの失敗パターンと、失敗を避けるための具体的な対策について解説します。アパート一棟買いのリスクに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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アパート一棟買いで失敗しないための3つの基礎知識

アパート一棟買いで失敗しないためには、収益を左右するリスクの理解が欠かせません。特に、収益構造や基本的な専門用語を知っておくと、空室リスクや経費負担などの不安定要素を見極められます。ここでは、安定経営を支える3つの基礎知識を紹介します。

1. 空室リスクを減らすための物件選びの基本
2. アパート経営にかかる主な費用を理解する
3. 表面利回りと実質利回りを理解し収益性を見極める

1.空室リスクを減らすための物件選びの基本

アパート経営の収益は主に入居者からの家賃収入で支えられており、空室が続くと収入が減少し、資金繰りが悪化します。空室リスクを抑えるには、物件選びの段階で入居需要の高いエリアを見極めることがポイントです。

一般的には、下記の条件が人気のある物件のポイントとされていますが、エリアの人口動態や競合物件の状況によっても影響されるため、地域ごとの詳細な市場調査が必要です。

● 駅や商業施設へのアクセスが良いエリア
● 学校や公園が近い場所
● 周辺の家賃相場に見合った適正な価格設定

2.アパート経営にかかる主な費用を理解する

アパート経営には、家賃収入が減少しても必ず発生する「固定費」と、月や状況に応じて変動する「変動費」がかかります。家賃収入が予想を下回った場合にもこれらの支払いが続くため、収支バランスが崩れると経営の負担が増す原因になります。よって物件購入前には空室率や修繕費等を厳し目に見積もった「ストレスをしっかりかけた状態」にて収支をシミュレーションし、収入でこれらの費用を無理なく賄えるか確認しましょう。

【固定費の例】

● ローン返済:購入時に借り入れた際の返済額
家賃収入の範囲内で無理なく返済できるかをシミュレーションし、収支バランスの見極めが大切です。

● 管理費:管理会社に委託する場合の建物や設備の管理費
物件の清掃や設備の保守、入居者からの問い合わせ対応などが含まれます。管理会社のサービス内容と費用が適正で、物件の安定運用に役立つ内容かどうかを比較し、判断します。

● 修繕積立費:建物の老朽化や設備の交換に備えるための積立金
将来の大きな修繕に備え、無理のない範囲で定期的に積み立てを行い、予想外の修繕費用が発生しても対応できるように準備します。

【変動費の例】

● 修繕費:設備の故障や老朽化対応にかかる費用
発生時期や費用が予測しづらいため、定期的な点検やメンテナンスを行い、大規模な修繕の発生を防ぐ工夫が必要です。

● 広告費:入居者募集のための広告宣伝費
空室が増えると募集にかかる広告費も増える傾向があります。長期的に入居率を維持できるよう、賃貸条件や入居ターゲットを定期的に見直しましょう。

3.表面利回りと実質利回りを理解し収益性を見極める

物件の収益性を判断するためには、「表面利回り」と「実質利回り」の違いを理解することが大切です。実質利回りを確認しておくと、経費を含めた収支バランスが把握でき、より安定した運用につながっていきます。

【表面利回り】
年間家賃収入を物件価格で割ったもので、経費を考慮せず、単純に収益性を示します。ただし、実際の収益は経費によって変動するため、表面利回りだけでは正確な収益性を判断できません。

【実質利回り】
表面利回りから修繕費や管理費などの経費を差し引いた収益率です。実質利回りはより現実的な収益を示すため、物件を購入する際は実質利回りを基準にすると、予期せぬ赤字リスクを減らしやすくなります。

なお、下記の記事では不動産購入後の運用ステップについて、わかりやすく解説していますので、あわせてご覧ください。
不動産投資の購入後の流れとは?たった3つのステップで賢く運用する方法を解説!【マンション&アパート】

アパート一棟買いで失敗しやすい6つの落とし穴

アパート経営は大きな収益が期待できる一方、気を付けないと失敗に陥りやすいポイントも存在します。特に初心者にとっては見逃しやすいリスクも多く、事前の備えが経営の安定を左右するカギです。

ここでは思わぬ失敗を避け、着実なアパート経営を実現するために知っておきたい「6つの落とし穴」を紹介します。

1. 資金計画の甘さで資金不足に陥る
2. 空室リスクを軽視して収益が不安定になる
3. 表面利回りだけを見て高リスク物件を選ぶ
4. サブリース契約のリスクを見落として損失が発生する
5. リノベーション費用の見積もりが甘く赤字になる
6. 物件管理に関する知識不足で入居者が定着しない

1. 資金計画の甘さで赤字経営に陥る

資金計画が甘いと、アパート経営そのものが破綻します。これは正確に表現をすると「アパート経営を始める際の自己資金にばかり気を取られてしまい、運用中の予期せぬ支出をタイトに計算できなかった」ということであり、実はこういった状況は誰しもに起こり得ます。

アパート経営をする方々は、さまざまな媒体でより多くの情報を得ようとします。これ自体は素晴らしいことだと考えますが、問題は多くの方が知識量や勉強量に比例して「主語が物件になっていく」という点です。

【具体例】

● 利回り何%以上がよい
● 立地は〇〇エリアでないとダメだ
● 〇〇のような物件は良くて、××のような物件はダメだ

どこかで聞きかじった「それっぽい」ことを物件選定の条件とし、
● より新しい物件を
● より利回りの高い物件を
● より良いエリアの物件を
などと「目線」だけを上げてしまうケースがあります。

そうして行き着くところは、ご自身の可動域を超えた「本来は許容範囲外の自己資金が必要な物件」であり、かつ「物件を購入すること」自体が目的となってしまっていることにより、運用中のコストの見積もりが甘く、結果厳しい経営となってしまっている方をよく見かけます。

アパート経営とは、文字通り「経営」です。手元流動資金の考え方や、リスクをどこまで許容するかなど、運用そのものが重要であるといえるはずです。

物件選定も当然に重要ではありますが、運用そのものの重要性を今一度考えると共に、運用そのものに多大な影響をおよぼす資金計画にはしっかりと向き合い、結論づけることをおすすめします。

2. 空室リスクを軽視して収益が不安定になる

アパート経営で安定収益を得るには、空室リスクの対策が欠かせません。空室リスクを軽視して入居需要の少ないエリアを選ぶと、予想以上に空室が続き、収入が不安定になるおそれがあります。

物件選びの際には、駅へのアクセスや周辺の商業施設の充実度など、入居者にとっての魅力を確認しましょう。また、賃料が周辺の相場に合っていないと、他の物件に入居者が流れてしまい、それを食い止めるために賃料を下げざるを得ない状況に陥ってしまうので注意が必要です。

3. 表面利回りだけを見て高リスク物件を選ぶ

表面利回りは経費を差し引かない収益率で、高い数値が出やすいため一見魅力的に見えますが、実際には修繕費や管理費などの経費がかさみます。繰り返しにはなりますが、収益性を正しく判断するには、表面利回りに加えて毎月の維持費や修繕費を差し引いた実質利回りも考慮することが大切です。

また前述しましたが、高い利回り物件に惹かれる状況が続いているのであれば、一度「なぜアパート経営をしたいと思ったのか?」という原点に立ち返るようにしてください。

● 老後の資金として
● 今の生活の一助として
● 家族に資産を遺す目的として

人によって理由はさまざまかと思いますが、アパート経営に興味を持たれた当初は「安定性」や「安全性」などを大事にされていたのではないでしょうか?それが複数の物件をみることによって、AよりB、BよりC…と段々と目線(物件の理想像)が上がってきてはいないでしょうか?

今一度、ご自身の目標を達成するために「果たして本当にこの条件が妥当なのか」「目線が上がり、自身のリスク許容度を超えた物件に手を伸ばそうとしていないか?」と自問自答することをおすすめします。

何度もいいますが、アパートとは経営です。コツは「リスクを抑え」「まずはやってみる」と、この2点に終始することを忘れないでください。

4. サブリース契約のリスクを見落として損失が発生する

賃貸借契約(マスターリース)、転貸借契約(サブリース)

サブリース契約は、管理会社が物件を一括で借り上げ、空室があってもオーナーに家賃が支払われる仕組みです。しかし、契約更新時に家賃が減額されたり、サブリース会社が家賃の見直しを求めたりするリスクがあるため、注意が必要です。

サブリース契約では家賃が保証されているからといって、安心できるとは限りません。契約内容によっては、保証家賃が見直される頻度や契約解除の制限が含まれているため、こうした条件を理解しないと予想外の損失が発生するおそれがあります。

また、サブリース契約を行う際は、必ず「サブリース会社はどこか」という点に注目しましょう。サブリース会社によっては賃料の未払いや送金遅れなど、トラブルの絶えない会社も数多く存在します。過去、そういった会社がサブリースをつけていることを見落とし、泥沼化した事案などもありますので、こちらは細心の注意が必要です。

なお、サブリースについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
サブリースとは?やばい、安心?不動産投資におけるメリット&注意点

5. リノベーション費用の見積もりが甘く赤字になる

リノベーションによって物件の価値を高めようとする場合、見積もりが甘いと予想以上の費用がかかり、収益が減少するリスクがあります。収益性が低い物件に対して過剰なリノベーションを行うと、利益を圧迫しやすいため、改装内容が将来的な収益向上につながるか慎重に検討しましょう。

見積もりは複数の不動産業者に依頼し、費用対効果を比較することで、リスクを減らしやすくなりますので、この「ひと手間」をないがしろにしてはいけません。

6. 物件管理に関する知識不足で入居者が定着しない

アパート経営において物件管理の知識が不足していると、入居者の満足度が低下し、早期退去が増えるリスクがあります。物件の管理を怠ると、共用部分の清掃が行き届かず、エントランスや廊下の照明が故障したまま放置されるなど、居住環境の悪化にもつながります。さらに、入居者からの要望にすぐ対応できないと、快適な住環境が保てず、退去を考える要因になりかねません。

