マンション売却の相場は?地域別・築年数別に解説|相場の調べ方も

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マンション売却の相場は?地域別・築年数別に解説|相場の調べ方も

マンションを売却する際、多くの人が「せっかく売るのだから、できるだけ高く売りたい」と思うのではないでしょうか。

高額で売却するためには、売却相場を知ることが大切です。売却相場に対して高すぎず、安すぎない金額を設定することで、スムーズに買い手が見つかりやすくなります。

この記事では、マンション売却の相場を地域別・築年数別に解説していきます。

売却相場の調べ方や、高く売却するコツもあわせて紹介するため、「マンションの売却を考えている」「マンション売却で利益を得たい」という方はぜひご覧ください。

目次

1. 【アンケート調査】中古マンション、いくらなら購入したい?

本記事では、マンションの売却価格の参考にするために、中古マンションの購入希望者を対象としたアンケート調査を実施しました。

調査結果から、中古マンション購入希望者の約6割が3000万円以下の予算で検討していることがわかりました。

また、「2000万円~3000万円未満」の層が最もボリュームが大きいことから、この金額が、初めてマイホームを購入する層にとって現実的な価格帯であることがうかがえます。

3000万円以上と回答する層は、広い部屋を求める中〜高年収のファミリー層や、投資目的で購入を検討する層が中心になるため、母数が少なくなると推察されます。

2. マンション売却の相場は上昇している

近年、マンション売却の相場は上昇傾向にあります。国土交通省が2024年1月22日に発表した不動産価格指数によると、2023年10月時点の住宅(マンション)の指数は193.9で、前年同月の185.6から上昇しています。

マンションの指数を示すグラフが、2017年のデータから右肩上がりであるように、マンションの価格は中長期的に上昇傾向にあることが示されています。

3. マンションの売却相場|地域別

マンションの売却相場は上昇傾向にありますが、地域によって伸び具合には差異があります。2023年度の地域別の売却相場を、全国平均と比較してみましょう。

まず、全国平均のマンションの売却相場として次の金額を提示します。

全国平均のマンションの売却相場 2022年度との変動比
2,216万円 増加率 約5.37%
(前年度相場:2,103万円)

日本全国でマンション売却相場は上昇傾向にあることがわかります。更に、この全国平均と東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、大阪府のマンションの売却相場を比較して見ていきましょう。

3-1.東京都のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
東京都 5,681万円 増加率 約6.48%
(前年度相場:5,335万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

東京都のマンション売却相場は、日本で最も高額な5,681万円となっています。前年度と比較すると346万円向上・増加率は約6.48%となっており、高い相場を維持・成長させていることがわかります。

売却相場は全国の相場と比較すると2倍以上の開きがあることがわかります。東京オリンピックの開催以降、大幅な上昇傾向にあった東京のマンション価格事情ですが、現在でも傾向は維持されているといえるでしょう。

東京都のマンション売却相場(地域から探す)

東京都のマンション売却相場(沿線から探す)

3-2.埼玉県のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
埼玉県 2,868万円 増加率 約4.51%
(前年度相場:2,744万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

埼玉県のマンション売却相場は2,868万円で、前年度比で124万円向上しています。増加率は約4.51%です。

東京都のような人口密集地と比べると小さめな上昇幅ですが、全国平均とは652万円の差があり、首都圏らしい相場を持っていると言えます。しかし上昇率で見た場合には、全国平均と比較しても緩やか・安定的な上昇傾向にあるといえるでしょう。

埼玉県のマンション売却相場(地域から探す)

埼玉県のマンション売却相場(沿線から探す)

  

3-3.神奈川県のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
神奈川県 3,707万円 増加率 約6.58%
(前年度相場:3,479万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

神奈川県の売却相場は3,707万円で、前年度比で229万円向上、増加率は6.58%となっています。全体的に全国平均より高い水準の相場を持っており、首都圏の比較的高額な相場傾向の一角を成しているといえるでしょう。

売却相場は全国平均と1,491万円の差があります。高い相場を持っていますが、あくまで神奈川県全体の平均値のため、横浜などの人気エリアとそれ以外で差がないかどうかは別途確認するようにしましょう。

