家の査定とは?種類や依頼先、流れ、見られるポイントまで詳しく解説

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家の査定とは?種類や依頼先、流れ、見られるポイントまで詳しく解説

家の売却を進めるにあたってはまず家の査定を依頼し、「今の家の価値」を知らなくてはなりません。売却できる価格がわからないと、住宅ローンや売り出し価格といった計画を具体的に検討できないからです。家の査定では不動産会社と直接やり取りをおこなうため、家の売却を仲介してくれる会社選びにも役立ちます。

本記事では、家の査定の基礎知識や不動産会社がチェックするポイント、査定の流れを解説していきます。家の査定を受けたいと考えている方は参考にしてください。

目次

1. 【独自アンケート】家の査定時に多い悩みは?

本記事では、住宅の売却を経験した人々を対象に、家を売る時に抱えやすい悩みについてアンケート調査を実施しました。

1-1.家の査定先はどうやって決めた?

家を査定する不動産会社をどのように見つけましたか?

家の査定を依頼する不動産会社をどう見つけたのか調査したところ、約半数の人が「インターネットで検索」や「近所の不動産会社に依頼」と回答しました。

この結果から、ネット検索や近所の会社に相談など、手軽に査定を依頼できる方法が選ばれやすいことがわかります。しかし、最初に目についた会社が本当に優良な会社かどうかはわからないため、できれば複数社から見積もりを取り、総合的に判断するのが賢明でしょう。

1-2.売買を依頼する不動産会社はどうやって探した?

続いて、最終的に売却を依頼する不動産会社をどのような基準で選んだかについても調査を実施しました。

売買を仲介する不動産会社はどうやって決めましたか?

最も多かった回答は「担当者の対応」で32%を占めました。次いで「会社の知名度」21.62%、「不動産仲介の実績」19%と続きました。

一方で、「査定価格」は16.22%、「手数料の安さ」3%と、価格面を重視した人は少数派でした。

単に高値で売れるかどうかよりも、担当者の対応や会社の実績・ブランド力から、丁寧にサポートしてくれるかどうかを重視する人が多いことがうかがえます。

売却額の高さは非常に大切ですが、契約を取るために根拠のない高額な査定価格を提示してくる会社もあります。価格に惑わされずに、本当に信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

2. 家の査定とは?

家の価格は家そのものの価値だけでなく、売り出す時期や周辺の相場なども影響します。そこで重要となるのが、家の査定です。売却したい家が今いくらで売れるのか、不動産会社などがその目安となる金額を算出したものを、査定額といいます。

査定方法は大きく分けて、机上査定と訪問査定の2種類です。詳しく見ていきましょう。

2-1.【机上査定】大まかな査定額や相場を知りたい人向け

机上査定とは、対象となる家の住所や家の間取り、面積、築年数などデータで分かる情報のみで査定額を算出する方法です。必要な情報を不動産会社へ送るだけで査定してもらえるため、数分から長くても数日程度で結果をもらえます。大まかな査定額や相場を知りたい人におすすめな査定方法です。不動産の一括査定サイトをはじめ、サービスによっては匿名でも家の査定を受けられます。

また、近年では不動産会社の担当者以外に、AIによる査定も増えてきました。過去の取引データを元に自動で査定をおこなうため、従来の机上査定以上にスピーディーな査定が可能です。

しかし、机上査定やAI査定は正確性に欠ける面もあります。なぜなら、今の物件の状態がデータへ正確に反映されているとは限らないからです。そのため売却を本格的に検討している場合や、できるだけ正確な査定結果を知りたい場合は、次の訪問査定を検討しましょう。

2-2.【訪問査定】正確な査定額を知りたい人向け

訪問査定は不動産会社の担当者が査定したい家の住所に向かい、実際に調査・確認して査定額を算出する方法です。家本体の目視でないとわからない細かな状態に加え、現在の周辺環境なども詳しく確認して金額を算出します。机上査定に比べると家ごとの個別要因を把握してもらえるため、より適正な査定額がわかるのが大きなメリットです。

しかし、訪問査定に対し、デメリットを感じるケースもあります。正確な査定をおこなうための書類の用意や来訪する担当者とのスケジュールをあわせなくてはならないなど、訪問査定そのものに向けた準備が必要です。担当者が家に出入りするため、売却を検討していると近所の方に知られてしまうことにリスクを感じる方もいるでしょう。

