【初心者向け】家を売るとき最初にするべきことは?注意点も解説

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【初心者向け】家を売るとき最初にするべきことは?注意点も解説

引越しや相続など、人生には持ち家を売らなければならない時が訪れるかもしれません。 家を売る際にはさまざまな書類の準備や手続きが必要です。あらかじめ基礎知識や手順を把握していれば、スムーズに家の売却を進められるでしょう。

この記事では、家を売ることを考えている人に向けて、売却方法や手順の流れ、注意点などを解説します。家を手放したいが何をすればよいのかわからない人や、家を売る際の一般的なプロセスを知りたい人はぜひご覧ください。

目次

1. 【独自調査】家を売る経験をした人にアンケート

本記事では、家の売却経験者を対象に、売却した理由と売却時の大変だった工程についてアンケート調査を実施しました。

家を売る理由として当てはまるものは?

最も多かった回答は「相続した家を売却するため」で51%を占めました。次いで「よりよい住まいに住みかえるため」が27%、「子供が生まれて手狭になったため」が11%と続きました。

売却理由から、相続による空き家の処分や、家族構成の変化を機に住みかえを決めた人が大半を占めていることがうかがえます。一方で「ローンの返済に困ったため」など、経済的な理由で売却した人は少数派でした。

1-1.売却時、一番大変だったことは?

家の売却時に一番大変だった工程は?

家を売る工程で最も大変だったのは「不動産仲介会社との契約」で24%が選択。以下、「売り出し価格の設定」19%、「不動産の査定」16%、「広告や内覧対応」と「購入希望者との交渉」がそれぞれ14%となりました。

調査結果から、専門業者の選定と適正な売り出し価格の設定といった、売却活動の入口の段階で苦労する人が多いことが明らかになりました。信頼できる仲介業者を見つけ、妥当な査定評価に基づいて売値を決めることが肝心なようです。

2. 家を売る方法

家を売る方法には、主に「仲介」「買取」「個人間売買」があります。また、売却せずとも利益を得る方法として、賃貸物件として貸し出す選択肢もあります。

家を売る4つの方法

各手法にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、一概にどれがよいとは言い切れません。自分の状況に応じてベストな方法を選択することが大切です。ここではそれぞれの手法について詳しく解説します。

2-1.不動産仲介

不動産仲介は、家を売る際に多くの人が選択する売却方法です。この方法では、不動産会社が仲介役として買主を探し出し、売却をサポートします。仲介手数料こそ必要ですが、不動産の専門知識を持つプロの手を借りられるため、知識がなくても安心して家を売ることができます。

売却までにかかる期間は物件や市場状況によって異なりますが、一般的には約3〜6ヶ月の期間を要する傾向にあります。

できるだけ高い価格で売りたいときや、そこまで売却を急いでいないときには、不動産仲介で家を売るのがおすすめです。

2-2.不動産買取

不動産買取は、家を不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。最短1週間ほどで現金化できるため「急ぎで物件を現金化したい」という人にとっておすすめです。

この方法では不動産会社が直接買い取りをおこなうため、第三者の買主を探す必要がありません。売却活動などのプロセスが最小限のものとなるため、売主にとっては手間がかからないことがメリットと言えるでしょう。

ただし、不動産買取は仲介と比べて売却益が得にくい点には注意が必要です。価格相場はおおよそ仲介で売却する場合の7割程度とされているため、家を売ることで多くの利益を得たい人には不向きとなっています。

また、不動産買取を選んだ場合、必ずしも仲介手数料がかからないわけではありません。自身で不動産買取をしてくれる不動産会社を見つけた場合は仲介手数料がかかりませんが、不動産会社Aから紹介された不動産会社Bに買取してもらうような場合は仲介手数料が発生するので注意しましょう。