神奈川県のマンション売却相場(地域から探す)

神奈川県のマンション売却相場(沿線から探す)

  

3-4.千葉県のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
千葉県 2,761万円 増加率 約5.94%
(前年度相場:2,606万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

千葉県の売却相場は2,761万円で、前年度比で155万円上昇、増加率は5.94%です。相場自体は埼玉県と近い数字となっていますが、増加率は千葉県の方が高く、相場は成長を見せているといえます。

全国平均との間には545万円の差があり、首都圏らしく頭一つ抜けたものとなっています。

千葉県のマンション売却相場(地域から探す)

千葉県のマンション売却相場(沿線から探す)

  

3-5.愛知県のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
愛知県 2,356万円 増加率 約3.09%
(前年度相場:2,285万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

愛知県のマンションの売却相場は2,356万円で、前年度比で71万円上昇、増加率は3.09%となっています。前年比で大幅な変化は見られず、相場は安定状態にあるといえます。

全国平均とは140万円の差があります。平均値よりも高い相場ですが、成長度合いに関しては穏やかな傾向を見せているといえるでしょう。

愛知県のマンション売却相場(地域から探す)

愛知県のマンション売却相場(沿線から探す)

  

3-6.大阪府のマンション売却相場

地域 マンションの売却相場 2022年度との変動比
大阪府 3,053万円 増加率 約6.72%
(前年度相場:2,861万円)
全国 2,216万円 増加率 約5.37%

大阪府のマンションの売却相場は3,053万円で、前年比で192万円上昇、増加率は6.72%となっています。関東首都圏以外では屈指の高額・高成長率の相場を持つ地域といえます。

全国平均との間には837万円の差があり、関西の大都市として高い相場を持っていることがわかります。

大阪府のマンション売却相場(地域から探す)

大阪府のマンション売却相場(沿線から探す)

  

4. マンションの売却相場|築年数別

マンションの売却相場は、築年数からも調べることができます。築年数別のマンションの売却相場と、売れやすい築年数、築古マンションについて見ていきましょう。マンションの売却相場は、築年数からも調べることができます。築年数別のマンションの売却相場と、売れやすい築年数、築古マンションについて見ていきましょう。

4-1.築年数別の価格をチェック

最初に、築年数ごとのマンションの価格の変化を見ていきましょう。中古マンションの築年数別の価格や単価は、次のように推移していきます。

築10年までの物件は比較的価値を保ちやすくなっていますが、築20年を超えると価格下落のペースが加速する傾向が見られます。築30年を超えると価格は更に下がり、新築から3,000万円以上もの差が発生することがわかるでしょう。

築20年や30年を超えた際に価格が大幅に低下する理由としては、建物の老朽化や最新の建築基準法に対応していないケースが多いことが挙げられます。マンションは基本的に新しいほど価値があるといえるため、売却タイミングを逃さないようにすることが大切です。

4-2.築10年以上築20年以内の売却がおすすめ

前項を踏まえると、マンションは価値をある程度は保てる築10年以上・20年以内に売却することがおすすめといえます。このタイミングであれば価格が下落しにくいため、売却益が住宅ローンを下回るオーバーローンを避けやすくなります。

一方、築20年を超えるマンションは価格が急速に下落し、売却益を得られにくくなってしまいます。また、築10年未満のマンションに対して買い手は割高な感触を抱きがちなため、10年以上の物件に需要が流れやすい傾向があります。

住宅ローンの残債が減り、高値で売れやすい築10年以上・20年以内のタイミングは、黒字でマンション売却をおこなううえで重要なポイントとなるでしょう。

4-3.築古でも売却しやすいマンションの特徴は?

