不動産売買に必要な仲介手数料とは?計算方法など解説

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア

ほとんどの不動産売買の案内には「仲介手数料」の記載があります。「不動産屋さんに支払うもの」というのはなんとなく分かっていても、「どのような手数料なのか」「どの程度支払うものなのか」「誰が支払うものなのか」など、あまり分からないという方も多いのではないでしょうか。「仲介手数料」とは、不動産仲介会社が不動産の売買取引の仲介業務をしてもらった結果、売買が成立した場合に、支払う手数料です。ここでは、不動産を売買する際の仲介手数料について解説する他、仲介手数料以外にかかる費用についてもお話します。

目次

1. 不動産の売買で発生する仲介手数料とは

不動産の売買を不動産仲介会社に任せ、売買契約が成立した場合、不動産仲介会社に「仲介手数料」を支払う必要があります。
この「仲介手数料」とはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

1-1.仲介手数料は不動産会社に支払う成功報酬

仲介手数料とは、簡単に言えば「不動産仲介会社に支払う成功報酬」です。
ほとんどの方が、不動産を売却したり、購入したりする場合には、不動産仲介会社に依頼をするでしょう。
不動産仲介会社は依頼を受けると、広告を出したり、その不動産に興味を持った人におすすめをしたりと、売却をするための活動をします。そして、「買いたい」という人がいた場合には、売主と買主の仲介に入って手続きを進めます。

このような活動に対して支払う報酬が「仲介手数料」です。

1-2.売主と買主双方が仲介手数料を支払う

仲介手数料は、売主、買主双方が支払います。

仲介手数料は、自分が売主、買主どちらであっても必要です。その金額は基本的に不動産の売買価格×3%+6万円+消費税で算出されます。詳細は後述します。

1-3.様々な事務手続の代行費用も含んでいる

不動産仲介会社の役割は、売買をするための活動だけではありません。
売買契約を成立させ、引渡しを完了するまでに以下のことなどもおこないます。

  • 契約条件の調整
  • 契約書類の作成
  • その他事務手続き

仲介手数料には、上記のような事務手続きを代行する費用も含まれているのです。

2. 仲介手数料の計算方法

仲介手数料には、法律上の上限が設けられており、具体的には以下のとおりです。 すべて消費税込みの総額表示でお伝えします。

不動産の売買額仲介手数料の上限
(消費税込み)
①200万円以下の部分 5.5%
②200万円超400万円以下の部分 4.4%
③400万円超の部分円以下 3.3%

多くの不動産仲介会社は、上記の上限を仲介手数料としています。
仲介手数料の計算方法は、少し分かりにくいので、具体例に当てはめて見ていきましょう。

売買額100万円の場合
①100万円×5.5%=5.5万円
合計5.5万円
売買額300万円の場合
①200万円×5.5%=11万円
②100万円×4.4%=4.4万円
合計15.4万円
売買額1,600万円の場合の仲介手数料
①200万円×5.5%=11万円
②200万円×4.4%=8.8万円
③1,200万円×3.3%=39.6万円
合計59.4万円

上記のように、売買額の段階ごとに、適用される仲介手数料のパーセンテージをかけて計算します。

【仲介手数料=売買額×3.3%+6.6万円】って何?

不動産の売買額が400万円を超える場合、
(200万円×5.5%)+(200万円×4.4%)+([売買額-400万円]×3.3%)
となります。上記の例で見ると、以下のような式になります。

(200万円×5.5%)+(200万円×4.4%)+([1,600万円-400万円]×3.3%)

算数的な話になりますが、上記の式は以下のように組み替えられます。
(200万円×3.3%)+(200万円×3.3%)+(200万円×3.3%)+([売買額-400万円]×3.3%)
→(売買額×3.3%)+(200万円×3.3%)
→(売買額×3.3%)+6.6万円

つまり、どのような売買額であっても400万円を超える場合には【(売買額×3.3%+6.6万円】となるのです。そして、エリアにもよりますが売買額が400万円以下となる不動産はあまり見られないので、【売買額×3.3%+6.6万円】と覚えておくと良いでしょう。

3. 仲介手数料の支払い方法

仲介手数料は、「売買契約締結した時」と「引渡し完了した時」の2回に分けて半分ずつ支払うのが一般的です。会社によっては、売買契約締結したときには支払わず、引渡しが完了したときに全額支払うこともあります。不動産仲介会社へ事前に確認しておくことをおすすめします。
支払い方法は、原則現金払いです。銀行振込で対応してくれることもありますが、振込手数料がかかりますし、時間や曜日によっては振り込みの完了が遅れることもあるので、現金払いをすすめられることがほとんどです。

コンビニや銀行のATMでは、1日30万円など引き出し金額の上限があります。仲介手数料が高額になる場合には支払い予定日までに、用意しておきましょう。

4. 仲介手数料以外に発生する費用

不動産の売買には、仲介手数料以外にも、様々な費用が発生します。
不動産売買において、仲介手数料以外に発生する主な費用をご紹介します。

  • 登記費用
  • 引越し費用
  • 建物の解体費用
  • 手付金

4-1. 登記費用(登録免許税・司法書士への依頼費用)

不動産の売買をした場合、不動産の名義を売主から買主へ変更する必要があります。この手続きを「登記」と言います。
登記をする際、「登録免許税」という税金がかかります。
登記の原因によって税率は異なりますが、売買の場合の登録免許税は【固定資産税評価額×2%】です。例えば、固定資産税評価額が1,000万円の場合には、20万円の登録免許税がかかります。
登録免許税には軽減措置が設けられていることがありますが、司法書士に頼む場合、軽減措置の適用後の登録免許税を計算してくれるので安心です。