2-3.個人間売買

不動産会社を通さず、自分で買主を探すのが、個人間売買です。仲介手数料が発生しないため売却益を全て自分のものにできることが最大のメリットといえるでしょう。また、買主と直接交渉を進めなければなりませんが、自分のペースで売却活動をおこなえる点も利点です。

ただし、個人間売買は不動産取引に関する専門知識が必要です。仲介手数料が不要なぶん、相場感の理解や契約書の作成、法的手続きの管理などを、売主自身で全ておこなう必要があります。契約書関係の作成やスケジュール管理も自力でしなければなりません。

家の売買に慣れている人や売主の候補を自力で探せる人にとっては高い利益を見込める手法ですが、買主とのトラブルに発展する可能性は他と比較したとき高い傾向にあります。利益は見込めるものの、高いハードルを越えなければならないと認識したうえで選ぶ手法といえるでしょう。

2-4.賃貸に出す

「家をすぐに手放したいわけではないが、しばらく住む予定もない」という場合には、賃貸物件として貸し出すことを検討してみましょう。特に戸建て物件は賃貸市場では出回りにくく希少価値が高いため、入居者も見つけやすい傾向にあります。

売却と異なり、築年数が古くとも収入につなげやすい点は大きなメリットといえるでしょう。しかし、賃料が常に入るわけではないことや、入居者トラブルに対応しなければならないことには注意が必要です。管理業務や入居者募集で不動産会社の力を借りることも検討してみましょう。

また、入居者には入居者の生活があるため、家に戻りたいと思ったときすぐに戻れないことも注意が必要です。家を手放さずに価値を売ることができるという点は他の3つにはない特徴のため、将来的な対応を決めたうえで賃貸としての利用を考えてみましょう。

3. 家を売る際の手順や流れ

家を売るためには複数のステップを踏まなければなりません。家を売る際に必要な手順・流れを把握しましょう。

家を売る際の手順や流れ

3-1.事前準備を始める

家を売ろうとする際には、まず次の準備が必要です。

  • 査定や引き渡しなどに必要な書類を集める
  • 住宅ローンの残高を確認する
  • 売却する際の優先条件を明確にしておく

書類や住宅ローン関係に関しては不動産会社に相談すれば安心して進められますが、3つめの「売却する際の優先条件を明確にしておく」は売主の意志次第となるため特に重要です。

高く売りたいなら仲介、早く売りたいなら買取など、希望に基づいて家を売る方法を選びましょう。売却活動の途中で方針がブレないようにすることも大切です。「やっぱり買取にする」「仲介の方が高く売れそう」と迷走してしまえば、当初の目的を果たせなくなってしまいます。

ひとくちに家を売るといっても、その動機や目的は人それぞれです。自分が何のために家を売るのかをよく考えたうえで、優先事項を明確にしましょう。

3-2.家の査定

個人売買や賃貸を検討しない場合は、不動産会社に家の査定を依頼しましょう。大手の不動産会社と地元の不動産会社では得意分野が異なるため、自分が売りたい家の性質に応じていくつかの不動産会社に相談することがおすすめです。

査定には簡易的に価値を知ることのできる机上査定と、不動産会社のスタッフが家のある現地に赴いて査定する訪問査定の2種類が存在します。机上査定は精度に劣るものの素早く価値を知ることができ、訪問査定は本格的な売却活動に進むために必須のプロセスとなります。

なお、訪問査定を受けると不動産会社の関係者が物件に出入りするため、近所の人に家の売却を予定していることが伝わってしまう可能性がある点には注意しておきましょう。

3-3.不動産会社と契約

査定結果が出たら、不動産会社と契約を結びましょう。ほとんどの場合は仲介契約を結ぶことになりますが、物件の買い手がつきにくいと判断される場合には買取を選んだ方がよい可能性もあるため、担当者と相談して決定することが大切です。

「どの不動産会社にすればよいのかわからない」という場合には、担当営業者を信頼できそうかどうかで判断しましょう。同じ不動産会社でも、担当営業者の腕前によって物件売却の結果が変わることもあります。相性がよくスムーズに売却を進められる会社と担当者を選ぶことが大切です。

媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の三種類が存在します。専属専任媒介契約と専任媒介契約は、仲介を1社に限定する代わりに、熱心な売却活動が期待できる契約です。

一般媒介契約は複数の不動産会社に仲介を依頼できるので、より幅広く買い手を探せる契約ですが、担当者が他の案件を抱えていると、優先的に対応してもらえない可能性があります。それぞれの契約にメリットとデメリットがあるため、自分に合ったものを選びましょう。

3-4.売却活動

不動産会社との契約締結後、売り出し価格や売却戦略を決定し、具体的に家を売るための売却活動に移ります。主に不動産会社が販促活動を実施しますが、居住中の家を売るときには売主が内覧希望者の対応をする必要があります。

次に住む場所が決まっている場合は、すぐに使わない荷物などを新居に送ることで内覧で綺麗な家を見せられます。その後の引越し作業もスムーズになるでしょう。また、近所の店舗や交通の便など、居住者目線でのセールスポイントや感想をしっかり伝えることも大切です。

不動産会社はインターネット上の広告や店頭広告、チラシの投函などで、物件を宣伝します。「売却活動を周囲に知られたくない」という場合にはこの時点で不動産会社にその旨を知らせておきましょう。

3-5.売買契約

売却活動が功を奏し買主が見つかり、契約条件がまとまったら売買契約を締結しましょう。なお、契約を結んで以降に条件変更をおこなったり、売却を取り消したりする場合には違約金などのペナルティーが発生することが多いため、契約条件の交渉では双方が納得できるよう進めましょう。

契約の締結時には、買主から売主への手付金が支払われます。手付金の相場は売買価格の5~10%が一般的です。また、後から契約不適合責任に問われないよう、売却する物件に瑕疵があれば漏れなく伝えておくことが欠かせません。

売買契約が締結されたら、売主も引っ越しの準備をはじめましょう。引き渡しまでに新居を見つけ、入居できるように物件探しも並行しておこなっておく必要があります。

3-6.引き渡し

売買契約の締結時に決めた日程で、家を買主に引き渡しましょう。

なお、売主が住宅ローンを組んでいる場合、引き渡し日より前に、ローンを完済して抵当権の抹消登記をしておかなければなりません。また、引き渡し期日を守れないと違約金が発生することもあるため、引越しも済ませておくことが大切です。

通常は、引き渡しと同日に、売主から買主に代金の決済がなされます。

決済時に必要なものは、主に以下の通りです。

  • 登記関連の権利証(登記済証・登記識別情報)
  • 実印
  • 印鑑証明書(発効後3ヶ月以内)
  • 身分証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 鍵や買主に引渡すべき書類(管理規約や建築確認書など)
  • 諸費用(仲介手数料・司法書士への報酬など)

引き渡しの当日は、買主から売主に代金を支払い(決済)、同時に所有権移転の手続きをして、物件を引き渡すことになります。また、同時に不動産会社に対する仲介手数料の支払いも求められます。

3-7.確定申告

引き渡しが完了しても、家を売るプロセスは終わっていません。売却で利益を得た場合や、利益が出なくとも特例による減税措置を利用する場合、売却をおこなった翌年の2月16日から3月15日までに確定申告が必要です。

確定申告における「利益」は、売却で受け取った代金の額面そのままでないことに注意しましょう。「住宅の購入資金や、売却時にかかった費用などの合計」が、「代金」よりも少なく、黒字になった場合に「利益」が発生したとみなされます。

4. 家を売る際にかかる費用

家を売るためには少なくない費用がかかります。最終的に売却の代金が手に入るとはいえ、事前に次の費用を支払えるだけの資金は用意しておくようにしましょう。

家を売る際の費用の種類

ここでは、売却の代金が手に入る前に支払わなければならないものを中心に解説します。

4-1.不動産会社への仲介手数料

売却契約が成立した場合、不動産会社に対する成功報酬として仲介手数料を支払う必要があります。具体的な額は決められていませんが、宅地建物取引業法により次のような上限額が設定されています。

