マンション選びの際に考慮したい廊下の名称とそれぞれのメリット・デメリット

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マンションの内廊下

マンションの廊下は、設置場所や形状の違いによって2種類に分けられます。この2種類の廊下は、天候の影響やプライバシー面およびセキュリティー面で大きな違いがあり、それぞれの廊下の使用感や維持管理費用なども異なります。目的に合わせて選ぶためには、明確な違いやメリット・デメリットを知ることが大切です。より自身にあった廊下を選べるよう、解説していきましょう。

目次

1. マンションの廊下の名称と特徴

マンションの廊下は、廊下と外気との位置関係や廊下の形状などによって「内廊下」と「外廊下」の2種類があります。それぞれの廊下の概要と、仕様や形状などの特徴および相違点について説明していきましょう。

1-1. 内廊下

内廊下とは、マンションの建物内に設置され、外気に面していないタイプの廊下です。内廊下は、ホテルなどにあるじゅうたん敷きや大理石の石張りなど、高級感を感じさせる仕様が多い傾向にあります。また、廊下を挟んで玄関が向かい合った位置に住戸が配置されていることも多いでしょう。内廊下は外気とは壁で隔てられているため、マンション周辺の騒音・臭気・外気温・飛来物・視線が廊下には届かない構造です。

1-2. 外廊下

外廊下とは、文字通り外に面している廊下で、「開放廊下」と呼ばれることもあります。外廊下の形状は、吹き抜けの周囲に回廊状に設置された場合を除いては、建物の端に直線的に配置される場合がほとんどです。

例えば南側バルコニーの間取りにする場合は、マンション北側で東西方向に直線状になった外廊下に玄関が垂直に接続する位置で配置します。外廊下はアパートや一般的なマンションに多い作りであり、多くの方にとっては内廊下よりもなじみ深いと言えるでしょう。

2. マンションの内廊下のメリット

マンションの内廊下は建物内にすっぽりと収まっており、外気から隔てられ外からは見えない位置にあります。ここでは、外からの影響を受けにくい内廊下だからこそのメリットを見ていきましょう。

2-1. 天候に左右されない

内廊下は外気と隔てられているため、悪天候でもマンションまで帰ってくれば、エントランスから玄関扉まで天候の影響を受ける心配がありません。

また、夏の高温による廊下や壁からの輻射熱(ふくしゃねつ)や、積雪・凍結による廊下の転倒リスクは限りなく少ないため、お子さまや高齢者でも安心です。

2-2. ホテルライクな内廊下が多い

内廊下の床は、じゅうたんや石張りなど高品質素材を使用した仕上げが多く、リラックス効果のあるBGMが流れていることもあります。

また、廊下の両側に部屋がある場合には、廊下の幅を1.6m以上とする規定が建築基準法第119条にあるため、通行しやすくゆったりとした印象です。

そして高級ホテルのような美しく贅沢な雰囲気は、マンションオーナーとしてのステータスや満足感を高めてくれます。

2-3. プライバシーが保護され安全

内廊下は完全に建物内にあるため、マンションの外から居住者が内廊下を歩く姿は見られません。外部からの視線をまったく気にしなくて良いため、プライバシーが守られ気持ちがリラックスします。

また、外からは居住者が帰宅する時刻がわからないため、不審者に生活サイクルや不在時間帯を悟られる心配もありません。

3. マンションの内廊下のデメリット

内廊下は、外気の影響を受けないものの廊下内の環境は常にコストをかけて管理していなければならないといったデメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1. 風通し・日当たりが悪い

内廊下はマンション内にあり閉鎖された空間であるため、プライバシーの保護性能と引き換えに、エアコンや24時間換気システムのような、機械での強制換気に頼らざるを得ません。

また日光がさし込まないために、照明が点灯していても太陽光にくらべると光量が弱く、外出先から戻った際に少し薄暗く感じることがあります。

3-2. 湿気や匂いがこもる

閉鎖された内廊下は湿気や匂いがこもりやすく、風がないためチリやホコリも溜まりやすい環境です。環境を良くするためにこまめな掃除を定期的に実施する必要がありますが、清掃頻度によって清掃コストがかかり居住者が負担する管理費が高額になります。

