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片付け収納

どうしたら片付けてくれるの?ママと子どもの「お片付け」のコツ

毎日毎日散らかすわが子に悩むママ達のための、子どもと一緒に上手にすすめるお片付けのコツを紹介します。「親・子の片づけ教育研究所」理事の橋口真樹子さん監修のもと、マスターインストラクターがバトンをつなぎ、リレー形式でコラムを連載します。

転勤族の子ども部屋のお片づけ

今回は小学6年生女子と小学2年生男子の子ども部屋のお片付けです。

お母様のご相談内容

「引っ越してきて半年経ちましたが、まだ家が雑然としています。娘と息子で一緒に使っている子ども部屋をスッキリさせたいです。」

 夫(49歳)
 妻(48歳)
 長女(12歳・小6)
 長男(8歳・小3)
 お住まい 74.88m2・3LDK・築27年のマンション(賃貸・引っ越して半年程度)

今回のお客様はいわゆる「転勤族」のご家庭。北海道から九州まで様々な土地の暮らしを体験され、過去に役立った工具や部品、スノーブーツやコートなどの防寒具に暖房器具など、「また使うかもしれない」物がたくさんありました。もちろん家具や収納グッズもしかり。引っ越して使いづらくなっても「次の引越し」を思うと、なるべく買い換え・処分をしたくないとのことでした。

転勤族の奥様にとって、本当に大変なことの一つがお引越しです。

「要る?要らない?」を自分の一存では決められない物達。きりがない量のダンボール詰めに開梱作業。新生活や子どもの転園・転校に伴う山のような手続きに、家族が新しい環境に無事に馴染んだかどうかの心配。奥様自身も新たな土地での不安や心細さを抱えながらこの大きな引越しプロジェクトを、日々の家事と並行してほぼ一人で担当されることも多いです。

before

ご依頼時にお客様からいただいた写真です。

室内はカラーボックス3台と押入れ用コの字ラック6台を、棚に見立てて使用しています。これまで押し入れ収納が多い住まいだったことや、なるべく家具を増やさずに頑張ってきたことが伺えます。

カラーボックスには長女の学校の物や本・雑貨など。押入れ用コの字ラックは3段分が2人のおもちゃコーナー、もう3段が長女の衣類や部活着、なんとなくちょい置きした物など。長男の学用品はリビングの一角に、衣類はリビングに隣接する和室に収納してありました。

小さなクローゼットの幅は1メートル程度ですが、奥行は押入れサイズ。2列3段の押入れ用引出し収納2台を、前後に配置していました。奥はおもちゃ類、手前は長女の衣類が収納されていました。

整理収納を計画する際は、「どう暮らすか」を決めることからはじめる

整理収納というと、「どこにどの家具を置くか」「どんな家具・収納グッズを買うか」「どんな収納法にするか」に意識が行きがちです。今回の奥様も「ベッドを買った方がいいのでは」「勉強机もそろそろ必要では」などと迷っていらっしゃいました。

ですが、家具の購入や配置を検討する前にしなければならない大切な事は、「どう暮らすかを決める」ことです。

現在、子ども達は学校から帰宅するとリビングで宿題をし、寝るときは家族全員で和室に布団を敷いているとのことでした。
ですから夕方帰宅した子ども達にも確認しました。

「そろそろ子ども部屋で寝たい?」「ん?別に。どっちでもいい。」
「勉強机、あったほうがいいかな?」「え、だって勉強はここ(リビング)でやるから別にいいんじゃない?」

どうやら子ども達は今のままでも特に不満はない様子。
ということでお母様とも相談の上、今回は「将来の机やベッドのスペース」をイメージしつつ、まずは「今の暮らし方」に合わせて片付けることになりました。