成約価格 仲介手数料の上限額
200万円以下の場合 成約価格の5%+消費税
200万円超、400万円以下の場合 成約価格の4%+2万円+消費税
400万円超の場合 成約価格の3%+6万円+消費税

不動産の成約価格が400万円超の場合は「取引価格×3%+6万円(税別)」を支払うことになります。仮に成約価格が1,000万円だった場合の仲介手数料は、1,000万×3%+6万円で36万円(税別)です。

仲介手数料の支払いタイミングは、売買契約の成立時と物件の引渡し時の2回に分けるのが一般的です。前者に関しては、売却金が手に入る前に支払う必要があります。しかし不動産会社によっては引き渡し時に全額支払うケースもあるため事前に確認しましょう。

また、仲介手数料は成功報酬のため、売買契約が成立しなかったときや、売却を途中でやめた場合、不動産会社による直接の買取を選択したケースなどでは支払いが不要になることが多くあります。ケースごとに仲介手数料が必要かどうかの確認も大切です。

4-2.税金、登記代

税金や登記代がかかることも念頭に置いておきましょう。主に次のような費用項目・相場となっています。

  • 抵当権抹消登記(不動産1件につき1,000円)
  • 抵当権の抹消登記の際の司法書士への報酬(1~1.5万円程度)
  • 所有権の移転登記の司法書士への報酬(3~6万円程度)
  • 印紙税(成約価格が1,000万超〜5000万以下の場合は2万円※)

※平成26年4月1日から令和6年3月31日まで「不動産の譲渡に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」に該当する場合は1万円。

4-3.その他

仲介手数料や税関係以外の費用にも注意しましょう。主に次のような費用項目が必要になる可能性があります。

  • 引越し代(距離や荷物量、時期によって増減)
  • ハウスクリーニング代(4〜8万円程度)
  • 測量費用(土地の境界が定まっていないときのみ。費用は50万円〜100万円程)
  • 売買契約関連書類の発行費用(1枚300円程度。郵送で発行してもらう場合は送料も)

特に測量費用は高額かつ、境界設置の場合には近隣との調整も必要なため注意が必要です。交渉に時間がかかると別途費用がかかる可能性も念頭においておきましょう。

これらの費用の価格や、そもそも必要かどうかはケースバイケースといえます。一概にいくらかかるか断言することは難しいため、不安があれば不動産会社と相談しておきましょう。

5. 家を売るベストな時期・タイミング

売却を急いでいないなら、家を売る時期をずらすのも1つの方法です。売れやすい時期を狙うことで、希望通りの価格で売却しやすくなるでしょう。

5-1.季節は1月から3月がおすすめ

1月から3月は、新生活のスタートに伴い転勤や進学などで住みかえ需要が高まるため、家を売る際には絶好のタイミングとされています。多くの人が新しい住まいを求めて動き出すため、売り手にとって有利な条件で取引が期待できるでしょう。

しかし、競合物件も多く出回るため、立地によっては価格が下がる可能性も考慮する必要があります。競合物件がどれほどあるのかを把握したうえで、売り出しをおこなうことが理想的です。

反対に、売却のタイミングとして避けた方が良い時期は8月や12月となります。この時期は取引量が少なくなりがちなため、できれば売却は避けたほうがよいでしょう。

5-2.築年数は25年までがベター

可能な限り、築年数が25年以内の物件を売るようにしましょう。木造の戸建てならば築20年以内、鉄筋コンクリート造のマンションは築25年以内が目安です。

この年数の根拠には、住宅の資産価値は築年数に伴って減少する慣習が存在します。上記の年数を超過した物件は、価値が下限まで下がった物件として見られることが多くあります。リフォームやリノベーションなどで価値を高めていない限り、高額での売却は期待しにくくなってしまうでしょう。

