パパだって楽しみたい!「工作・おうち遊び」アイデア
やりすぎたりふざけたり、大人が楽しめば子どもも楽しい。そんな「パパ」ならではの視点で贈る、父から子への工作・おうち遊び集。
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パパだって楽しみたい!「工作・おうち遊び」アイデア
やりすぎたりふざけたり、大人が楽しめば子どもも楽しい。そんな「パパ」ならではの視点で贈る、父から子への工作・おうち遊び集。
2016.11.01
娘が絵本を読んでお菓子の家にあこがれています。しかし我が家ではお菓子はたくさん食べてはいけないことになってます。そこでいくらでも食べていいような健康的なお菓子の家を建ててあげましょう。
5歳になる娘に『ヘンゼルとグレーテル』を読んであげているとやはりお菓子の家に熱中しました。「扉はチョコレートで屋根はクッキー、窓はキャンディなんだよね」と読み終わったあとでもお菓子の家の話をしています。私も子どもの頃はあこがれました。
でも待てよ、今ならこれ作れるんじゃないだろうか。よし、お菓子の家を建ててみましょう。一生に一度は作ってみるべきです。
ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家。屋根はクッキー、ドアはチョコレート・・・ふむふむ
「よし、作ってみようか。お菓子の家」
そう娘に言ったところ彼女の顔つきがあきらかに変わりました。
「屋根はクッキーで、ドアはチョコレートの!?」
ここで問題があります。彼女の保育園では干し芋とか体によさそうなものしか出てこないので、お休みの日でもチョコレートやクッキーをあんまり食べてないんです。しょうがない。体によさそうなもので作りましょう。
体に良さそうで建材っぽいもの。そんなルールで何にするか考えた結果鳥取名物の板わかめをメインの建材にしました。
鳥取岡山共同のアンテナショップで4つ購入。販売員のお姉さんも「わあ、すごーい」と驚いていました。他の人はおやつ目的ですが、こっちは家を建てるんです。大工の買い出しです。
「わー、4つも!?すごいですね!」と販売のお姉さんもおどろいていたのは鳥取県のアンテナショップで買った板わかめ。
お菓子の家を建てるんですとは言えなかった
家に帰ると勘づいた娘が「それなあに!?それなあに!?お菓子の家!?」とはしゃいでいました。罪悪感のようなものを感じます。おかしなことはしてないはずなのに。
翌日、娘が出かけた隙に父は家でお菓子の家の日曜大工をはじめます。
竹串とわりばしでいったん土台を作ります。わかめは石膏ボードくらいに考えてください
接着は片栗粉を水でといたものなどを。ごはん粒もいいでしょう
貼っていきますが、わかめがもろい。きっとチョコやクッキーは簡単なんでしょう
なんとか屋根が完成。しかしこの見た目はどうしたことでしょうか・・・
お菓子の家を作るといって、ブッシュマンの小屋みたいなものがなぜここにあるんでしょうか
ヘンゼルとグレーテルにあこがれて、お菓子の家を作りたかった。彼女の、そして、子どもの頃の自分の夢でもあった。
そうしてなぜ南洋の島の部族の小屋みたいなものが目の前にあるのでしょうか。中から忘れられた旧日本軍兵士が出てきそうなほどです。
とりあえず飾りをつけてなんとかしてみるか、とあらたな建材を買い出しにいきます。ここで帰ってきた娘とはちあわせました。まずい。お菓子の家はまだ制作途中です。
帰ってきた娘と鉢合わせた「えーっ!お菓子の家作ったの!?」いや、お菓子の家じゃないよ!
「お菓子!お菓子!」と本当にいってました。わかめなんですが・・・
ものすごい勢いで部屋に入っていきます。ああ、胸が痛い、胸が痛い、胸が痛い
「えー・・・お菓子の家じゃなーい」「窓とかないし」こんなにがっかりするとは!
制作途中のお菓子の家があるときいて走りだした娘。ああどうしてこんなに胸が痛いのでしょうか。娘につづいて部屋に入っていくと、あきらかに顔のくもった彼女がいました。
「お菓子の家っていったよね?」
ああ、こんなにがっかりさせるなんて。ここから巻きかえさなくては。ここから健康的なお菓子を上に貼って、お菓子の家なんだと証明してみせる。
つづいて母親も「くっせえ、くっせえ」と鼻をつまみながら入ってきました。これがお菓子の家ならそんな風に入ってこないと思います。はたして私の作ってるものはお菓子の家なんでしょうか。
飾り付けです。おせんべいや酢昆布、するめ、きなこねじりなど、できるだけ健康的なやつを
板状のものをスーパーで探したらのしいかがありました。ドアはイカです
屋根はクッキーではなく海鮮好み。えびせんなどのアソートを。お酒が飲みたくなる家です
途中から手伝いはじめましたが、作るのはむちゃくちゃ楽しいようです。
お菓子の家作り、たとえ健康的であっても興味があるようです
健康によさそうなお菓子の家が「堂々完成」という言葉の似合わない感じで完成
重いものが貼りつかないので柱がわりに酢昆布と煮干しが貼り付けられています。怖いです
イカのドアとするめの柱は「部屋がくさい」と母親になじられる要因に
豆菓子の玄関ポーチ、家の中には茎わかめがどっさりあります。なんとなくです
「食べていいんだって、わーい!」本当にそう言ってました
もう写真撮ったから食べていいよと娘にいうと「わーい!」と叫んできなこねじりを口の中に放り込みました。大人は「わーい!」といった気分のときに「わーい!」とはあんまり言いませんが、作ってよかったと思う瞬間でした。
チョコレートじゃなくてよかったのかときいても「これでいい。おいしいから」といいます。なんと不憫なんでしょう。大人はチョコもクッキーも食べ放題なのに。
やはりお菓子の家の力はすごいです。こんなおばあさんが食べてそうなものでできていても子どもの気持ちをつかんで離しません。あらゆる不憫さや情緒は糖の前では無力です。今度「愛」の代わりに「糖」と変えて、『愛がすべてさ』あたりを歌ってこようと思います。
子どもの頃に思い描いたお菓子の家、そして今後子どもが大きくなったとき思い出すであろうお菓子の家はこんな磯臭い結果になりました。
その後の娘のらくがき。お菓子の家を描いたといっていたが・・・この家、魚が貼り付いてる!