とはいえ、査定額が不確かだと、その後の資金計画やローン返済の目途が立たず、具体的な行動に移せないのも事実です。売却を完了させたい時期などを明確に考えている人にとっては、より精度の高い訪問査定がおすすめといえます。

家を売るまでの間、さまざまな価格が手続きの中で扱われます。違いを見ていきましょう。

  • 売主希望価格;家の売り主が「希望する売却価格」
  • 査定価格:不動産会社が査定して「明示できる根拠をもとに予想した価格」
  • 売出し価格:売主が「希望額と査定額を踏まえて市場へ売り出す価格」
  • 購入希望価格:買主が「希望する購入価格」
  • 成約価格:不動産会社を通じて実際に売りに出した結果「売主・買主の間で合意した価格」

査定額はあくまでも売却できそうだと予想された価格のため、実際の成約価格とは異なります。

さらに不動産会社によっても、査定額が違うことを考慮しておきましょう。例えば郊外の戸建てを査定に出したとき、同じような家を多く売買している不動産会社へ依頼したほうが、これまでの経験からより根拠のある査定額を出してもらえます。不動産会社ごとに売買の実績や見込み顧客の数が違うためです。

2-3.家の査定にかかる費用

家の査定は、不動産会社が実施する場合は無料です。一方で、国家資格である「不動産鑑定士」が土地の価格を評価する鑑定は費用が発生します。

不動産会社に家の売却を依頼する際、仲介手数料(成功報酬)を支払うのは売買が決まった時だけです。査定の段階では売買が決まったわけではないため、報酬対象にはなりません。

また、不動産会社が査定をする際には、仲介契約を結ぶことが想定されています。仲介サービスを受注するために、営業の一環として査定をおこなっているともいえるでしょう。

一方、不動産鑑定士がおこなう査定は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき、土地や建物などの不動産の適切な地価、価格を判断します。個人が不動産鑑定士を利用するのは、相続や離婚による財産分与など、客観的で適切な価格が必要なケースが中心です。

不動産鑑定士や依頼した物件の内容にもよりますが、費用は20万~50万円ほどかかります。費用面だけでなく、査定をおこなう目的も踏まえて選択すべき査定依頼先といえます。

2-4.家の査定にかかる時間

査定にかかる時間は、査定方法によって異なります。不動産会社による机上査定の場合、電話やインターネット、アプリ上から30分から1時間程度かかるのが一般的です。AI査定の場合は、情報入力から数分ほどで完了することもあります。

訪問査定の場合は、査定結果がでるまで1週間程度かかることが一般的です。現地調査だけを見れば30分から2時間程度ですが、不動産会社側で家の法規制やインフラ状況を調査して査定額を出すため、机上査定に比べると日数がかかります。

また、不動産鑑定士に依頼した場合は、少なくとも2週間~1ヵ月程度はかかるのが一般的です。依頼先の状況によっても必要な時間が変わるため、時間的な制約がある場合は依頼した不動産鑑定士に相談しておきましょう。

3. 家の査定額を出す際に不動産会社はどこを見る?

訪問査定で不動産会社が見るポイント

訪問査定において、査定額に影響するポイントは複数あります。それぞれのポイントで査定額を上げる方法についても解説するため、査定額を少しでも高くしたいと考えている方は参考にしてください。

3-1.建物の状況

築年数や設備の状況は必ずチェックされる項目です。一般的には、家の築年数が経過するほど査定額が低くなります。建物の劣化状態や将来的な家としての価値を考えた際に、築年数が古い物件ほど価値が低いと判断されるためです。

ただし、経年劣化を抑える定期的なメンテナンスや、設備を新しくするリフォームの履歴があれば、査定額にプラスになる場合があります。施工時の見積もりなどメンテナンスの履歴がわかる書類を用意し、査定の際に不動産仲介会社へ伝えておきましょう。

また、査定額が高くなるケースとして、キッチンなど水回りの設備のリフォームが挙げられます。次に住む人にとって価値を感じられるリフォームが行われているかどうかは、評価のポイントとなるでしょう。

3-2.建物の構造

家の構造の種類は、査定額に影響を与える項目です。耐震性や防火対策、気密性など、これから住む人にとって安心度が高く、快適に過ごせる性能を持っているかチェックされます。

