実勢価格とは?調べ方や混同しやすい言葉との違い、注意点を解説

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実勢価格とは?調べ方や混同しやすい言葉との違い、注意点を解説

実勢価格とは、不動産が実際に取引された価格のことです。主に不動産の査定価格や売り出し価格の決定に役立ちます。しかし、実勢価格の他にも、公示地価や路線価といった不動産価格を表す用語が多いため、意味を混同してしまう方もいるようです。

本記事では実勢価格について、混同されやすい言葉と比較しながらわかりやすく解説します。実勢価格を調べる5つの方法や、調べる際の注意点などの情報をまとめました。また、実勢価格に関する独自アンケートも実施したので、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 【独自調査】実勢価格についてのアンケート

本記事では、不動産売却を経験した人を対象に、実勢価格を売却時の参考にしたかどうかについてアンケート調査を実施しました。

不動産売却時、実勢価格を参考にしましたか?

調査の結果、「はい」と回答した人が83%と大多数を占めました。一方、「いいえ」と回答した人は17%にとどまりました。

不動産売買においては、適正な査定評価が重要視されます。本調査の結果から、8割以上の売主が実勢価格、つまり最新の市場相場を参考にしていたことがうかがえます。不動産の売却経験がない人には最新の相場を知ることは難しいため、不動産仲介会社に依頼し、専門家から適切なアドバイスを受けた上で売却活動を進めることが肝心です。

2. 実勢価格とは

実勢価格とは、不動産取引が実際におこなわれた価格のことで、読み方は「じっせいかかく」です。例えば「Aさん所有の土地が3,000万円で売却された」というように、不動産売買が成立した具体的な数値のことを表します。

実勢価格は、不動産市場のニーズによって増減する価格です。市場価格に近い数字がわかるので、不動産売却を検討する際の基準として参考にする方も多くいます。同じような不動産の実勢価格を見て売却するか判断したり、実際に市場に出す際の売り出し価格を決める参考にしたりするなど、実勢価格はさまざまな場面で役立ちます。

ただし、不動産の価格は市場のニーズだけで決まるわけではありません。取引する不動産を取り巻く状況や、売却時期、売り手が優先する売却目標などによっても取引価格は増減します。似た条件の不動産の実勢価格であっても、同じ価格で売却できると保証されるわけではありません。あくまでも参考価格として活用しましょう。

3. 土地の価値を表す言葉と実勢価格との違い

公示地価・路線価・固定資産税額・実勢価格の違い

続いて、実勢価格と混同されやすい4つの用語をそれぞれ解説します。実勢価格との違いを知って、場面によって適切に使い分けて活用しましょう。

3-1.公示地価

公示地価は、国土交通省土地鑑定委員会が全国各所の地価を調査して決定する土地の価格です。不動産の取引などの価格基準として提示され、土地が適正に評価されることに役立っています。

調査される各地点のことを標準地といい、1つの標準地につき不動産鑑定士2名が評価をおこなうため、より公平な評価が可能です。標準地ごとの価格は毎年1月1日時点の評価が3月に発表されます。毎年公示されることで地価の動きが読みやすく、不動産市況を知るよい機会としてニュースなどでも注目が集まります。

実際の取引価格を示す実勢価格とは異なり、公示地価は土地そのものの価値を客観的に評価した価格です。一般的に、実勢価格は公示地価の1.1〜1.2倍ほどの価格になる傾向があります。あくまでも目安ですが、純粋に土地そのものの価値を提示する公示地価よりも、実勢価格のほうがやや高くなることが多いです。需要が高く条件の良い土地なら、公示地価の1.5倍以上の価格がつくことも珍しくありません。

3-2.基準地価

基準地価は、先に紹介した公示地価と混同されやすい用語です。公示地価は国(国土交通省)が評価するのに対し、基準地価は都道府県によって定められる点が大きな違いといえます。公示地価と基準地価を合わせて公示価格と呼ぶこともあります。

基準地価は、全国の基準地に1名以上の不動産鑑定士が派遣されて評価する価格です。評価の結果は、最終的に都道府県知事が正常価格かを判断します。公示地価で調査されない地域も含め、より細かく調査ができる点がメリットです。公示地価の補完的な役割も担っています。

基準地価は、毎年7月1日時点の評価を9月に国土交通省が発表します。公示地価から半年後に調査されるので、地価の動向を測る意味でも役立つ価格です。

3-3.路線価

路線価は、税金を算出するために活用される土地の価格です。国税庁や市町村によって算出され、税額を正しく計算するための基準として設定されます。囲まれた道路の価値に基づいて土地を評価する仕組みです。

路線価は、国税庁が公表する相続税路線価と、市町村・都が使用する固定資産税路線価の2種類があります。主に「路線価」といえば相続税路線価を指す場合が多いです。

価格は公示地価に基づいて算出されますが、公示地価よりもやや安く設定される傾向があります。具体的には、公示地価と比べて相続税路線価は8割、固定資産税路線価は7割程度に設定されることが多いです。価格が安く設定されるのは、納税額が大きくなりすