教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
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教えて!子ども部屋やリビングの「インテリア」術
プロのインテリアコーディネーターが、子育て中のリビングや子ども部屋をオシャレに演出するテクニックやノウハウをレクチャー。
2016.03.22
最近、3歳から7歳くらいのお子さんのお母さんからよくいただく質問です。
子どもが勉強しやすい環境を考えるのも「インテリア」のひとつ。
親子のコミュニケーションを育む、「リビング学習のすすめ方」を私自身の体験もふまえながらご紹介します。
昔は、「勉強は自分の部屋で静かに集中して行うもの」と、誰からともなく自然と教えられていた気がします。
実際に私は、雑音があると集中ができないどころか、焦りが生じてしまうこともしばしば。
それが今では、幼少児の学習は、「適度な雑音があるリビング・ダイニングで行うと成績がアップしやすい」と言われています。
適度な雑音の中で勉強することにより、その中で集中できる力を養うことができるのです。
このようにリビング・ダイニングで勉強することを「リビング学習」と言い、現在、多くの方が取り入れているようです。
実際にインテリアコーディネーターである私の元にも、お子さんをもつお母さんたちから多くこの「リビング学習」についてのお問合せをいただいています。
そんな「リビング学習」のメリットをいくつかご紹介します。
・親は子どもが悩んでいる問題部分を見つけやすく、対応しやすいため、親子の信頼関係がアップする。
・同じ空間に人の気配を感じるので安心感がある。孤独感を感じにくい。
・人の視線を感じるため、勉強をしなければならないという気持ちになる。
リビング学習は、勉強が苦手な子どもにとって、苦手意識を取り除きやすい学習方法でもあります。
ただ、そんな素敵なメリットをもつリビング学習も、親の対応次第では間違った勉強方法にもなってしまいがちです。
私が家で仕事をする時、ダイニングテーブルが主な仕事場所となります。ノートパソコンを使う作業が多いためです。
子どもが小さい時は、ダイニングテーブルの位置からリビングのテレビの前やリビングコーナーで遊んでいる息子の様子も見ることができたのでとても便利でした。
リビング・ダイニングは私にとって、子どもと一緒に「仕事を快適に行える場所」でした。
子どもが小学校に入る頃になると、勉強をする時に集中できる自分だけの場所を作ってあげたいと考え、子ども用の学習机の購入を検討しました。
最初、私はリビング・ダイニングをスッキリとさせたかったため、学習机を置くのは嫌でした。
LDK内に子ども机を置くとなると、目安として室内に1m~ 1.2m四方のスペースを要します。学習机を置くとなると、空間にかなりの圧迫感がでてきてしまいます。
ビジュアル的にもリビング・ダイニングの空間がステキな空間になるとはイメージができませんでした。
でも、実際にリビング内に学習机を置いてみると、良かったと思う点が多々ありました。
机の上は、思っていたよりも、消しゴムのカスが多く出たり、ノートに書こうと思っていた字がはみ出して机の上にも鉛筆が付いていたり、何かと汚れます。
これがもし、ダイニングテーブルでやられていたら・・・と思うと、毎日の掃除を考えるだけでも気が滅入ります。
まだ学習机で良かったな・・・と思えるのです。
また、自分がダイニングテーブルを占領するような作業をしていても、子どもは学習机で勉強できるので、自分の作業をしながら息子の勉強の様子を伺うことができて便利でした。
リビング学習では、学習の「場所」の他に、それをアシストする「親の対応」も重要なポイントとなってきます。
私も、「子どもは自分の思い通りにはいかないもの」とわかっているのにもかかわらず、ついつい自分の都合ばかりを優先してしまい、NG行為をしてしまいました・・・。
皆様、以下のNG行為にはお気を付けてくださいね。
・なかなか勉強に取りかからない息子を叱咤
そもそも勉強をやる前から怒られては、息子もやる気がなくなります。
・家事に没頭してしまい、子どもが質問してきたときに「自分で辞書をひきなさい」「自分で考えてみて」と口だけの対応
一緒に考えて、一緒に向き合ってあげることによって、親子のコミュニケーションや信頼関係が育まれます。
そして、特に幼少期に大切なのは、本人が理解できた時に褒めてあげること。
そうすることで更にやる気がアップするのが、リビング学習のいいところです。
子どもが質問をしてきた時こそ、リビング学習のメリットを活かし、学習意欲と親子のコミュニケーションを育むチャンスなのです。
・問題につまずいている息子を、ついじーっと凝視
親の過剰な視線により、子どもが威圧感を感じ、集中できなくなります。
・息子が勉強しているにもかかわらず、テレビをつけっぱなし
家事の雑音だけならともかく、テレビの音声は子どもの集中力を損ないます。
どのNG行為も、息子の気持ちを優先に考えていれば回避できていたはず。
リビング学習の効果を最大限に活かすためにも、一歩引いた所からの対応を心がけたいものですね。
下の写真は、お気に入りの風船を頭に付けて、リビングに置いた勉強机に向かう息子の姿です。
風船をつけているのはとてもおかしいので、当時私は注意をしたくてたまらなかったのですが、これで息子が気持ちよく勉強机に向かえるならと思い、注意したい気持ちを我慢しました。
今ではこの写真もいい思い出となり、あの時注意をしなくてよかったと思っています。
リビング・ダイニングに置く子ども机を選ぶ際は、以下のポイントを押さえたものがおすすめです。
・リビング・ダイニングのインテリアに合うデザインのもの(木材の種類や形状等)。
・圧迫感を防ぐため、高さのある正面棚は避ける、奥行きが浅いものや机の脚の太いものも避ける。
机は作業する場合も考えて奥行きのあるタイプが多いのですが、奥行きがあると圧迫感を感じます。
リビング・ダイニングに置く机なら、ノートや教科書が広げられる奥行きがあれば十分です。
机の脚もどっしりとした感じの物はリビングに溶け込みにくく、存在感が強くて圧迫感が出るため、なるべく面の脚ではなく細身のタイプの脚の方がスッキリとして見えます。
また、リビング・ダイニングの照明によっては手元の明るさにムラが出るため、手元灯の用意ができるとよりよいでしょう。
リビング内に子ども用の机を置くことができるのならいいのですが、スペースが確保しづらいお宅の場合は、カウンタータイプのテーブルがおすすめです。
または、折りたたみテーブルを用意して、勉強する時だけに登場する専用の机を作ってあげてもいいですね。
リビング・ダイニングで、親子でコミュニケーションをとりながら勉強することで、子どもの苦手意識からの勉強嫌いを防ぐこともできます。
ぜひご家庭でも検討してみてくださいね。