
世の中には多くの土地が売り出されていますが、中には、なかなか売れない土地もあります。売れない土地には、それなりの理由があるものです。立地や周辺環境など、自分では変えられないものもありますが、土地によっては、売れる土地にするための対策が功を奏することがあります。そこでこの記事では、土地が売れるか知りたい方に向け、宅建士の資格をもつ筆者が 、土地売却のポイントと対策をまとめました。
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1. 売れない土地の特徴とは
土地が売れるかどうかは、市場の需給バランスなどの経済的理由のほか、周辺環境や法的規制など土地の個性に基づく理由があります。なかなか売れない土地がある場合には、以下の特徴がないか確認してみましょう。
1-1.需給バランスが崩れている
郊外で売出物件がたくさんある、過疎地で住む人が少ないなど、そもそも不動産市場の需給バランスが崩れている地域の物件は売れにくいです。土地の需給バランスは、場所の要因のほか、金利動向や法改正の影響を受けることもあります。
金利上昇局面では、不動産の買い控えが起こり、通常時よりも売れにくくなる傾向が現れます。また、税法の改正等により土地の保有コストが上昇すると、売り急ぐ土地所有者が増えて需給バランスが崩れることがあります。
1-2.法的規制が厳しい
再建築不可物件ややセットバック、市街化調整区域にある、国立公園規制があるなど、建物建築についての厳しい規制があることは売れない土地の特徴です。
再建築不可物件とは、既存建物の建築当時から法改正がされて、建物が建てられなくなった土地のことです。建築基準法上の道路に接道していないことなどが再建築不可の原因となります。都市計画道路や周辺地域の再開発にかかっているなど、今後どのような扱いになるのか分からない土地についても検討から避けられがちです。
1-3.境界確定されていない
土地が境界確定されていないことも、売買のネックになることがあります。隣地所有者との境界トラブルは、土地のトラブルとして起こりやすいものです。境界確定がされていないことは、「今後隣地とのトラブルになるかもしれない」という憶測から、買主の不安材料になります。
宅地の場合には、買主が安心して土地取引できるように、契約から決済の間に確定測量等を行うことを契約条件とすることが多くなっています。
1-4.道路付けや土地の形(地形)が悪い

土地の道路付けや土地の形(地形・じがた)が悪い土地は、建物の建築に制限があるため、売れにくくなっています。無道路地には建物が建てられないほか、接道が悪いと建築制限を受けやすくなります。また、日当たりや風通しにも影響するため、土地の価値が低くなることは否めません。
また、旗竿地、三角形などの不整形地、がけ地や傾斜地は、まったく売れないというわけではありませんが、建築プランに悪影響を及ぼす可能性があるため売れにくくなることがあります。
1-5.物理的瑕疵や土壌汚染がある
土地の物理的瑕疵や土壌汚染は従来から厳しくチェックされてきましたが、近年の大地震や台風・水害による土砂崩れなどの被害が報道されるようになり、以前にも増して注目されています。
地震の影響による地割れや地盤沈下、液状化現象などの物理的瑕疵や化学薬品や不法投棄による土壌汚染、またハザードマップ上で水害・土砂災害の警戒区域になっているなど、将来的に被害がありそうな土地については、以前よりも売りにくくなっているかもしれません。
1-6.狭小地・広大地
極端な狭小地や、広大な土地は需要が少ないため売れにくいことがあります。特に住宅需要が少ないエリアでは売るのに苦労することが多いようです。一方、住宅地にある広大地は、切り分けて建売住宅の開発用地となりうるため、建売住宅の開発業者に人気があります。
1-7.周辺環境が悪い・嫌悪施設がある
電車や幹線道路の騒音・振動、粉じんがひどい場所、食品工場や油脂工場の悪臭など周辺環境が悪い場所はあまり人気がありません。また、近くに火葬場や墓所、暴力団事務所などの嫌悪施設がある場所も敬遠されやすいです。
1-8.売出価格が相場より高い
土地は高額な買い物であるため、購入者は売出価格に敏感です。相場より高いからといって、ただちに売れにくい要因になるわけではありませんが、相場より高く売り出すのであれば価格に見合った理由が必要です。また、単に周辺に相場より高めの成約価格を見つけたからといって、同じような価格で売れるとは限りません。
1-9.権利関係に問題がある
土地の権利関係が複雑であったり、他人との利用関係に問題があったりする土地は、まず問題の解決をすることが先決です。買主をトラブルに巻き込むのは避けなければなりません。
