マンションの駐車場の種類や料金相場、法律トラブル事例など解説

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マンションの駐車場の種類には機械式駐車場のほか、自走式や平置きなどの種類があります。借りる前にそれぞれのメリットや注意点を知りたい方も多いでしょう。また、マンション駐車場の料金相場は気になる方もいると思います。
そこで今回は、購入するマンションを選ぶうえで、ポイントの1つとなる駐車場についてまとめて解説します。

目次

1. マンションの駐車場の種類

居住者の自家用車を駐車するためのマンションの駐車場は概ね以下のような種類に分かれます。これらについてそれぞれ解説します。

機械式立体駐車場

機械式立体駐車場とは、パレットと呼ばれる台に車を乗せ、機械(リフト)によって収納スペースに車を運ぶ駐車場です。自分でなく機械で車を運ぶので機械式と言われています。
この駐車場のメリットは、狭い土地に効率的に多くの車を収納できることです。
一方デメリットとしては、朝や夕方などの利用者が集中する時間には、入出庫までの待ち時間が長い点や、少しでも機械の不調が起こるとすべての車輌の出し入れができなくなってしまうという点が挙げられるでしょう。
また車を乗せるパレットの奥行・幅や重量の関係で、駐車可能な車サイズの制限が、自走式や平置きに比べて厳しいケースが多いです。

自走式立体駐車場

自走式立体駐車場とは、マンションの建物とは別棟か付属的作られた駐車場です。大規模な商業施設や都心の時間貸し駐車場でもよく見られるタイプで、まさに車が自分で走って、決められたスペースに駐車します。
この駐車場のメリットとしては、機械式とは違い出入庫の時間がかからないことや、駐車がしやすいこと、また屋上階でなければ屋根もあるため雨の日でも荷物の出し入れがしやすいなどのメリットがあります。
デメリットを強いて挙げると、駐車場までの距離が遠い場合があることや屋上階では雨や風などに車体がさらされることです。

平置き駐車場

平置き駐車場とは、舗装などで整備された広い土地に決められたスペースに車を停める駐車場です。広いスペースが必要なので都心のマンションでは見当たらず、郊外型のマンションで見られる駐車場タイプ。
この駐車場のメリットとしては、機械式のようにメンテナンスや、自走式立体駐車場などの大きな設備も必要ないので維持管理に手間がかからないことです。また車の出し入れも最もしやすいと言えるでしょう。
一方、デメリットとしては、駐車場が広いため、駐車してからマンションの出入口にたどり着くまで距離があり、大きな荷物を持っている人やハンディキャップがある人にはやや大変であることです。

2. マンションの駐車場の料金相場

マンションの駐車場の料金はどのくらいなのでしょうか?高すぎて借り手がいない、安すぎてずっと空きがない、など極端な料金設定をしてしまうと、管理上の収入に安定性を欠いてしまいます。そのため基本的に周辺の相場を基準にしつつ、当該マンションの駐車場使用料を決めるケースが多いようです。
一概には言えませんが、東京都区内なら種類を問わず、月額30,000~50,000円ぐらいは必要と考えたほうが良いでしょう。
また、1つのマンションに上記3タイプの駐車場が存在した場合、その人気に応じて料金設定に強弱をつけるケースが多いです。所感ではありますが、平置き≒自走式>機械式の順に料金設定されていることが多いため、ご自身の予算とニーズに応じたタイプを選んでいただければと思います。

3. マンションの駐車場の契約形態について

マンションの駐車場には、共用部の一部を借りているものと、自分自身が駐車場スペースを占有しているものがあります。ここでは駐車場の契約形態について解説します。

賃貸借契約

玄関ホールやエレベーターと同様に、駐車場もマンション所有者全員が共有している設備としているケースです。
この場合は、駐車場を利用したい人は管理組合に対して駐車料金を支払う必要があります。
駐車場利用契約や駐車場賃貸借契約を締結して、月極で管理費とともに料金を支払うことが多いと思います。

分譲(所有

駐車場もマンションの1室のように、所有権を有するという契約形態です。
維持管理は所有者が行う場合もあります。マンションの1室に付随しているものあれば、マンションの1室とはまったく別のものとして登記されているものもあります。一般的にディベロッパーが分譲するマンションには、このようなややこしいものはありませんが、マンションを建てた土地の元々の所有者が、等価交換などで建てられたマンションの1室をもらう場合など、再開発などでできたマンションではこのようなタイプも見られます。

