教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
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教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
2016.01.26
インテリアコーディネーターの小島真子です。
連載コラムの第1回目は、私の体験談から「子どもと楽しむインテリア」について私が考えてきたことをお伝えさせてください。
『どうせ汚くなるから・・・』息子を妊娠した際、出産前からインテリアに対して、装飾性よりも機能性のみを求めていました。
当時の私は、初めての子育てを上手くできるようにと、室内環境を整えることに一生懸命でした。
出産前には、ネットや雑誌を見ては、ある程度予測できるであろう小さな子どもの行動を考慮した室内環境を安全にすることに努めました。
自分の大切な置物は子どもが大きくなるまでは、保管しようと納戸にしまってみたり、室内のラグをやめて子ども用のプレイマットを購入してみたりと。
また、息子が生まれてからは、テーブルのコーナーに保護用のキャップを取り付けてみたり、食器棚の持ち手部分が開かない様にキャビネットロックを取り付けてみたり、その都度安全な空間作りを行っていました。
当時、まだインテリアコーディネーターとして働いていなかった私。インテリア好きなことには変わりはありませんでしたが、この時点で自分の好きな空間、自分の居心地の良い空間というのは頭の片隅にもありませんでした。
慣れない子育てをこの空間で過ごすことは、私自身にとっては知らない間に心の負担が重かったのでしょう。こんな毎日を過ごす中で、予期しない行動を行う息子を相手に私の我慢の限界がくるのもそう遠くはありませんでした。
ある朝、旦那様から「500円玉ハゲできてるね」って言われ、あわてて鏡を見てみたら、案の定、頭のてっぺんにくっきりと500円玉ハゲができ来ていました。
この身体からのSOSで初めて、自分の心のサインに気づきました。
私は、息子にとって安全な空間を作ることが、小さな子どもと過ごすインテリア空間作りと思い込んでいました。
もちろん、子どもにとって安全な空間を作ることは、とっても大切な事なのですが、私の場合は、その部分だけにこだわりすぎてしまったのです。
インテリアが大好きな自分が息子と日中の大半を過ごすリビングを、自分にとっても居心地の良い空間にすることを忘れてしまったのです。
リビングのソファに関しても、息子がソファから落ちない様にと脚付からフロアクッションタイプの物にしてみたり、子どもが食事をしやすい様に昇降式のダイニングテーブルを購入してみたりと子ども中心で考えて購入してしまった家具。
私が家事を行う際、面倒くさいレイアウトになっていたこと、その負担部分も心のストレスとなっていたこと。
この時、少しでも自分の居心地の良さをインテリア空間作りに取り入れていれば、私は小さな子どもと一緒に作る子どもインテリアをもっと楽しめていたのです。
子どもが小さいからインテリアを楽しめないのではありません。
子どもの年齢によって考慮する部分は出てきますが、子育て中のインテリア空間作りは、従来のインテリア空間作りに、子育て部分をちょこっとプラスしてあげるだけで、通常と何の変りもないのです。
小さな子どもと一緒だからこそ楽しめる「期間限定のインテリア」という認識を持ってみることで、子どもが散らかしたおもちゃや落書きからくるストレスは軽減されます。
実際に、私も落書きをやらかされたことはあります。息子にリビングの壁を油性ペンで落書きをされた時は、かなり凹んでしまいました。
当時の私は、落書きをした息子を怒ってしまいましたが、今考えてみると怒る理由はなかったのです。その落書きは、その時期当たり前の『小さな子どもと一緒に楽しめるインテリア』だったのです。
落書きされたままの状態が嫌であれば、その部分だけ黒板にしてみたり、書き込み自由な紙を挟んだポスターフレームを飾ってみたり、ウォールステッカーを貼ってみたりと、その落書きから始まるインテリアを楽しんでみてはいかがでしょうか。
『小さな子どもと一緒に楽しめるインテリア』の最初のステップとして、親自身が子どもと一緒に笑顔になれる空間をイメージしてみるところからはじめてみてはいかがでしょうか?
どんな空間でどんなふうに過ごしているのか?そこにいる自分をイメージすることで、既に子どもと一緒にインテリア空間作りを行っているのです。
私自身が悔やんだ経験が多かった分、読者の皆様には、子育ての時期だからこそ楽しめる空間アイデアをこの連載コラムを通してご紹介していきたいと思います。