住宅の構造は、大きく分けて次の5種類があります。

  • 木造(在来工法、2×4工法)
  • 重量鉄骨造(S造)
  • 軽量鉄骨造(S造)
  • コンクリート造
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)

一般的には、鉄筋コンクリート造のように構造が頑丈な建物のほうが高く評価されます。ただし、実際の耐震構造や性能も重要です。1981年(昭和56年)6月に建築基準法が改正され、新たに耐震基準が設けられました。改正前は旧耐震基準と呼ばれ震度5で崩壊しない程度、改正後は新耐震基準と呼ばれ震度6強~7で崩壊しない程度とされています。基本的には、旧耐震基準の家は評価が低いです。

また、新耐震基準の中でも耐震等級を取得しているかどうかも重視されます。耐震等級とは、2000年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新たに設定された住宅性能表示制度において、地震に対する建物の強度を示す指標の一つです。

建築基準法は2000年にさらに法改正がなされ、木造住宅に対しより耐震基準が強化されました。この基準に当てはまるものを耐震等級1とし、さらに耐震性を増したものを耐震等級2~3としています。物件の状況や売る理由にもよりますが、耐震性など性能面に不安があり査定額が低くなる場合は、不動産仲介会社と相談して更地にしてから売却するのも有効な方法です。

3-3.間取り

家の間取りは、使いやすいものほど高く評価されます。家事の動線を確保しやすい、プライバシーを守りやすいなど、合理性に重きを置いた間取りであれば、年代を問わず評価されるでしょう。反対に、部屋数が少ないなど、次に住む人が使いにくいような特殊な間取りは査定額が低くなる可能性があります。

査定時には、間取りに関連する次のような情報を書き出したり、間取り図を用意したりしておくとよいでしょう。

  • 部屋数
  • 各部屋の広さ
  • 家事の動線
  • 部屋ごとの仕切りなどプライバシーを確保できる要素
  • 間取りの可変性

3-4. 暮らしやすさ

土地そのものや家の暮らしやすさは、査定結果にプラスの影響を与えます。たとえば土地の日当たりが悪い、反対に日当たりが良くて暑すぎるといった暮らしにくさは、後から修繕などをしたとしても解決できないケースが多いからです。

プラスの影響を与えるのは、方角が南向きだったり、窓が大きかったりと、日当たりや眺望がよいことです。将来的に家に影が落ちるようなマンションやビルがないかどうかも、日当たりや眺望に関係するため査定に影響するポイントといえます。

また、ペットの飼育ができる家や庭付きの家なら、ペットにとって暮らしやすい物件を探している人にとってメリットがあるでしょう。反対にペットが暮らしたことのない家を探しているケースもあるため、こちらも評価の対象です。

なお、市街地では用途地域という規制が定められていることがあります。わかりやすく言えば住宅用の土地や商業用、工場用というように、用途別にエリア分けすることでお互いに住みやすい環境を維持するための決まりです。次の用途地域に当てはまる場合、住居系の地域のため暮らしやすいと評価されます。

  • 第一種低層住居専用地域:住宅地、小規模なお店も建てられる
  • 第二種低層住居専用地域:住宅地、小中学校や150㎡までのお店が建てられる
  • 第一種中高層住居専用地域:住宅地、病院や大学など500㎡までの店舗なども建てられる
  • 第二種中高層住居専用地域:住宅地、病院や大学のほか1500㎡までの生活に必要な施設なども建てられる

用途地域は各自治体のサイトで調べられます。これまで暮らしてきて感じたことを、季節に応じて書き出しておくと暮らしやすさを査定結果へ反映してもらえるでしょう。

3-5. 設備状況

後付け設置が難しい次のような設備がある場合、査定額にプラスの評価になることも多いです。

  • 床暖房
  • 太陽光発電
  • オール電化
  • 2台以上の駐車場
  • ディスポーザー(生ごみ処理機)

しかし、反対に査定額へマイナスの影響を与える設備状況もあります。次のようなケースです。

  • シロアリや雨漏りの被害がある
  • 床に傾きがある
  • インフラ設備(電気・ガス・給排水設備)に不良がある
  • 地中障害物がある

雨漏りやシロアリについては、過去に発生し、現在は修繕している場合でも売却時にきちんと申告しなくてはなりません。売主として、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負うためです。

