不動産の売却物件情報が掲載されたチラシについて

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不動産のチラシには、大きく分けて「売却したい人を募るチラシ」と「売却不動産を買主へアピールするチラシ」の2種類があります。この記事では、普段よく目にする、後者の「購入したい人を募るためのチラシ=売却物件情報が記載されたチラシ」について見ていきましょう。

目次

1. 不動産売却時の広告の種類

不動産を売却する際、買主を募るために売却物件の情報を告知する広告には、現在主流となっているインターネット上の広告と依然からあるチラシなどの紙媒体があります。インターネット上の広告には自社のホームページへの掲載のほか、不動産情報を集めた不動産ポータルサイトがあります。もう一方の紙面による告知媒体としては、新聞折込チラシやDM(ダイレクトメール)、ポスティングチラシ、販売図面などが代表的なものです。それぞれについて以下に少し詳しく説明します。

2. インターネット上の広告

現在は買主を募る不動産物件情報の告知もインターネット上の広告が主流となっていますが、物件情報を掲載するサイトによって目的やターゲットが異なっています。

2-1. 自社ホームページ

インターネットでの集客に注力している不動産会社は自社のホームページの展開に力を入れています。自社のホームページであれば、依頼を受けた売却物件の情報を即座に告知することができ、全国展開する不動産会社であれば、物件情報の量も多く、情報の鮮度も高くなっています。そのため、ホームページの閲覧者も多くなり、告知の効果が非常に高く、より早く売却できる可能性が高くなります。不動産を売却する場合、こうした自社ホームページに力を入れている会社かどうかは売却を依頼する会社選びのポイントになります。

2-2. 不動産ポータルサイト

不動産の物件を探す際、よく見聞きするSUUMOやアットホーム、HOME’Sといった不動産ポータルサイトは、不動産情報を集めた広告媒体です。そのため、不動産ポータルサイトの運営母体が不動産の取引を行うわけではありません。掲載されている不動産情報は、ポータルサイトに登録している多数の不動産会社がそれぞれ保有する情報で、実際に取引する場合には物件を扱う不動産会社とのコンタクトが必要です。不動産ポータルサイトは、全国の不動産会社が扱う物件情報を集めているため、掲載物件数が非常に多く、閲覧数も多く、認知度も高いという特徴があります。ただし、登録している不動産会社は千差万別で、会社の規模の大小、実績や経験の多寡などはポータルサイトの情報からは判断できません。また、同じ物件が違う会社から出ていることもあります。

2-3. eメール告知

インターネット上の広告の一つとして、eメールによる告知もあります。会員組織を持つ不動産会社は、その独自の会員や顧客リストに対して、eメールによる一斉告知が可能です。
特にインターネットの活用に力を入れている不動産会社では、その会員や顧客数は非常に多く、希望する不動産情報を待つ顧客層に対してダイレクトにアプローチすることが可能です。自社ホームページと同じく、物件情報の鮮度が高い一方、希望条件などが登録されている場合にはマッチング率が非常に高いというのがeメール告知の特徴になります。インターネットでの集客に力を入れている会社では、こうした会員などのリストを豊富に保有しています。

3. 紙媒体(チラシ)による広告

現在は不動産もインターネットによる広告が主流ですが、特に不動産売買ではインターネット広告を閲覧しない顧客層への訴求も欠かせないものであるため、紙媒体による広告も重要となっています。インターネットの不動産情報は情報量が多く、条件検索によって希望の物件を探すことができますが、一方で、情報量が多くかえって探しにくいという側面があります。
また、具体的な物件の候補を絞り込む段階では、物件資料としては紙媒体の方が見やすく、便利でもあります。紙媒体の種類としては、新聞折込チラシ、DM(ダイレクトメール)、ポスティングチラシ、販売図面(店頭掲示、個別配布)などがあります。

4. チラシ広告の種類と配布方法

紙媒体のチラシ広告の配布先や特徴について、それぞれ解説します。

4-1. 新聞折込チラシ

新築マンションや新築一戸建ての広告では、インターネットに次いで新聞折込チラシが活用されます。その名の通り基本的に新聞と一緒に折り込まれるチラシであるため、新聞を購読している世帯への配布となります。広告する側は、チラシを折り込む(配布する)新聞の種類とエリアを予算の範囲内で選別して広告を配布します。また、中古のマンションや一戸建ては、費用対効果や予算の関係もあり、その不動産会社が売却の依頼を受けた複数の物件が1枚のチラシに掲載されることが多くなります。ただし、インターネットと比べて情報の即時性や掲載できる情報量に限界がある一方、費用もかかるため、新築物件の広告としては多用されるものの、中古物件での利用は少ない傾向があります。

4-2. DM(ダイレクトメール)

DMは送り先の住所と氏名の情報がないと送付できないため、不動産会社が組織する会員や過去に不動産会社へ問い合わせや訪問したときなどに登録された特定の顧客への広告となります。そのため、DMの効果としては顧客情報を多く持つ不動産会社の方が有利となっており、会員組織を持たない中小不動産会社ではあまり活用していません。新聞折込チラシ同様、広告費には予算があり、会員組織を持つ大手不動産会社では新築物件で利用されるケースが多くなります。