また、登記手続きを司法書士に依頼した場合、司法書士への依頼費用もかかります。依頼費用は5?10万円程度です。

4-2. 引越し費用

購入した不動産に引越しする場合、売却した不動産から引越しする場合には、引越し費用もかかります。
費用は、家具・家電の量、引越し先との距離、シーズンによって異なります。
相見積もりをしてくれるサイトなどもありますので、調べてみるのが良いでしょう。

4-3. 建物の解体費用

自分が土地を売る売主で、買主が一戸建てなどを新築する場合、更地の状態で引き渡す必要がありますので、建物の解体費用がかかります。

解体費用は、木造建築の場合で坪単価3?5万円程度。一般的な一戸建ての坪数は30?40坪ですので、90?200万円程度の費用がかかります。

ただし、実際の売買においては、解体費用をあらかじめ見積もった上で、その分を差し引いた価格で売買し、買主が解体するケースも多いです。この場合には、売主はあらかじめ解体費用を準備する必要がなくなります。

4-4. 手付金

不動産の売買契約が成立したときには、買主が売主に対して手付金を支払うのが一般的です。
手付金は、契約が成立した証拠であり、契約が解除されたようなケースでは違約金に充てられます。
買主は手付金を放棄することで売買契約を解除することができますし、売主も手付金の倍額を支払うことで売買契約を解除することができます。
最終的には売買代金の一部に充当されますので、余分に払うお金ではありません。
一般的には不動産売買価格の5?20%程度です。

5. 仲介手数料のトラブルを避けるための注意点

仲介手数料を巡って、トラブルになるケースもあります。
トラブルが生じないよう、以下のことに注意しましょう。

  • 仲介手数料額を事前に確認しておく
  • 仲介手数料を支払うタイミングを把握しておく
  • 物件に問題がないかを確認しておく

5-1. 仲介手数料額を事前に確認しておく

仲介手数料がどれくらいかかるかは、あらかじめ確認しておきましょう。

仲介手数料の金額は、売買額をもとに計算しますので、正確な金額が分かるのは売買額が確定してからとなりますが、おおよその金額はあらかじめ確認しておくのがいいでしょう。

媒介契約書(不動産仲介会社に仲介を依頼する契約書)の中にも仲介手数料について記載がありますので、しっかりと確認しておきましょう。

5-2. 仲介手数料を支払うタイミングを把握しておく

仲介手数料を支払うタイミングは、不動産仲介会社によって2つのパターンがあります。

  1. 売買契約締結時と引渡し完了時に半分ずつ支払うパターン
  2. 引渡し完了時に全額支払うパターン

いつ支払うのかも、契約前に確認しておくのが安心です。

5-3. 物件に問題がないかを確認しておく

不動産を売買する際には、物件に問題がないかを確認しておく必要があります。

これは、「不動産という大きな財産の取引であるから」という面もありますが、仲介手数料のトラブルを避けるためという面もあるのです。

なぜなら、不動産の売買契約が成立した後であれば、物件に不満が出てきて売買契約を解除した場合でも「不動産売買の仲介は成立」しているので、基本的には仲介手数料が発生するからです。

このような場合には、仲介手数料を巡ってトラブルになる可能性が高いので、売買契約を締結する前に、自身の目で不動産をしっかりと見て確認するとともに、瑕疵がないか不動産仲介会社に尋ねるようにしてください。説明に納得、理解した上で売買契約を行うようにしましょう。

6. まとめ

不動産を売買するときには、不動産仲介会社に対して仲介手数料を支払います。
法律で仲介手数料の上限が決められています。

不動産の売買額仲介手数料の上限
(消費税込み)
①200万円以下の部分 5.5%
②200万円超400万円以下の部分 4.4%
③400万円超の部分円以下 3.3%

不動産の売買額が1,600万円の場合、以下のようになります。

①200万円×5.5%=11万円
②200万円×4.4%=8.8万円
③1,200万円×3.3%=39.6万円
合計59.4万円

仲介手数料は、買主と売主双方が、売買契約締結時や引渡し完了時に、不動産仲介会社に支払います。
不動産の売買には仲介手数料以外にも、登記費用や手付金などがかかりますので、事前に準備しておきましょう。

山田愼一

山田愼一

司法書士・行政書士 家族信託専門士 M&Aシニアエキスパート
「世界一やさしい家族信託」著者。相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。一般の方向けのセミナーから、司法書士や税理士等専門家向けのセミナーまで講師として多数手がける。 オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。

大阪司法書士会所属 登録番号大阪第2983号
大阪司法書士会
大阪府行政書士会所属 会員番号第6011号
大阪行政書士会

あわせて読みたいコラム5選

不動産売却・住みかえをお考えなら、無料査定で価格をチェック!

カンタン入力!60査定したい不動産の所在地を選択してください

都道府県は?

ノムコムが選ばれる3つのポイント ノムコムが選ばれる3つのポイント

新着記事

もっと見る閉じる

人気記事ベスト5

カンタン
60
入力!

売却をお考えなら、
まずは無料査定から

都道府県は?

あの人に、頼んでよかった。野村の仲介PLUS
多くのお客様からご評価をいただきました

60
カンタン入力!
売却・住みかえの第一歩は、
まず価格を把握することから!

査定したい不動産の所在地を選択してください

都道府県は?

査定したい不動産の
郵便番号を入力してください
カンタン入力!60査定したい不動産の所在地を選択してください

都道府県は?

無料査定スタート