築年数が20年以上となり相場が落ちてしまったマンションでも、買い手のメリットとなる特徴を持っていれば買い手がつく可能性を高められます。人気を得やすい特徴は、たとえば次の2種が挙げられます。

• 現代の生活様式のトレンドにフィットしている
• 買い手に人気のある付帯設備がある

現代生活様式のトレンドにフィットしているかどうかは、その時代ごとに基準が異なります。生活サイクルやトレンドはおおむね5年から10年程度で変化しますが、現代では収納の広いウォークインクローゼットなどのある間取りが一つの例となります。

買い手に人気のある付帯設備としては、食器洗い乾燥機や宅配ボックス、24時間廃棄可能なゴミ置き場などが挙げられます。安く、住みやすいマンションであることを買い手にアピールすれば、築年数に関わらず売却を期待できるようになるでしょう。

5. マンションの売却価格相場の調べ方

マンションの売却相場は自力で調べることもできます。都道府県や築年数といった大きなくくりだけでなく、物件のある地域や類似条件の物件の成約価格を知ることも可能です。

主な手段としては不動産取引情報検索、REINS Market Informationが挙げられるでしょう。また、各不動産会社が運営するサイトも選択肢の一つです。各種の調べ方を把握しておきましょう。

5-1.不動産取引情報検索

国土交通省が運営している土地総合情報システム不動産取引情報検索は、マンションの売却相場の調査に役立ちます。自分が住んでいる地域、または売りたいマンションのある地域に絞り込んで、実際に取引された物件の成約価格を調べることができます。

不動産取引情報検索のページにアクセスすると、都道府県別の日本地図が表示されるため、自分の住んでいる地域にスムーズにアクセスできます。任意の地域を選んだあと、サイドバーで取引時期、物件種類を設定すれば取引の履歴が検索されます。

検索結果は面積や間取り、価格や最寄り駅といった様々な基準でソート可能です。売りたいマンションと類似した条件の取引履歴をチェックし、相場の見立てに役立てましょう。一方、情報量は後述のレインズに劣る点に注意が必要です。

5-2.REINS Market Information

「REINS Market Information」(レインズマーケットインフォメーション)は、公益財団法人 不動産流通機構が運営・管理する不動産流通の情報システムです。こちらも実際に売買が行われた物件の成約価格などの取引情報を全国から検索可能です。

レインズは築年数や間取り、駅からの距離など、幅広い条件から物件の相場価格を調べることができます。また、レインズに提供される情報は不動産業者によるもののため、データ量は不動産取引情報検索よりも豊富な傾向があります。

なお、レインズマーケットインフォメーションは一般向けに一部の情報制限がかけられています。より詳細な相場を知りたい場合には、最寄りの不動産会社へ相談することをおすすめします。

5-3.不動産会社サイト

各不動産会社が運営する不動産情報サイトでも、売却を検討する物件周辺の相場情報をおおよそ把握できます。定期的に価格相場の推移を確認して、売り時をチェックすることに有効活用できます。

運営会社が対応可能な地域で、どのくらいの価格で売却がおこなえたのかを見ることが可能です。売りたい物件と似た条件の情報があれば、その会社で売れる価格の目安もつけられるでしょう。

6. マンションを相場よりも高く売却するコツ

せっかくマンションを売却するならば、可能な限り利益を多く得たいものです。マンションを高く売るためには、以下のようなコツがあります。

• 期間に余裕をもって売却に向けて動き出す
• 内覧に力をいれる
• 市場が活発な時期に売る
• 売り出し価格は相場に合わせて設定する
• 値下げ幅は事前に決めておく
• 住宅ローン残債とのバランスを見る
• 築15年前後では大規模修繕をチェック

それぞれのコツの詳細を解説します。

6-1.期間に余裕をもって売却に向けて動き出す

マンションを相場よりも高く売却するためには、期日に余裕を持って売却活動を始めるのが重要です。不動産会社への売却相談から売却完了までには、一般的に6ヶ月程度かかります。

早く買主を見つけるために安易に価格を下げてしまうと、売却できたとしても「もっと高値で売れたのではないのか?」と後悔がついてまわります。早くから行動することで、心に余裕が生まれて冷静に売却活動に臨めるでしょう。

