教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
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教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
2016.08.30
全6回でステキな子ども部屋の作り方を紹介しています。
前回の記事では、部屋作りで大切なポイント「インテリアのテーマカラー」について書きましたが、今回のテーマは、「家具のレイアウト」です。
私が息子の部屋作りをした時に、家具のレイアウトで重要視したのは、実はデスクやベッドなどのメインとなる家具の位置ではありません。息子が欲しがっている【秘密基地】をどこに作るか、ということでした。
我が家の場合、息子が7歳になる当時、1階にリビングがあり、息子の部屋は2階にあったので、息子はあまり自分の部屋に行くことがなく、リビングで多くの時間を過ごしていました。
部屋作りを始めたきっかけとして、息子が小学生になったこと、また、家の中で自分の居場所を作ってほしいという私の気持ちもあり、自然と息子が2階に上がって過ごしたくなる、魅力的な部屋作りをしたいと思いました。
息子が興味のあるものを部屋に置くことによって、ワクワクするような部屋に仕立てることで、子どもの想像力、発想力を大切にしようと考えたのです。
そして、部屋作りを一緒に楽しんでもらうために、何かの答えを求めるのではなく、一緒に家具の配置や、秘密基地のプランを持ちかけることで、部屋作りの最中から自然と息子の関心を高めるようにしました。
一番のワクワクの部分【秘密基地】をクローゼットの中かベッドの下にしようと決めたので、次に他の家具のレイアウトを考えました。
子ども部屋に必要な物は大体決まっていますし、部屋の形や広さによって置ける物も限られます。お子さんが就学前の場合は、衣類収納用の家具やラグ、コートラック、本棚など。小学校に入学すると、机、ベッド、衣類収納用の家具、ラグ、コートラック、本棚と、机がメインの家具になりますね。
もちろん、大きな家具は配置できる場所が限られることが多いので、ベッドを置く場合は、ある程度どのあたりにベッドを配置するとよいかを考えながら、机の配置も同時に考えます。
画像は姪っ子の部屋をコーディネートしたときの机とベッドの位置関係です
息子の場合、机の位置については、私の希望を明確にしました。
(1)自然光が入ってくる場所がよい
(2)勉強に集中できるように、ベッドと机の位置は離したい
(3)机の前に時間割表を貼れるようにしたい
(4)机の隣にランドセルの棚や教科書用の棚を置きたい
(5)室内の真ん中に子どもがおもちゃを広げて遊ぶスペースを設けたい
色々とあるのですが、優先順位で考えると、(3)を可能にするために机の前に壁を持ってきたいことが一番。さらに息子はまだ小学生なので、十分に動ける余裕を確保しつつ、物を広げるスペースを作るために、(5)部屋の真ん中にスペースを設けたいと考えました。
机の正面を壁面側に合わせ、机とベッドは窓をはさんだ端と端に配置しました。結果、そのレイアウトで(1)~(5)の全てを網羅することができました。
机の配置の仕方ですが、勉強に集中させたい場合は、視界の中にベッドが入ってこないレイアウトがおすすめです。
また、衣類収納用の家具は出し入れがしやすいようにベッド付近で、かつ部屋の手前側の位置に持ってきました。
コートハンガーなども部屋に入ってすぐにあると便利な動線になりますね。例えば、遊ぶとき、勉強するとき、部屋を出入りするときとシーン別にグループ化して、必要な物をそのグループのエリアに置くことを意識してみると家具のレイアウトも簡単にできます。
その際の留意点としては、家具の配置場所にドアや窓が被ってこないことを確認してくださいね。ドア付近に物があると動作の邪魔になり、窓付近に物があると動作だけではなく、ガラスの破損や家具の日焼け等の恐れもあります。
ある程度家具を配置する前に、紙に簡単に寸法などを入れながら平面図を書き、生活上で行う動作の確認などシミュレーションをしてみるといいですね。
どんなお子さんにも「○○をするのが好き」という特長があるかと思います。その部分をきちんと受け取って部屋作りをしてあげることが、当たり前のようで、実は一番見落としがちな部分ではないかと思っています。
例えば、塗り絵が好きな子には、部屋に大きなイーゼルを用意してあげると喜ぶかもしれません。
また、家具のレイアウトでも家具をコーナーに持ってくるか、部屋の仕切りとして中央部分で使用するかで雰囲気も全く変わってきます。
子ども部屋作りを通じて、親子でインテリアを考えることや、その変化を楽しんでみてくださいね。