親族との共有物件で連絡が滞っている、抵当権などの担保付きで抹消の見込みが立っていない、契約なしに資材置き場などに利用されているなど権利関係に問題がある土地は速やかに問題を除去する必要があります。
2. 売りやすい土地の特徴
土地を購入するときには、将来売れる土地を選ぶことも大切です。すべてを満たすような土地を見つけるのは大変ですが、価値が高いとされる土地の特徴を押さえておきましょう。
2-1.交通・生活の利便性が良い
駅や商店街、モールなどの商業施設、学校、市役所などの公共施設が近いなど、利便性が良い物件は売りやすい土地の一番の特徴と言えます。最近ではリモートでのワークスタイルが浸透しつつありますが、それでも利便性の高い土地の需要が高いことは変わりありません。郊外であっても、最寄り駅までの距離や商店街の位置は気にされます。
2-2.人口が増加している地域にある
駅前の再開発、新しい鉄道路線の運行、自治体の子育て世代応援政策などによって人口が増加している地域は、人気が急に高まることがあります。売出中の広告宣伝効果も高く、土地情報が多くの買主の目に触れれば売れやすさに直結するでしょう。
首都圏でも、北千住など以前は下町の一角という印象だった町が、再開発によって大都市に変貌したところもあります。このような場所にある土地は、将来売れる土地として今後も注目度が増していくでしょう。
2-3.道路付け・方角・地形が良い
土地自体の特徴としてプロが注目するのは、道路付け、方角、地形です。道路付けが良いとは、車が容易に通ることができる一定の幅のある道路に、土地が2m以上接していることを言います。
このような土地は、建築基準法上の開発要件を満たし、日当たりや風通しが良いほか、救急車や消防車などの緊急車両の進入路も確保されているため利用価値が高いと言えるでしょう。また、土地の方角(南向きの面にスペースがあるか)、整形地か不整形地かは土地の利用価値に直結する事項です。
2-4. 建ぺい率・容積率の制限が緩い
建ぺい率・容積率とは、敷地面積に対して建てられる建物の広さ・大きさを決める規制です。ともに高いほうが土地の利用価値が高いとされます。
ただし、別荘地など特殊な地域ではもともと建ぺい率・容積率ともに低く設定されていることもあるため、これらの数値はあまり気にされません。
3. 売れない土地を手放したいときにすること
売出中の土地が売れにくいと感じたら、物件に関する問題をできるだけ除去することが重要です。法的規制や周辺環境による問題をすべて自分で解決することは難しいですが、問題を緩和できないか専門家に相談してみましょう。
3-1.境界の問題を解決する
境界確定がされていない土地については、土地家屋調査士に相談しましょう。境界確定とは、土地を測量して、隣地との境目を隣地所有者との立会いの下に確認し合い、境界確認書に署名押印する手続きです。これで、隣地との境目や土地の面積が確定します。木の枝やブロック塀、もしくは建物自体に越境の問題があるところについては、隣地の所有者としっかり話し合いを行うことが必要です。
3-2.権利関係を整理する
土地の所有関係・占有関係については、売却前に整理しておきます。共有地については、共有者間で話し合いがついているなら、共有のままで売り出しても構いません。一方、共有者が行方不明になっているなど、問題があるのであれば売却に解決しておきましょう。特に遺産分割協議が済んでいない場合には、早めに相続人間で協議して所有権の帰属を確定させる必要があります。
3-3.土地診断を依頼する
地盤沈下や地割れなど土地の状況について不安があるときには、土地診断を専門業者に依頼して診断してもらうのが適切です。そのままでは建物が建てられないほどの問題があるのであれば、地盤改良工事などを施す必要があるかもしれません。地盤に問題ないことの証明があれば、買い手もつきやすいでしょう。
3-4.隣地所有者に相談してみる
売りにくい土地の売却は、隣地の所有者に相談するのも良いかもしれません。隣地の所有者であれば土地の状況や歴史などに通じていることもありますし、もともと隣地を購入したがっていたということもあります。隣地所有者も実は売却したがっていたという事情があれば、共同で売却することで土地の価値が上がるケースも少なくありません。
3-5.土地活用方法を考える
売りにくいことが分かっている土地であるならば、土地活用を考えてみるのもひとつの方法です。住宅としての活用のほか、駐車場、コンビニ、ドラッグストアなどに活用する方法も考えられるため、不動産業者のほか、このような事業を行っている会社に直接問い合わせてみるのも良いでしょう。利用方法によっては、住宅地として売却するよりも高く売れる可能性があります。
3-6.売出価格を減額する
