マンションの足音・騒音対策まとめ

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マンションでは、ひとつの建物にさまざまなライルスタイルを持った住人が暮らしているため、近隣トラブルが発生しやすくなります。とくに、夜間の就寝時やテレワークで集中しているときなどに、音が気になったことがある方も多いでしょう。そこでこの記事では、マンションで足音による騒音トラブルへの対策と解消法を解説します。

目次

1. マンションの足音による騒音トラブルは多い?

マンションでは、ひとつの建物に多くの住民が住んでいるため、住人同士によるマンショントラブルが起こりやすくなります。

PR TIMESに記載されている株式会社ジャストイットのインターネット調査によると、マンショントラブルを経験した257人のうち約85.6%の220人が、騒音トラブルに悩んだ経験があるそうです。この調査からも、マンショントラブルに足音による騒音トラブルが多いことがわかります。

騒音トラブルの原因として多かった回答は、「子どもの足音が聞こえる」というものでした。子どもは走り回ったり音を立てたりしやすく、親が注意していてもコントロールすることが非常に困難です。

しかし、足音は問題になりやすい音でもあるため、お子さんがいらっしゃる家庭では、できる限りの配慮が必要です。

引用:【分譲マンションに居住経験のある男女270人にアンケート調査】住民トラブルを経験した人は全体の95%という結果に!|株式会社ジャストイットのプレスリリース

マンションでの音の伝わり方には2つのタイプがある

音の伝わり方には、「空気音」と「固体音」という2つのタイプがあります。空気音は、音源から出た音が空気中を伝わって耳に届く音を指します。テレビの音や楽器の演奏する音などがそれにあたります。

一方、固体音は振動源から出た振動が建物の構造体などを伝わり、壁や天井がスピーカーの役割を果たして音が生じるものです。特にマンションでの騒音トラブルに多い子どもが走り回ったりする足音などがそれにあたります。

つまり、空気音の発生源は音源にあるのに対し、固体音の発生源は振動源にあります。例えば、人の声や自動車の音、飛行機の音は空気音として扱われ、一方で足音や物を落とした音、ぶつけたり叩く音は固体音として扱われます。

一般的に、空気音は壁やパネルなどで比較的簡単に遮断できますが、固体音は構造体を振動させ、広範囲に振動が伝わってしまうため、振動を抑制する対策が難しくなります。

2. マンションの足音・騒音がうるさい!解消法

もし、マンションの上階や隣室の足音や騒音があまりにも限度を超えている場合は、不動産管理会社に相談しましょう。マンションの掲示板で騒音を控えるよう注意喚起したり、住人に直接注意したりといった対応をしてもらえる可能性が高いです。騒音によって体調不良が発生した場合は、病院の診断書をもらっておきましょう。

3. 自分でできる騒音対策

ここでは、自身でできる騒音対策について解説します。

3-1. マンション天井の足音対策を実施する

ここでは、マンション上階の足音を軽減させるために、マンションの天井を工夫することでできる足音対策をふたつ紹介します。

ひとつめは、ホームセンターなどで手軽に購入できる「吸音材」や「遮音材」をマンションの天井に貼り付ける方法です。部屋に伝わる不快な足音による騒音を軽減できます。

もうひとつは、天井裏にもう一層天井をつくる「二重天井」のリフォーム工事をする方法です。ただし、この工事は比較的大規模な工事となるため、本格的に足音対策を希望する方のみ検討してみてください。

3-2. 防音グッズで足音を聞こえなくする

次のような防音グッズを使用して、足音を聞こえにくくするのも効果的です。

耳栓
耳栓は多くの商品が販売されています。なかでもポリウレタン製の商品は、遮音性能に優れています。耳にしっかりフィットして、長時間着用しても耳が痛くなりにくいでしょう。

イヤーマフ
イヤーマフは耳全体を覆う防音保護具で、周囲の不快な音を遮断する特徴があります。工事現場など騒音が大きい場所で使用されている器具で、高い防音効果が期待できます。

ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンやヘッドホン
ノイズキャンセリング機能とは、周囲の騒音を拾い、逆位相のノイズを出力することで騒音を聞こえにくくする機能のことをいいます。ノイズキャンセリング機能があれば、足音が耳に伝わるのを軽減できるでしょう。