4-3. ポスティングチラシ

ポスティングチラシのメリットは、住所や氏名など配布先の情報は不要で、配布したいエリアに新聞購読の有無に関係なく不特定多数の方に配布できる点です。また、費用も新聞折込チラシよりもコストがかからないこともあり、不動産会社の規模によらず新築、中古ともよく利用されています。ただし、新聞折込チラシやDMと比べて、チラシを閲覧してもらえないことが多いというデメリットもあります。

4-4. 販売図面

販売図面とは、不動産会社の店頭に貼られているチラシといえばわかりやすいでしょうか。
店頭のチラシを見て入店する方も意外と多く、配布されるチラシと異なりほとんどコストもかかりません。なお、この販売図面をそのままポスティングする会社もあり、その場合のコストは一般的なDMチラシと変わりません。また、店頭に張り出されるか否かによらず、来店された方に個別の物件を紹介する際に活用され、物件の説明用の資料にもなっています。

5. 不動産広告には規制がある

不動産の広告には、業界が独自に定めた自主規制があります。具体的には、不動産公正取引協議会連合会が定めた「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」というものです。 不動産の広告を掲載する新聞や雑誌、新聞折込チラシやDM、ポスティングチラシ、販売用パンフレット、インターネット広告などの告知媒体に適用されます。ここでは、いくつか中古物件に関係する不動産広告で表示する基準について具体例を挙げてご紹介しましょう。

5-1. 物件の種別

不動産の広告では、物件の種別を記載しますが、例えば、築後1年以上経過し、または一度居住した一戸建てやマンションで、売買するものは、「中古住宅」または「中古マンション」と表記されます。仮に、まだ築1年未満であっても一旦居住した一戸建てやマンションはどんなに新しくても、中古物件扱いになります。

5-2. 所要時間

不動産広告上の所要時間について、徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示するというのは知っている方も多いかもしれません。ただし、距離で測るため1分未満の端数が生じたときは切り上げて1分として算出することと定めれています。そのため、例えば自分は駅まで10分で歩けるという場合でも、最寄りの駅までの距離が830mなら11分と表記されることになります。

5-3. 建物の面積

建物の面積(マンションの場合は専有面積)は、延べ面積を表示することになっています。一戸建てなどで延べ面積に車庫や地下室などの面積を含むときは、その旨とその面積を表示することが決まりです。マンションの場合、分譲時のパンフレットなどがあればその専有面積を記載することができますが、そうした資料がない中古マンションの場合は、建物登記簿に記載された面積を表示することができるとなっています。ここで気を付けたいのは、登記簿上の面積とパンフレットなどに記載された面積は面積の測り方の基準が異なるため、登記簿上の面積の方が小さい面積になります。

5-4. リフォーム

建物をリフォーム・改築したことを表示する場合は、そのリフォームや改築などの内容と時期を明示することが決まりとなっています。そのため、リフォームや改築などを行った物件を売却する場合は、あらかじめその内容と時期を整理しておくと売却時の広告作成に際してスムーズです。

6. チラシ広告で物件をアピールするには

前述の例ほか不動産の広告には、様々な規制があり、こうした規制の中でできるだけ購入希望者へ魅力が伝わるように仲介する不動産会社が広告を作成します。不動産をなるべく早く、希望の金額に近い価格で売却したい、売却後も含めてトラブルなどないようにスムーズに売却したいという場合は、売主が提供する物件の情報や条件が明確であることが重要になります。たとえば、室内の写真、ベランダなどからの眺望といった写真はインパクトがあり、購入希望者に物件の魅力を伝えるポイントです。そうした写真は売主の協力が必要です。また、マンションの分譲当時のパンフレットや新築一戸建ての設計図面など正確なものがあれば、チラシなどに掲載する情報も確かになります。
また、引き渡し時期など売主の希望も不動産会社に伝えておくことも重要です。中古物件の広告では、引き渡し時期について「相談」と記載されることが多いのですが、売主の事情によって売り出し時点よりだいぶ先になる場合は、トラブルとならないようその時期を記載するケースもあります。

7. まとめ

不動産の広告もインターネット上のものが主流になっています。一方でチラシなどの紙媒体も買主を探すには現在も大切な広告ツールです。不動産を売却するにあたっては、仲介する不動産会社と依頼者である売主が協力してチラシを作成することでより良い広告になります。売却物件の特徴をできるだけ見栄えよく、わかりやすい内容で上手にチラシなどの広告が作成できるかどうかが、集客に影響します。従って、物件の売却をスムーズに行うためにも、売主が協力することでよりクオリティの高いチラシとなり、スムーズな売却の第一歩となります。

秋津 智幸

秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント
横浜国立大学卒業後、神奈川県住宅供給公社に勤務。その後不動産仲介会社等を経て、独立。現在は、自宅の購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う。その他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。

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