作業の手順

整理収納の大切なルールの一つが、「一番よく使うものを便利に収納する」。ですから、まずは長女と長男が「今一番よく使っている物」を確認します。

長男は学校の物と習い事の物、そしておもちゃの一部。これらの収納場所はリビングの便利な場所に確保されていました。
長女は学校の物と部活着を含めた衣類。
学校の物はカラーボックスにまとまっていたので、わかりやすく整理すれば大丈夫ですが、衣類はクローゼット内の引出しではサイズが小さすぎて不便でした。今回は作業に先立って5段の引出しを新規購入することに。 そして2人が1番使っていなかったおもちゃが、室内の押入れ用コの字ラックに出しっぱなし。1番取り出しやすくなっていました。 これも部屋の使い方としてはもったいない状態です。

要不要の仕分け

「今よく使っている物」から優先的に長女に仕分けてもらいました。判断が早い!次々とゴミが出てきます。

部活に追われて整理の時間を取ってこなかったよう。整理する時間を意識して作れば、今後も適量管理はできそうです。

収納作業

「よく使うものをより便利な場所に収納する」をルールに、長女の学用品と衣類、よく使うおもちゃを室内に収納。

吊るす衣類やオフシーズン衣類、あまり使わないおもちゃや、時間が足りずに未整理になった物をクローゼット内に配置しました。

次の引越しを考えると捨てたくない押入れ用コの字ラックは、クローゼットの奥と別の部屋で使いまわして、残りはたたんで保管します。

after

<before> <after>

長女の衣類は新規購入した引出しに。各引き出しが大きくなったので同じアイテムを集合させることができ、クローゼットではなく室内に置くことで、出し入れがラクになりました。

学用品や本・雑貨を整理し、3段重ねのカラーボックスは2段と1段に分けて、窓からの採光を優先させました。ハンガースタンドにはよく使うカバンや部活の物だけを残して衣類コーナーに移動させました。

移動した1段のカラーボックスの上には、ぬいぐるみスペースを確保できました。おもちゃスペースの押入れ用コの字ラックは、クローゼットにあった引出しと入れ替え。よく使うおもちゃを集中させました。

クローゼット奥 before クローゼット奥 after

クローゼット内の奥は引出しを押入れ用コの字ラックに入れかえました。奥にあった作り付けの棚と合わせて、ボードゲーム類、プールバッグなどのオフシーズン物や未整理の工作が入ったダンボール箱など、めったに出し入れしないものを集めました。

クローゼット手前 before クローゼット手前 after

長女のたたむ衣類を室内の引出しに移動したことで手前の引き出しは空に。あまり使っていないおもちゃを入れてラベリングしました。クローゼットは「保管する物」が中心のスペースになりました。

子ども部屋は変化のサイクルが短いです。小学6年生の長女が中学生になった時には、また物の入れ替えがあるでしょう。
教科書や参考書類などの紙類は小学校時代の2、3倍になり、部活着以外に制服も加わります。

でもその頃には、さらに使わなくなったおもちゃや、サイズアウトしたり子どもっぽくて着たくなくなる衣類も出てきます。
カラーボックスを、より収納力のある勉強机や大きな本棚と入れ替えることもできます。

多くのお母さんたちが言うように、子どもの物は「どんどん増えます」。でも、同じぐらい「どんどん手放せる」物もでてくるのです。
増えたら、減らす― 子ども部屋の大切なルールだと思って、ぜひ親子で上手に物の入れ替えをしてくださいね!

橋口 真樹子 (はしぐち まきこ)

お片づけカウンセラー/社団法人 親・子の片づけ教育研究所理事

夫のアメリカ留学を実現するため夫婦そろって退職、家財の9割を手放し2歳の娘を連れて渡米。留学中に「いつ来てもきれいな家」と評判になり、お片づけのアドバイスを求められるように。帰国後に整理収納アドバイザーの資格を取得、「家族まで片づけスイッチが入る」お片づけカウンセリングや「手軽な工夫がすぐ真似できる」自宅セミナーが好評。 

ブログ: 「幸せな毎日のための整理力」 
http://seiri-ryoku.jugem.jp/

著書:「ひと声かければ5分で片づく!子どものお片づけ」(青月社)

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