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片付け収納

どうしたら片付けてくれるの?ママと子どもの「お片付け」のコツ

毎日毎日散らかすわが子に悩むママ達のための、子どもと一緒に上手にすすめるお片付けのコツを紹介します。「親・子の片づけ教育研究所」理事の橋口真樹子さん監修のもと、マスターインストラクターがバトンをつなぎ、リレー形式でコラムを連載します。

「子どもが片付けやすい仕組み」づくり

ママの役目は子どもの代わりに片付けてあげることではなく、子どもが戻せる仕組みを作ること。今回は片付けやすい仕組みづくりのポイントをお伝えします。

ママの役目は「片付けやすい仕組みづくり」

何度言ってもやらないから、結局自分が片付ける。毎日の片付けバトルにはため息がでますね。ですが家ではやらない子どもも、学校や幼稚園ではそれなりにやっています。

ママの役目は、学校や幼稚園のような「片付けやすい仕組み」を作ること。
そのためにはお片付けを正しく理解する必要があります。

整理、整頓、収納、片付け、掃除-それぞれの意味と違い、あなたはわかりますか?

【リバウンドしないお片付けの手順】

お片付けの2つの目的

お片付けには2つの目的があります。それは「わかるようにすること」と「見た目をきれいにすること」。

わかるようにすると、様々な家事に時間がかからなくなり、心にゆとりが生まれます。
見た目をきれいにすると、気分がよくなりその状態をキープしたくなります。

お片付けの苦手な人は見た目をきれいにする事ばかりを頑張ります。散らかった物を適当にしまいこみ、探しているうちにすぐリバウンド。書類を捨てるのが不安でファイルボックスがどんどん増える。

このやり方ではいつまでたってもラクになりません。「わかるようにする工夫から始める」のが正解です。

チェストの一段目はカトラリー、二段目は文房具、三段目は薬など、定位置を決めると探し物をしなくなります。衣類をたてて収納すれば、引出しの下の方をひっくり返さなくなります。

書類の保管ルールと収納場所を決めれば紙が持ち込まれてもササッと仕分け。テーブルはいつもスッキリです。
「定位置はここ!」と決まったら、家の空き箱で仕切るかサイズを測って収納グッズを買いましょう。見た目はいつでも改善できます。

お片付けの4つの手順

お片付けの2つの目的を実現するには、4つの手順があります。

1.整理=必要な物を残すこと
整理とは要不要の仕分け作業。最初にこれをしなければ、要らない物のために収納スペースやグッズを確保する事になります。

2.収納=使いやすく配置すること
シンプルなルールは「その場でサッと出して使ってサッとしまえる」です。雑誌や本のアイディアから「我が家でも続けられそうな方法」を見極めるのがポイントです。

3.片付け=元の場所に戻すこと
元の場所=定位置が決まっていない物は片付けることができません。「片付けて!」のひと声で子どもは予想通りに片付けてくれますか?

4.整頓・掃除=乱れ・汚れを解消すること
CDをそろえたり本をきちんと立てたり、掃除機やモップでホコリや汚れを取り除く作業です。片付いた部屋は掃除がラク。掃除ばかり頑張っていたママ、ぜひ片付けから始めましょう。

この4つの手順は、順番通りに進めればどんどんラクになる関係です。

1.整理で物の量が減ると2.収納も便利な場所に定位置を確保できます。
定位置が便利だと3.片付けがラク。片付いた部屋は4.整頓と掃除がすぐに終わります。

そして1.整理と2.収納は、片付けやすい仕組みづくりのプロセス。引越しなどで暮らしが変わらない限り、何度も見直す必要はありません。

3.片付けと4.整頓・掃除は、定期的に必要なメンテナンス作業。生活すれば部屋は散らかりますし何もしなくてもホコリは積もります。

メンテナンス作業は一生続くからこそ、それをラクにこなせる仕組みづくりが大事。仕組みづくりは、価値ある投資なのです。

子どもが片付けやすい仕組み4つのコツ

それでは子どもスペースの仕組みづくりを考えてみましょう。気をつけるべきはこの4点です。

1.子どもが管理できる量にする
子どもの物はどんどん増える!と思っているママ、増やしているのは大人です。中学生ぐらいまでは「片付けないなら新しいおもちゃは買ってあげない」と量をコントロールできるのです。「おもちゃが増えたら収納スペースも増やす」ではなく「おもちゃが増えたら遊ばなくなった物を探す」。

「よく遊ぶ物」は便利な場所に、「遊ばなくなった物」は納戸に移動、と分けるだけでも片付けがラクになります。

2.定位置の決め方が鍵
使う場所に近い場所が便利です。リビングで遊ぶおもちゃならリビングに定位置を作ってあげましょう。

我が家では娘と息子のおもちゃはテレビ台の引出しやリビングテーブルの下が定位置でした。
生活感を出さずに子どもの物を収納することは可能です。どこだったら片付けてくれるか、を考えて見直してみましょう。

3.よく使う物が最優先
子どもの物を全部リビングに置くのは無理。そんな時に考えるべきなのが使用頻度です。
本当によく使うおもちゃだけを厳選すれば大きなスペースは不要です。

テレビ台はCDやDVD、取扱説明書を入れている方が多いですが、我が家では取扱説明書はほとんど調べませんし、DVDやCDもめったに使いません。

毎日「片付けて」バトルを繰り返すおもちゃをテレビ台に入れたほうが合理的です。ここに戻す事さえしないようなら「新しいおもちゃは買わないよ。」と伝えます。「ここで実際によく使っている物は?」と、柔軟に考えましょう。

4.子どものレベルにあわせる
細かい分類やパズルのようにきっちりした収納が好きな収納オタクタイプのママは気をつけて!

定位置が高すぎたり、引き出しが重すぎたり、仕分けが細かすぎたりと、子どもには片付けづらい状態を見かけることが多いです。「もっといい場所」を思いつく度に定位置を変えるママ、家族が置き去りになってませんか。

我が家のルールは「一番できない子がVIP待遇を受ける」。片付け嫌いな息子でもできる仕組みを整えて「こんなに簡単にしてあげたんだから自分で片付けなさい。」と伝えています。

改善できる工夫は、いくつ見つかりましたか?仕組みを作ったら堂々と「自分で片付けてね」と伝えましょう!

橋口 真樹子 (はしぐち まきこ)

お片づけカウンセラー/社団法人 親・子の片づけ教育研究所理事

夫のアメリカ留学を実現するため夫婦そろって退職、家財の9割を手放し2歳の娘を連れて渡米。留学中に「いつ来てもきれいな家」と評判になり、お片づけのアドバイスを求められるように。帰国後に整理収納アドバイザーの資格を取得、「家族まで片づけスイッチが入る」お片づけカウンセリングや「手軽な工夫がすぐ真似できる」自宅セミナーが好評。 

ブログ: 「幸せな毎日のための整理力」 
http://seiri-ryoku.jugem.jp/

著書:「ひと声かければ5分で片づく!子どものお片づけ」(青月社)

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