契約不適合責任とは、売却した物件に簡単にはわからないような欠陥があった場合、売主が修繕費の負担や損害賠償などを負わなくてはならない責任のことです。売買時に気が付いていなかったとしても、後に判明した場合は対応しなくてはなりません。特に雨漏りの被害は多いため、次の3つのポイントを確認しましょう。

  • 天井や床、壁にシミがある
  • 湿気が感じられる
  • カビが生えている箇所がある

事前にチェックして、できる限り査定時に不動産会社へ伝えましょう。

また、インフラ設備は日頃から使いにくさを感じている場合、経年劣化も予想されます。水が流れにくい、シャワーの水圧が弱いといった症状が見られる場合は、事前にリフォームや修繕をおこなってから査定にかけるのもよい方法です。いつリフォームしたかにもよりますが、リフォーム時の資料は、査定の際に提示すると評価にプラスされます。

3-6. 周辺環境

住宅地にある家や住宅街の土地を売却する際は、自分が住んでいて良いと感じる周辺環境があれば、積極的に伝えておきましょう。たとえば、次のような内容です。

  • 家から駅やバス停など公共交通機関に近い
  • スーパーや病院など日常生活に便利な施設が近い
  • 保育園や学校など教育施設が近い
  • 市役所や郵便局、銀行が近い
  • 治安がよい
  • 夜間が静かで過ごしやすい
  • 高齢者向け施設(デイケアなど)が近い

住み心地については、一緒に住む人や近くの人に聞いてみるのもよい方法です。自身では気が付かなかったメリットがわかることもあります。

3-7.周辺トラブル

周辺トラブル近所の異臭や線路・高速道路が近いなど、住宅近辺で住みづらさにつながるトラブルがあると査定のマイナス評価につながります。事前に申告しておくと、不動産会社の担当者が一緒に対応を考えてくれることも多いため、伝えておきましょう。

3-8. 土地の形

土地の形が四角形であれば、さまざまな用途で利用しやすく査定額が高くなります。あわせて重要視されるのが、建築基準法第43条による接道義務を満たしているかどうかです。接道義務を満たしていない場合、建物の新築や増改築工事などができないため、次に購入する人の活用の幅が減ってしまいます。

重要視されるポイントは、次の2つです。

  • 4m以上の幅がある公道に面していること
  • 土地の接点が2m以上あること

また、接道義務を満たしていたとしても、マイナス評価されるケースもあります。たとえば緊急車両などが通行しにくい細い道や、私道を通らないと出入りできない土地です。どのような制限がかけられるのか、市区町村へ確認するほか、査定時に不動産会社へ相談してみましょう。

4. 家の査定の流れ【査定依頼前の準備】

家の査定のポイントを把握したら、実際に査定を受けてみましょう。査定依頼をおこなう流れを準備の段階から紹介します。

4-1.住宅ローン残高をチェック

住宅ローンを使用した家の場合は、売却前に原則として住宅ローンを金融機関に対して一括で返済しなければなりません。住宅ローンが残っていると、抵当権の抹消ができないからです。

抵当権とは、住宅ローンを利用した家に対し金融機関が設定する権利のことです。抵当権があることで住宅ローンを借りられますが、金融機関側は住宅ローンの返済が滞った場合に設定された家や土地を処分して優先的に弁済を受けることができます。抵当権が残ったまま売却してしまうと、抵当権が本来の返済者ではない買主に移転してしまうため事前に抹消手続きが必要です。

また、住宅ローンの残高がわかっていれば、不動産会社と相談して売出し価格を住宅ローン残高と同額、あるいはそれ以上に設定することも可能となります。そのため、まずは住宅ローン残高を調べておきましょう。
住宅ローン残高を調べる際は、融資を受けた金融機関へ連絡して「残高証明」を発行してもらうと確実です。

4-2.家の査定時に必要なものをまとめる

査定時に必要な書類、売却時に必要な書類

査定時に必要な書類は、次の3つです。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 公図
  • 土地の測量図、または建物の図面

いずれの書類も、法務局の窓口またはオンラインで請求できます。実際に不動産会社へ査定を依頼する場合は、不動産会社で取得を進めてくれるケースもあるため、査定依頼時に確認しましょう。
マンションの査定を依頼する際は、次のような書類もできるだけ用意しておきます。

