パパだって楽しみたい!「工作・おうち遊び」アイデア
やりすぎたりふざけたり、大人が楽しめば子どもも楽しい。そんな「パパ」ならではの視点で贈る、父から子への工作・おうち遊び集。
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パパだって楽しみたい!「工作・おうち遊び」アイデア
やりすぎたりふざけたり、大人が楽しめば子どもも楽しい。そんな「パパ」ならではの視点で贈る、父から子への工作・おうち遊び集。
2016.01.26
父の工作ですが自分の悩みからはじめます。
5歳になる娘がいます。お正月に帰省するとドサーッと親戚が集まります。それもたった一日。ふだん3人でくらしている娘はだれがだれやらわかっていません。一体どうやって説明したらいいものか......と考えていたところ思い当たりました。モビールです。
モビールという天秤のかたちをした飾りが娘の小さい頃にやってきました。これ何かに似てるな......と思ってましたが今わかりました。家系図です。
父と母が横棒でむすばれてその下に子がぶらさがっている。子が結婚すればまたそこから子がぶらさがり......そして見事にバランスがとれている。これです。うちの親戚は絶妙なバランスで成り立っているというメッセージも込められます。
そんなメッセージを込める必要はないんですが作りましょう。家系図モビールを作りましょう。毎日家系図見てればうちの親戚のこともすぐ把握できることでしょう。
作り方
1.設計図(家系図)を書く
2.写真を切り抜く
3.糸でむすんでバランスをとりつつ竹ひごにつるす
4.平置きして糸の長さを調整する
5.吊るして全体のバランスをとる
設計図はかんたんなメモでけっこうです
モビール作りは設計図から。配置する人物は実際に顔を合わせる人くらいまでにしましょう。しかしここで家系図とモビールのちがい。たとえば子に配偶者がいるとして、配偶者の重さを支える点がないのです。私の弟の嫁の父親など出せばきりがありません。
しょうがないので弟の嫁は弟から横棒でつなぎましょう。そんな棒ばっかりのモビール見たことありませんが、とりあえずガンガン進んでみるのも父の工作です。
親戚をハサミで切り抜くとなにか複雑な感情がめばえます
竹ひごで横棒を、そこから糸で写真をつるしましょう。仮留めにはマスキングテープを。かっちり留めるのにはホットボンド(グルーガン)があると便利です
次は親戚の写真を切り抜きます。切ってもいい写真があればいいですが、なかったので親戚の結婚式の写真をパソコン上で一枚にまとめコンビニで出力してきました。母を切り抜いていて(年をとったなあ...親孝行しなければ)と思いお歳暮を送ることにしました。
後日お礼の電話がかかってきましたが、まさか母も切り抜かれながら親孝行誓われたとは思いもよらなかったでしょう。人を思う時間というのはいろいろあります。
さて切り抜いたらならべて竹ひごなどを用意しましょう。
おもしろくない親戚は小さくするなど自由に作りましょう。ここではあなたが親戚の長です
一度、全員配置して全体のバランスをみましょう。竹ひごや糸の長さはここで全体を見ながら決めます。基準はありません。大体で作っても最後の調整でなんとかなります。
今回は上の方が父方の祖父母、母方の祖父母、と4系統あるのでかなり横にひろがります。簡略していけるとこは簡略しましょう。
作る際にルールを決めておくといいです。
・夫婦間は竹ひごで
・親子間は糸で(ただし強度がなければ竹ひごで)
・めんどうなところは写真自体を重ねて簡略化(祖父の兄弟など)
・一番上には長い横棒、それを一本のひもで吊るす
さあやってみましょう。大体で、大体で、でどんどん進みます。どうせできあがる保証はありません。そういういいかげんなものが父の工作というものです。
子に配偶者がいた場合は竹ひごをL字型に組んでホットボンド(グルーガン)でとめましょう
写真の上端5mmくらいのところで穴をあけて糸でむすびます