4. マンションの駐車場のトラブル事例5選

マンションの駐車場で起きやすいトラブルを5つ紹介します。

区画や敷地内での無断駐車

マンション内の駐車場では自分の決められたスペースに停めなければなりません。それはどなたも同じなので、自分のスペースに車が止まっている場合は誰かが勘違いして停めているか、隣人の知り合いなどが停めてしまっていることが考えられます。
顔見知りの場合は直接お話することが可能でしょうが、付き合いがない場合はまず管理会社、管理員に相談し車の所有者に連絡してもらいましょう。

また、マンションのエントランスや駐車場の通路などに駐車しているケースがあります。長時間の無断駐車は事故の要因になりかねないのでほとんどのマンションではルール違反としているのではないでしょうか。もし、こうしたルール違反が目立つ場合は、一人で解決しようとはせず、上手く管理会社等に助けてもらいながら住民の皆さんで解決していく必要があります。
お互いが気持ちよく暮らせるよう心がけることが必要です。

機械式駐車場の地下で大雨による水没トラブル

近年は気象条件が変わり、「ゲリラ豪雨」が日常的になりつつあります。そこで過去の想定以上に大雨が降ることで対策が追い付かず、機械式駐車場が水没してしまうトラブルが起こります。駐車スペースが地下にある場合はもちろん、車は地上に保管するタワータイプといえども、パレットを動かす機械が水没してしまえば、動かなくなる可能性もあります。
水害が予想される地域のマンションは、住戸はもちろん、機械式駐車場のトラブルにも備えて関連する保険に入るなどの対策をしておく必要があるでしょう。

敷地内での事故(対人、対物)

公道と同様に、車と車同士、または車と人間でぶつかるなどで事故は起こりえます。特に自走式や平置きの駐車場の場合には、速度は遅いものの車が動いてきます。ドライバーも公道では気を付けても、マンションの敷地内だと緊張が緩みがちになり、前後左右の確認が疎かになりがちです。また近年は高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故も多発している傾向にあります。もちろん、対人だけでなく駐車ポールや駐車場の壁、塀、フェンスなどの対物事故にも注意が必要です。
敷地内は必ず徐行運転で安全に利用するようにしましょう。
また、車両間隔が狭い駐車場では、隣の車へのドアパンチにも注意しましょう。特にお子様がまだ小さい時分は勢いよくドアをあけてしまうこともあります。もし事故が発生してしまった場合は、管理会社、管理員への連絡、必要に応じて警察にも立ち会ってもらったほうが良いかもしれません。とにかく落ち着いて行動しましょう。

外部からの侵入等

マンションの駐車場は、マンション外で借りる駐車場よりも安全な印象があるかと思います。
実際その通りで、マンション自体のセキュリティに加え、管理費を利用して防犯カメラや夜間警備、出入り口のゲート設置など
マンションならではのセキュリティ強化策が実施されているケースが多いです。
万一それでも被害が出てしまった場合、当事者は警察に連絡し対応をお願いしますが、マンション管理会社や管理組合員である皆様も、セキュリティを強化するために必要なことを一緒に考えていく必要があるかもしれません。
個人でできること、管理組合という大きな組織でこそできること、その両方で検討していく必要があるでしょう。

5. マンションの駐車場の車庫証明の取り方

マンションの駐車場という自分が共有している土地に車を保管するにも、車庫証明は必要です。この車庫証明は「自動車保管場所証明書」といって、入手した車の保管場所をしっかりと確保していることを警察が証明する書類と言えます。
そのステップとしては

  • まずは管理会社に相談する:マンションの場合には自動車保管場所使用承諾書が必要となります。
  • 申請書類の準備と作成:新車の場合にはカーディーラーが多くの書類作成を行ってくれます。
  • 警察で申請:自ら行う場合には平日でしかできないので注意してください。
  • 書類を受領:申請して1種間ほどで入手できる。車検証などと保管すると良いでしょう。

となります。

6. マンションの駐車場は賢く使おう

生活に居住スペースは欠かせませんが、また車も生活にとって欠かせないツールの一つという人も多いと思います。毎日車を利用する人にとって駐車場から車が出せない事態が起こることは想定外です。そのようなリスクが少ない自走式や平置きの駐車場付きマンションを選ぶべきです。一方、週末のレジャーにしか利用しない人は、それほど気にする必要はないとも言えます。車が生活と密接な関係を持つ場合には、マンションが保有する駐車場の使い勝手も、生活の利便性を左右するものでしょう。

田井 能久

田井 能久

不動産コンサルタント
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。

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