  • 分譲時のパンフレット
  • 管理規約
  • 長期修繕計画、総会議事録

また、売却を急いでいる場合には、次の書類も並行して取得を進めておきましょう。査定時には不要なものの、実際に契約を結ぶ際に必要となるためです。

  • 身分証明書:免許証・パスポート・マイナンバーカード など
  • 実印
  • 印鑑証明書:役場のほかコンビニでも入手できる
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報:登記をおこなった際に発行される

4-3.査定額を正確に算出するための書類を用意する

家の査定を正確に算出できる書類と取得方法

より正確に査定してもらうために次のような書類も、できる限り用意しておきましょう。

  • 固定資産税納税通知書もしくは固定資産税評価証明書
  • 住宅性能評価書
  • 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
  • 購入時の不動産売買契約書
  • リフォーム時の契約書や報告書
  • 管理費・修繕積立金がわかる書類
  • 建築確認済証または検査済証
  • 建築設計図書または工事記録書
  • 境界確認書

基本的に住宅購入時に手に入れられるものがほとんどです。マンション管理組合やリフォーム会社から取り寄せられる書類もありますが、たとえば不動産売買契約書のように、紛失時には家を建ててくれた不動産会社へ相談が必要で再発行が難しい書類もあります。住宅関連の書類はばらばらにせず、なるべくまとめて保管しておきましょう。

4-4.売却時期や理想の売却価格を決める

書類の用意が完了したら、いつまでにいくらで売りたいのか、理想のスケジュールを決めておきましょう。たとえば住宅ローンの残債がある場合は、最終的に成約した価格で返済できるように成約価格を残高より高く設定したいところです。こうした希望を不動産会社へ伝えておくことで、売り方や売るまでにかかる日数などもより明確に示してもらえます。

また、売却時に優先したい条件を決めておくことも大切です。価格重視のケースもあれば、転勤などで〇月までに売却したいといった時期を重視するケースもあるでしょう。人によっては、周囲に売却を知られずに済ませたいかもしれません。

事前に要望を整理しておくことで、不動産会社の査定時にスムーズに伝えられます。

5. 家の査定の流れ【査定依頼後】

ここでは不動産仲介会社に査定を依頼してから、不動産を売却するまでの流れを解説します。

5-1.不動産会社に査定を依頼

不動産会社を選んで、査定を依頼します。依頼する際は「売却予定の不動産があるため、査定をしてほしい」と問い合わせれば問題ないでしょう。

査定依頼をする際は、1つの不動産会社に絞らず、近所にある地元に強い不動産会社や全国規模で展開する大手の不動産会社などからバランスよく選びましょう。それぞれの強みによって、査定額に差が出ることもあるため、査定額の根拠をよく確認し、納得のいく誠実な依頼先を選んでください。一括査定サイトを利用するのも有効な方法です。

依頼時には、宅地建物取引業者として、取引上のトラブルをおこしていないか調べておくことも重要です。広告やホームページから免許番号を控えたうえで、国土交通省の「国土交通省 | 宅地建物取引業者 検索」などを活用して調べておくと、詳細な情報がわかります。

また、不動産会社の担当者によっては、コミュニケーションが取りづらいと感じることもあるかもしれません。売却までは数カ月、長いときは1年近くかかるため、相性が悪いと感じたら担当者の変更や不動産会社そのものを変更するのも有効です。

5-2.不動産会社を選んで仲介契約

不動産会社を選んだら、その会社と仲介契約を結びます。この時、不動産会社と結ぶ契約を媒介契約といい、契約を結ぶことで物件調査や買主への広告など、さまざまな業務を請け負ってもらえます。

媒介契約には3つの種類があり、連絡頻度や他社との同時契約の可否などさまざまな違いがあるため、自分に適したものを選びましょう。

比較項目 一般
媒介契約
専任
媒介契約
専属専任
媒介契約
他の不動産会社への同時契約 可能 一社のみに依頼可能 一社のみに依頼可能
自己発見取引
(自分で購入希望者を見つけて売買)
可能 可能 不可能
売主への報告義務 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
契約期間 定めなし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録義務 なし 必須
(契約締結後7日以内)
必須
(契約締結後5日以内)