特に自主管理と呼ばれる「管理会社に管理を任せない」タイプの管理形態においては注意が必要です。自主管理をすることで管理手数料を浮かせ、利益を最大化したい場合においては、管理会社が実際に管理を行うフローや業務内容そのものをしっかりと理解したうえで行うようにしましょう。

アパート一棟買いで失敗しないための6つのポイント

アパート一棟買いで失敗しないためには、事前の準備とリサーチが欠かせません。ここでは失敗を避け、長期的な収益を確保するための具体的なポイントをご紹介します。

1. 不測の事態に備えて予備資金を確保する
2. 入居者ニーズを調査して空室リスクを抑える
3. 実質利回りで物件を選ぶ
4. サブリース契約のリスクを理解し条件を確認する
5. 将来の修繕費用を見越した長期的な資金計画を立てる
6. 管理会社に依頼し入居者が住みやすい環境を整える

これまでと重複する内容もありますが、大事なポイントなので改めてご確認ください。

1.不測の事態に備えて予備資金を確保する

アパート経営では、空室が続いたり急な修繕が必要になったりすることもあります。こうした不測の事態に備え、家賃収入の一定割合を予備資金として積み立てておくと安心です。予備資金があれば、収益が減少しても経営が安定しやすく、予想外の支出にも柔軟に対応できます。

これは一般的にいわれるアパート経営のリスクである「大規模修繕に備える」という側面もあります。購入時から「大規模修繕が起きた際にはいくらほど必要になるのか」をしっかり把握し、そこから逆算して月々の収入の一部を積み立てておくと、より安心です。

2.入居者ニーズを調査して空室リスクを抑える

エリアの家賃相場や入居者のニーズをリサーチし、空室リスクを減らしましょう。不動産情報サイトでエリアごとの家賃相場や周辺施設の充実度を調べたり、仲介業者に相談したりすることで、通勤者やファミリー層に人気の条件が把握できます。

駅近くや商業施設が整ったエリア、教育施設が近い地域は人気が高く、入居者を安定して確保しやすくなります。賃料設定も、周辺相場に合わせると競合物件との差別化につながります。

3.実質利回りで物件を選ぶ

物件の収益性を評価するときには、表面利回りだけでなく、修繕費や管理費などの経費を差し引いた実質利回りを確認する必要があります。購入前に管理会社や仲介業者から修繕費や管理費の見積もりを取り、収支シミュレーションを行うと、実際の収益が把握しやすくなります。

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4.サブリース契約のリスクを理解し条件を確認する

サブリース契約を結ぶ際は、保証家賃が減額される条件や、空室時の負担がオーナーに発生するかどうかの確認が必要不可欠です。サブリース契約は、空室があっても家賃が保証されるため安心感がありますが、契約更新時に保証家賃が見直されるリスクをともないます。

契約内容を事前に確認し、家賃減額の条件や契約変更の可能性を管理会社に確認しておくと、収益低下のリスクを避けやすくなります。

5.将来の修繕費用を見越した長期的な資金計画を立てる

屋根や外壁など、10年から20年単位で必要になる大規模修繕に備えて、長期的な資金計画が欠かせません。不動産業者に修繕費用の見積もりを依頼し、具体的なメンテナンス計画を立てると、予期せぬ大きな出費を抑えやすくなります。

6.管理会社に依頼し入居者が住みやすい環境を整える

管理会社は、入居者からの問い合わせ対応や修理手配、共用部分の清掃などを代行してくれるため、入居者が快適に暮らせる環境づくりに役立ちます。管理会社を選ぶ際は、実績や対応の速さ、入居者対応の質を確認し、信頼できる会社を選びましょう。管理が行き届いた環境を整えれば、入居者の満足度が向上し、物件の長期的な価値維持にもつながります。

アパート一棟買いで失敗しないために事前にリスクを把握しよう

アパート一棟買いで失敗しないためには、事前にリスクを理解し、しっかりと準備を整えることが大切です。空室リスクを抑え、収益性を確保するには物件選びや資金計画を慎重に進める必要があります。特に、表面利回りと実質利回りの違いを理解し、経費を含めた収支計画を立てることで、経営の安定が図りやすくなります。また、将来の修繕費を見据えた長期的な資金計画を立てておくと安心です。

今回紹介した基礎知識やリスク回避のポイントをもとに、安定したアパート経営をめざしましょう。

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髙森 塁会社経営、宅地建物取引士

不動産業の他、クリニック、建設、病院食事業を営む会社を経営。また、不動産会社をはじめWEB制作事業やSES事業など多くの会社の顧問、役員を勤める。自身が運営するコミュニティでは医師、歯科医師、弁護士をメインに50名が在籍し「不動産による被害を撲滅するためのセミナー」を2019年より年に2〜4回ほど開催している。顧客には区分マンションを22件保有しているオーナーや、1棟収益物件を30棟保有するオーナーがいるなど、緻密な出口戦略を武器に数多くの「メガ大家」を排出している。
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