なかなか売れない土地であれば、売出価格を相場に合った価格に減額してみてください。土地には個性があるため、近くの土地がたまたま高く売れたからといって、同じ値段で売れるとは限りません。長い間売り出している土地であれば、経済状況の変化で価格が相場に合わなくなっていることもあります。
3-7.自治体その他団体に寄付する
最後の手段になりますが、自治体その他団体に寄付したり、知り合いに贈与したりする方法もあります。条件の良い土地ならば、自治体や社団法人などが寄付に応じてくれることがあるため、問い合わせてみるのも一考に値するでしょう。
4. 土地を売りやすい時期
不動産は新年度の引越しを見据えて取引が活発化しやすい傾向がありますが、全国的にみると、月によってそこまで変わるところはありません。明確に土地を売れる時期が決まっているわけではないのです。
国土交通省の土地取引規制基礎調査概況調査結果における土地取引件数をみると、首都圏や大都市では3月、9月に成約件数が増加していますが、他の月はそれほど変化ありません。
もっとも、年末年始や夏季休暇の時期は契約件数が減少傾向にあります。実務においては、引越しの多くなる2~3月、8~9月に取引が多くなるように思います。
5. 土地を売りたいときにはどこに相談する?

土地を売りたいときに、どこに相談するかは悩みどころです。相談先は不動産業者のほか、店舗を運営するチェーン店や土地活用を行っている開発業者に直接あたってみる方法もあります。郊外や過疎地の土地売却には、自治体の空き家バンクも活用を検討してみましょう。
5-1.大手不動産業者と地元密着業者どっちがいい?
土地の売却についてどのような不動産業者に相談するかは、土地の所在地がどこかによって変わってきます。都市部の住宅地であれば、大手不動産業者でも、地元の不動産業者でも相談しやすいです。もっとも、遠隔地の土地ならば全国にネットワークのある大手不動産業者に相談するのが良いでしょう。
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5-2.買取業者に相談する
不動産業者の中には自ら土地を買い取ってくれる業者もあります。不動産の買い取りに多くの経験があるプロが対応するため、相談から買い取り・決済まで1カ月程度で完結するスピードが長所と言えます。一方、買い取った土地を再販することを目的としているため、買取価格は市場相場をやや下回る可能性があるのが難点です。
5-3.不動産業者以外の相談先も検討する
住宅地でなく商業地・ロードサイドにある土地の場合には、コンビニや大手飲食チェーン店、ドラッグストアなどが独自に開発用地を探していることがあります。ホームページには用地募集の案内があることが多いので、直接問い合わせてみる方法も検討できるでしょう。
5-4.空き家バンクを活用する
自治体によっては、移住促進を目的として空き家バンクを設置しているところもあります。独自のウェブサイトを開設しており、無料で登録できるところがほとんどです。市町村役場の関連窓口に相談してみると良いでしょう。
6. 土地を売るときの仲介契約
土地売却における仲介契約の種類は、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。
複数の不動産業者に買主の探索を依頼する場合には一般媒介契約を結びますが、一定の期間専任で1社に依頼する場合には専任媒介もしくは専属専任媒介を選択します。専任媒介の場合にはレインズへの登録義務や買主への報告義務がありますので、熱心に売却活動を行ってもらえる可能性が高くなります。担当者との信頼関係も築きやすいと言えるでしょう。
最初は専任媒介・専属専任媒介で依頼する場合が多いですが、契約期間内に売却できないこともあります。売れにくい場合には、一般媒介で多くの買い手の目に触れるようにすることも考えましょう。
7. まとめ
売れやすい土地かどうかは、立地や周辺環境のほか、法的規制の状況、土地自体の特徴などさまざまな要素が絡んでくるため、一概に判断することはできません。しかし、隣地トラブルや物理的瑕疵、権利関係など明らかな問題がある場合には、問題を解決することで売れやすくなる可能性があります。土地を売却するときには、少しでも売れやすくするにはどうしたら良いか、不動産業者などの専門家に相談してみましょう。

宅地建物取引士
株式会社イーアライアンス代表取締役社長。中央大学法学部を卒業後、戸建・アパート・マンション・投資用不動産の売買や、不動産ファンドの販売・運用を手掛ける。アメリカやフランスの海外不動産についても販売仲介業務の経験をもち、現在は投資ファンドのマネジメントなども行っている。
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