5-3.売却活動は半年以内におさめたい

家を売り出してから買主が見つかり、成約に至るまでの期間は、一般的に約3~6か月が目安とされています。この期間内に売却できることが望ましいですが、半年を超えて売れ残ってしまうと、「訳あり物件」と見なされるリスクがあります。

長期間売れずに市場に出ている物件は買い手に敬遠される傾向がありますが、そこで売主が焦って不必要に値下げをしてしまうと売却益を得にくくなってしまいます。赤字になってしまえば、あとから後悔することにもなりかねません。

売主は売却活動を効率的に進め、適切なタイミングでの価格調整をすることが大切です。また、値下げをおこなうとしても段階的に実施することが重要でしょう。売却期間が長引くことのデメリットを理解し、販売戦略を慎重に計画することが欠かせません。

スムーズな売却がおこなえるかどうかにおいて、物件の売り出し価格は非常に重要な要素となります。売り出し価格は査定額を基にして決まるため、地域の売買相場にマッチした査定をおこなってもらえる不動産会社を選ぶことが重要になるでしょう。

6. 【ケース別】おすすめの売却方法

なぜ家を売りたいと思うのか、人によってシチュエーションはさまざまです。そしてシチュエーションによってとるべき売却戦略も異なってきます。ここでは代表的なケース別に、おすすめの売却方法を紹介します。

6-1.住宅ローンが残っている場合

住宅ローンが残った状態では、家の引き渡しはできません。住宅ローンが残っている家を売却する際には残債を完済する必要があります。住宅の売却価格を決定する際には、可能な限り売却価格が住宅ローンの残債を超えるような価格設定をするとよいでしょう。

しかし、売却額でローン残高を打ち消すことができず、売却額が残高を下回ると「オーバーローン」になってしまいます。オーバーローンの差額は自己資金で埋める必要があるため、資金を工面できるかがカギとなります。

もしも、売却価格がローン残債よりも少なくなりそうで、さらに自己資金での一括返済も難しい場合は、売却手続きを進めるよりも前に、金融機関に「任意売却」ができないか相談をしてみましょう。

任意売却とは、住宅ローンの支払いが難しくなった際に、金融機関に了承を得て、特定の条件で不動産を売却することです。任意売却の了承が得られれば抵当権を解除してもらえるため、住宅ローンを完済できなくても売却できる場合があります。

6-2.住みながら家を売りたい場合

居住中の家に住みながら売却をおこなうことももちろん可能です。手元にお金がない人でも、売却でまとまった資金が得られる点が大きなメリットといえます。住みかえの場合も資金計画が立てやすく、売却に余裕をもてるでしょう。

しかし、内覧に対応するためにスケジュールを空けねばならないほか、プライベート空間に他人が入ってくることにストレスを感じる人もいます。特に、家族と一緒に暮らしている場合は、内覧で来客が増えることを事前に共有しておくことが大切です。

6-3.相続で住まない家を売る場合

相続した実家や他の不動産を売却する際は、まず相続登記を済ませ、正式な名義変更をおこなう必要があります。相続した実家に住む予定がない場合に売却を検討する人は多いですが、まずは「家を売却できるのは、家の名義人本人のみ」という原則を覚えておきましょう。

また、遺言書で分割する旨が告げられている場合などでは、不動産を売却後、現金で遺産分割する(換価分割)ことも視野に入ります。

相続不動産の売却では、取得費加算の特例や3,000万円特別控除の特例など、税制上のメリットを受けられる場合があります。これらの特例を活用することで、相続税や所得税の負担を軽減できる可能性があるため、条件に合致する場合は積極的に利用することがおすすめです。

6-4.空き家状態の家を売りたい場合

2024年6月1日から相続登記が義務化されることにより、空き家や土地を所有する人が多くなると予想されています。この義務化は所有者不明の建物や土地の問題解決を測ったものであり、登記を怠った場合はペナルティーが課せられます。登記と共に空き家の活用を検討しましょう。