3-3. 自室から騒音を出さない対策も実施する

上階や隣室の騒音が気になるのであれば、あなたの足音が気になっている住人がいる可能性も考えられます。自室から騒音を出さない対策も実施しておきましょう。例えば、物件選びの段階で、フローリングの遮音性を調べるのもひとつの方法です。購入を検討している物件のフローリング材の遮音性を調べることで、入居後に騒音に悩まされるリスクを軽減することができるでしょう。

すでにマンションに入居している場合は、フローリングにパズルマットを設置するのも効果的です。パズルマットとは、正方形のマットをパズルのようにつなぎ合わせて使うマットのことをいいます。衝撃を吸収するクッション性の高い素材が使われており、防音性に優れています。

4. マンションの足音・騒音被害に遭ったときの解消法

マンションで足音などの騒音がどうしても気になる場合、どうすれば良いのでしょう。ここでは、マンションの騒音被害に遭ったときの解消法について紹介します。

4-1. 管理人を交えて話す

住人と話し合う際は、公平に判断できる管理人などの第三者を交えて話すのがおすすめです。直接当事者同士のみで話し合うと感情的になりやすく、話がもつれる可能性も少なくありません。苦情の言い方や態度によっては相手から逆恨みされるなど、さらなるトラブルへと発展するおそれがあるため控えるのがベターです。

賃貸物件の場合、マンション管理者側は住人と賃貸借契約を締結しているため、民法1条2項により、「住人に対して、信義に基づいて誠実に、平穏な住環境を提供する義務が課されている」と考えられています。そのため、管理人にもトラブルを解決させる義務があります。管理人を交えることに対して遠慮する必要はありませんので、まずは管理人へ相談してみましょう。

4-2. 弁護士を交えて話す

管理人や不動産会社での解決が難しい場合には、弁護士に依頼するのもひとつの方法です。交渉のプロである弁護士に依頼すれば、代理人として住人と交渉してもらうことができるでしょう。

しかし、弁護士が出てくることで、住人が不安や恐怖を感じ、話し合いに応じなかったり話がもつれたりすることも考えられます。弁護士に依頼する場合には、できるだけ騒音問題に詳しく、実績がある弁護士に相談することをおすすめします。

4-3. 裁判所で調停、裁判する

弁護士を交えての話し合いでも解決しない場合には、裁判所で調停、裁判を行う流れとなります。まずは簡易裁判所での調停手続きを行い、調停が不成立となれば裁判をする形です。調停の場では、専門の調停員がお互いの話を聞き、金銭的解決や差し止めのほか、柔軟な対応をしてくれるでしょう。

4-4. ADRを利用する

裁判以外の解決方法のひとつに、ADRを利用する方法があります。ADRは「裁判外紛争処理手続き」のことで、トラブルの当事者の話をじっくり聞き、検討したうえで柔軟に手続きを行い、短期間で公正かつ満足のいくように解決させることを目的としています。

裁判所は公開の法廷で裁かれるため、心理的負担も大きいでしょう。一方、ADRは裁判所ほど厳かな感じではなく、非公開で手続きが行われます。ADRは、各都道府県の弁護士会に設置されている紛争処理センターで利用が可能ですので、気になる場合は問い合わせてみてください。

4-5. 引越す

どうしても騒音が気になり、隣人との交渉もうまくいかない場合には、思いきって引越しをするのもひとつの解決策です。特に騒音の原因が子どもであれば、その家の親に訴えてもなかなか難しく、問題は解決しない可能性も高いでしょう。

分譲マンションの場合、引越しするのは大変ですが、賃貸マンションの場合、管理人や不動産会社に言って解決しない場合には、引越すのが手っ取り早いかもしれません。

5. マンションの足音対策にはさまざまなものがある

マンションは多くの住人が過ごしているため、足音による騒音を一切発生させないのは不可能です。どうしても足音にまつわる音が気になるようであれば、まず、マンションの管理人や不動産会社に相談しましょう。そして、できる範囲で足音対策を実施するのがおすすめです。また、騒音トラブルが、さらに大きなトラブルにつながらぬよう、日頃から住人と良好な関係を構築しておくことも大切です。

矢野 秀一郎

矢野 秀一郎

宅地建物取引士
不動産売買の仲介営業、戸建分譲事業のプロジェクトリーダー、新築・リフォーム工事の現場監督など、不動産会社2社に勤務し、不動産および建築業務を幅広く担当。現在は、これらの経験を活かし、不動産・金融特化ライターとしてライティング・記事監修を行っている。

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