ただし、売却期間が長期になればよいわけではありません。「何か問題がある物件なのでは」と思われて、逆に買い手が見つかりにくくなってしまいます。

あくまで、時間に余裕を持って、ベストな販売戦略やスケジュールを組み立てるのがポイントです。

6-2.内覧に力をいれる

売却活動の大部分は不動産会社が担当しますが、内覧の対応は売主が主体になります。事前準備をしっかりして、内覧者に良い印象を与えましょう。

一般的に、売却活動中は平均して5〜10件の内覧があるとされています。

内覧の前には、部屋の掃除や臭い対策をしっかりしておきましょう。水回り・リビング・玄関・バルコニーは特によく見られる場所です。

当日は、内覧者との会話で物件の良さをアピールをするのも大切です。「駅やスーパーに近くて便利」「日当たりが良好」などの、不動産会社ではわからないメリットを伝えられるとより買い手がつきやすくなるでしょう。

6-3.市場が活発な時期に売る

住宅市場が活発な時期にマンションの売却活動をおこなうことで、スピーディかつ高値での売却が期待できます。需要が高まる時期であれば必要以上の値下げも不要になり、スムーズに売買契約まで進められるでしょう。

一般的に、新生活の準備や人事異動が多い2〜3月・9〜10月は住宅の需要が高まるため、売却に適した時期とされています。市場が活発な時期をあらかじめ把握しておき、タイミングを合わせるのもおすすめです。

6-4.売り出し価格は相場に合わせて設定する

マンションを高く売却するには売り出し価格を相場に合わせるのも重要です。

一般的に、売り出し価格を相場よりも若干高めに設定すると、納得のいく成約につながりやすいとされています。

相場を無視して高額な売り出し価格を設定すると、買い手がつかないリスクが高まります。一方、安すぎても本来得られるはずの利益が得られないだけでなく、「ウラがあるのでは」と邪推される恐れもあります。

適切な価格設定をおこなうためには、自身で売却価格の相場を調べたうえで、仲介をおこなう不動産会社のアドバイスを受けるのが有効です。売主自身と買主の双方が納得できる価格設定をおこなえるようにしましょう。

6-5.値下げ幅は事前に決めておく

マンションの買い手が見つからないときは、値下げが求められるケースもあります。しかし、焦って過度に低い値段をつけてしまうと後悔する結果になりかねません。

マンション売却を始める前に、事前に適切な値下げ幅を決めておくことが重要です。大幅な値下げが必要な場合も、段階的におこなえるようにしておきましょう。

不動産の値下げを行う際の適正な値下げ幅は、売り出し価格の5%程度が相場となっています。相場から離れすぎると逆効果になることもあるので、下げすぎに注意してください。

6-6.住宅ローン残債とのバランスを見る

マンションを売却する際には、住宅ローンの残債をチェックしましょう。売却額が住宅ローンの残債を下回った場合はオーバーローンとなり、売却後もローンの返済が続いてしまいます。

オーバーローンの状態では金銭的な負担が大きくなってしまうため、できるだけローンの残債を上回るかたちで売却しましょう。

6-7.築15年前後では大規模修繕をチェック

売りたい物件の築年数が15年前後の場合は、大規模修繕のタイミングをチェックしましょう。一般的に、2回目以降の大規模修繕では修繕積立金が値上がりするため、その前に売却することで出費の削減につなげられます。

マンションの大規模修繕はおよそ12年ごとにおこなわれます。建物の外観から共用部全般までを対象に足場をかけて大々的に実施され、費用は毎月の家賃で積み立てられた修繕積立金から供出されます。

老朽化が進むと、外壁補修や給排水管の取り換えで更に費用がかさんでしまうでしょう。修繕前に売却してもこれまでの修繕積立金は返金されませんが、値上がりを長い目で見ると、最終的には節約になる可能性もあります。

7. まとめ

マンションを売却する前には、自身で売却相場をチェックすることが大切です。売却相場は地域や築年数によって変わるため、自分の売りたいマンションの所在地に合わせた調査が必要です。

本記事で紹介した「期日に余裕をもって動く」「市場の繁忙期に売却活動をおこなう」などのコツを踏まえ、高額売却を成功させましょう。

※本記事は2024年2月24日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

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