空き家は崩落や害虫の発生、犯罪に利用されるなどのリスクがあるため、可能であれば早めに売却するなどの対応をしたいものです。しかし、立地や空き家の状態によっては仲介も買取も難しい恐れがある点は注意しましょう。

また、2023年12月からは空き家状態が続く住宅の建っている土地の6分の1減額の減税措置が適応されなくなったため、空き家の所有者には対応が求められます。場合によっては解体作業が必要になることもあるため、空き家を保有する人や、これから空き家を相続する人は覚えておきましょう。

6-5.親が認知症になった場合

認知症などで判断能力が十分で亡くなった親をもつ場合、成年後見人として自分が選出されることで、親の名義の家でも売却できるようになります。しかし、成年後見人に選出されるには裁判所の許可が必要です。

また、成年後見人なら無条件に家の売却ができるわけではありません。裁判所に対して、『居住用不動産処分許可の申立て』を行い、裁判所の許可が降りてはじめて売却ができるようになります。

6-6.離婚をする場合

離婚時に住宅ローンが完済されていないケースは少なくありません。

住宅ローンの残債より売却額が高い場合は財産分与で分け合いましょう。「家を売却後に残った現金を分け合う方法」と、「自宅を売却せず、夫婦の一方が住み続けながら、もう一方が家の価値の半分の現金を受け取る方法」があります。

住宅ローンの残債より売却額が低くなる場合、家を売却するなら自己資金で足りない部分を工面する必要があります。

また、売却せずに、夫婦どちらかが住み続けて残りの住宅ローンを支払い続けるという方法もあります。また、子供がいる場合には住宅ローンと養育費を相殺し、「父が養育費を支払う代わりに妻と子供が住む家の住宅ローンを支払う」といった形にすることも可能です。

しかし、「住宅ローンの名義は妻のままで、夫が住み続ける」といったケースはローンの未払いによるトラブルも起こりかねないことに注意しましょう。可能な限り、現在住んでいる人とローンと不動産の名義人を一致させることが理想的です。

6-7.住まいを購入して住みかえたい場合

住みかえをする予定なら、売却と同時に新居探しも進める必要があります。

新居が決まっていない場合にはスケジュールや優先順位をしっかり組み立てるようにしましょう。たとえば、住みかえ先のクオリティに妥協したくない場合や新居探しで慌てたくない場合は、購入を優先させましょう。ただし、現在の住まいでもローンを支払っている場合はダブルローンとなるので資金が底をつかないように注意が必要です。

実家やマンスリーマンションなどで仮住まい先が確保できる場合は、売却を優先させることも可能です。しかし、住む家がないのに売却を優先してしまい、引き渡し日に引越しが間に合わないというような事態は避けなければなりません。引越しが複数回になるので手続きの数が多くなる点にも要注意です。

売買を同時進行すれば売却で手に入れたお金で新しい住居を購入することも不可能ではありませんが、スケジュールはよりタイトになります。不動産会社にスケジュールに無理なく進行が可能かどうかを相談してみましょう。

7. まとめ

家を売るための方法は主に不動産仲介、不動産買取、個人間売買ですが、売らずに貸し出すことで収益を得る方法もあります。いずれの方法でも、より利益を得られるかたちで売却するためには正確な知識や準備が求められます。

また、家を売る方法のうち、どれが最適なのかは人それぞれ異なります。ローンの問題や相続の問題、住みかえの問題などケースバイケースといえるでしょう。

自力で家を売る自信がない、ミスやトラブルをおこしたくないという場合には、専門家の力を借りられる不動産仲介や買取を選ぶことがおすすめです。不安や疑問を相談しながら売却を進められるパートナーを見つけ、スムーズに家を売るプロセスを進められるようにしましょう。

※本記事は2024年3月12日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

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