写真に千枚通しなどで穴をあけ、糸で結びます。端から5mm程度は確保したいので大体髪のあたりに穴をあけることになります。最初赤い糸を使っていましたが全員頭から出血してる一族ができあがりました。黒や茶色でいきましょう。
糸は細いのを使ってしまい、なにかと絡まってめんどうでした(太めでもかまいません)。糸を結んだらホットボンド(グルーガン)でとめてしまいましょう。
一番下にくる子どもからはじめましょう
最初に作るのは一番下にくる世代です。ここでは私の娘から。ほどよくゆらゆらさせるためにクリップなどの重しをホットボンド(グルーガン)でとめておきましょう。娘を結んだ糸のもう片方は父母の竹ひごに。ここのブロックだけ持ち上げてみてバランスがとれるところで仮留めしましょう。
一番最後の子など、ここは最後にバランスいじらないなという場所はホットボンド(グルーガン)で留めてしまっても大丈夫です。糸がたくさんあるとからまってめんどうなので留められるところは留めましょう。
ある程度かたまりができたらその都度持ち上げてみて、バランスをみましょう。糸の長さなど仮留めにして一番最後に調整しましょう
全ブロックできたら糸の長さを調整します。このバランスこそが親戚づきあいのめんどうさですよ!
最後に糸の長さをチェックしましょう。ピンと張ったときにみんなできるだけ並行になるように、そして世代間が横並びになるように。重要そうなところはマスキングテープで仮留めにしておいて、最後にまわしましょう。
できたら一番上を持って、そうっと持ち上げてみてください。この辺りにくると自分が親戚を取り仕切る一族の長のような気分になります。現実はどちらかというと厄介者なのですぐに忘れましょう。
うっかりからませると大惨事です。モビールの欠点を思い出しました。からまりやすいのです。からまったモビールというのはドイツあたりの言い回し(役に立たないという意で)としてありそうです。
モビールがからまると急にゴミっぽくなるのはなぜでしょうか。また、それが親戚なのでより複雑な感情がめばえます
親戚のバランスはがたがた。実際はこんなものですが、ここから最終調整です
最後に吊るして全体のバランスをとりましょう。糸の長さの調整と重さの調整です。重さはクリップなどを重しにしてホットボンド(グルーガン)で追加していきましょう。
この辺りは「意外となんとかなります」としか言いようがありません。こうした確信のない工作だけに出来上がったときの感動はひとしおです。がんばりましょう。
できあがりました。高いところに吊るして娘の帰りを待ちましょう。ドタドタドタ-!と保育園から帰ってきた娘に「いいものあるよー!」と声をかけます。「なになになに!?」とテンションが上がっていますね。ガムやチョコレートだと思ってることでしょう。
「ハッハッハッ、そんなもんじゃない、家系図モビールだ!!」
高らかに宣言してあげましょう。
「うわー、すごい!」と好反応でした。ここから娘に口頭で説明しました。お父さんとお母さんが結婚していて、ここから子どもがいるだろう、その親が......という具合に。意外とすんなり飲み込んでいました。これはなかなかいいものを作ってしまったかもしれません。
娘と同い年くらいの私のいとこがいたりもして説明がむずかしかったのですが、これで説明してやるとふむふむと納得したような表情。
「おばあちゃんのお姉さんがこの人だよね」と意外とそんなとこまで分かってたのかと思い知らされたり。妻の親戚とうちの親戚が世代がかみあわないのがこれでやっと説明できたり。よかったよかった。
遠くはなれた東京で3人で暮らしていると親戚について語る時間というのはそんなにありません。物としてつくってみると強制的にそういう時間が生まれました。
しかしそんなことより自分の大好きないとこたちがゆらゆら揺れてるのだからそれが楽しいみたいです。登場人物は全員知ってる人なのだからそりゃ楽しいでしょう。
親戚を家にかざっているということがバレたら親戚からまた厄介者あつかいされるかもしれませんが、楽しそうなのでわが家は当分このままでいくことにします。