また、内廊下に匂いがこもったり、音が反響したりすると、感覚が敏感な方は閉塞感や騒音への嫌悪感を持つかもしれません。

3-3. 冷暖房費がかかる

エアコンで温度管理された内廊下の場合に、廊下内を快適な温度に調節するため、冷暖房にともなう電気代がかかり、居住者が負担する管理費が高額になります。くわえて24時間空調や空気清浄機能がある場合や世界情勢の変化による発電コストの高騰も、管理費の金額に大きく影響します。

4. マンションの外廊下のメリット

外廊下は、マンションの廊下を北側に寄せて南向きバルコニーの住戸をつくりやすいため、設置実績が数多くあります。廊下が壁に囲まれていないため施工行程が少なく、設置コストを低く抑えられます。ここでは、住居者にとってのメリットを詳しく見ていきましょう。

4-1. 日当たり・風通しが良い

壁がなく外に面した外廊下は、日当たり・風通しが大変良い環境です。とくに外が見えると天候の変化や時刻による光量の違いがわかり、町の景色や四季の自然の変化を体全体で感じ取れるため、精神衛生的にも健康にも良い効果があるでしょう。また、外廊下の自然風による換気性能はエアコンよりも遙かに高く、常に新鮮な空気がコストを掛けなくても自動的に入れ替わってくれます。

4-2. 門扉付きのポーチがついているマンションもある

マンションによっては、廊下側に門扉付きのポーチがついている場合があります。このポーチがある場所は、共用部でありながらその部屋だけが専用使用できる特別なスペースです。

廊下と玄関の間にポーチがあれば、玄関を開けてすぐに廊下に繋がるようなマンションよりも、プライバシー性能やセキュリティー性能が高くなるでしょう。また、管理規約で許可されていれば、ポーチの内側に植栽や傘立てなどを置くことができます。

5. マンションの外廊下のデメリット

つづいて、マンションの外気と繋がっているために起こる外廊下のデメリットについても見ていきましょう。

5-1. ドアを開ける際に天候に気をつける必要がある

玄関ドアを出てすぐに外へつながっているため、外出時には雨や雪などから影響を受けない服装や、傘・長靴などの雨天装備を用意してから玄関を出なければなりません。また、部屋の窓を開けた状態で玄関を開けると風が一気に流れ込んで、雨や雪や大気中の花粉・黄砂などを部屋の中に招き入れてしまう弊害もあります。

5-2. 防犯面で不安が残る

1階にある外廊下の手すり壁を乗り越えれば、オートロックがついたマンションでも侵入できてしまいます。そのため、1階の外廊下を乗り越えて侵入できないような目隠しパネルや面格子(1階廊下の手すり壁と2階廊下の見付部をつなぐ柵)が設置されていない場合には、防犯面で不安が残ります。

6. マンション選びの際には廊下にも考慮しましょう

外廊下と内廊下は、外気と廊下が繋がっているかどうかの構造上の違いによって、メリット・デメリットが生まれます。

一般的なマンションに多い外廊下は、天候の影響を受けやすくプライバシーやセキュリティー面で不安な面がありますが、廊下全体が明るく維持管理コストは安価です。

一方、ホテルライクで高級感のある内廊下は、温度管理されプライバシーやセキュリティー面に強いものの、換気性能が悪くて少し暗く維持管理コストは高額です。マンション選びの際には、毎日の住環境に関わる廊下の種類にもぜひ注目してみましょう。

柴田 敏雄

柴田 敏雄

宅地建物取引主任士、管理業務主任者
司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。また、外資系金融機関にも2年間従事し個人顧客へ金融資産形成や相続税の節税アドバイスなどを担当。現在は不動産/金融業界での経験を活かし、記事を執筆にもあたっている。

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