一般媒介契約は、複数の不動産会社と仲介契約を結べるのがメリットです。より広い範囲で買主を探してもらえます。反面、複数の不動産会社とやり取りが必要です。

専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみと契約します。そのため有効期間3カ月の間、基本的に同じ不動産会社とのやり取りを重ねることになるのがデメリットです。より高く売りたい場合は一般媒介契約、できるだけ不動産会社へ任せたい場合は専属専任媒介契約や専任媒介契約が候補となります。

※一般媒介契約の場合、法律上は有効期間の定めがないが、国土交通省標準媒介契約約款では3カ月とされている

5-3.売却活動のスタート

広告など売却活動そのものは、不動産会社が主となって進めます。売主として対応する場面となるのが、購入希望者が物件を見学に来る内覧です。部屋の掃除やハウスクリーニングの利用などは、このタイミングで実施しておきましょう。第一印象がよくなり、内覧も好印象で進みます。

また、家の査定時に用意したリフォーム歴など、家の住み心地や今までの暮らし方に関連した書類は手元にまとめて用意しておくと便利です。内覧時に質問されたとき、説明に使うことでスムーズに答えられます。

5-4.売買契約

買主との交渉が決まれば、売買契約を結んで家の引き渡しに進みます。自宅を売却し住みかえる場合は、売主の引越し準備も必要です。状況に合わせ、不動産会社の担当者と相談しながら進めていきましょう。

売買契約当日は売主と買主の顔合わせや、宅地建物取引士による重要事項の説明などを経て契約書に合意します。契約後は買主による手付金の支払いがあり、売主側も不動産会社への仲介手数料の支払いが必要です。

6. 家の査定はどこに頼むのがいい?

最後に、家の査定の依頼先についてあらためて解説します。家の査定にあたって、不動産会社へ依頼するイメージを持っている方も多いでしょう。実際には次のような選択肢があります。

  • 不動産仲介会社
  • 不動産鑑定士
  • 不動産一括査定サイト

それぞれの選択肢について、特徴やメリットを解説します。

6-1.不動産仲介会社|ワンストップで売却可能

不動産仲介会社は豊富な実績とノウハウを活かし、不動産の無料査定から、その後の売却までワンストップでサポートしてくれる査定依頼先です。売却後の確定申告や、住みかえのサポートなども受けられます。

不動産仲介会社には主に、全国展開する大手の会社と、地域密着を基本とした地元の会社があります。大手は実績や全国で均一なサービス、サポート体制などが強みです。一方、地域密着型の会社は地元事情へ精通しており、見込客を抱えていることもあります。

どちらがよいかは人によって異なります。家の査定額を比較する意味も含めて、気になる会社をピックアップして積極的に連絡してみましょう。

6-2.不動産鑑定士|相続や離婚に強い

相続や離婚、不動産を担保にお金を借りるといった、客観的な不動産の価値を算出したいときに候補となるのが 不動産鑑定士への依頼です。対象となる不動産を分析・調査してもらい、ニーズに合わせたアドバイスを受けたいときにも活用できます。

また、不動産鑑定士が査定した不動産については、なぜその評価額になったのか、物件の詳細な情報とともにまとめた公的な証明書である「不動産鑑定評価書」を発行してもらえるのもメリットです。費用はかかるものの、客観的な専門家の意見を得ることで、取引時の価格の適正さを知り、問題が起きた際の解決に役立てられます。

6-3.不動産一括査定サイト|手軽な相見積もり

依頼先となる不動産仲介会社が決まっていない場合は、不動産一括査定サイトがおすすめです。サイト側と契約した複数の不動産仲介会社に対し、サイトを通じて情報を送信することで、手軽に査定を依頼できます。

しかし、複数の不動産仲介会社とメールや電話で一度にやり取りをおこなうため、時間的に拘束されていると感じるかもしれません。複数の不動産会社から査定額を得て、家の今の相場を把握するために使うなど、目的をもって活用しましょう。

7. まとめ

売却する家が今いくらで売れるのか、不動産会社などがその目安となる金額を算出したものを、査定額といいます。査定方法は大きくわけて机上査定と訪問査定の2通りです。机上査定は長くても数日程度で結果が得られますが、売却を考える際はより正確に費用がわかる訪問査定がおすすめです。

不動産売却を検討する際は、不動産会社の無料査定を有効活用し、査定額を把握して売却計画を立てていきましょう。

※本記事は2024年3月12日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

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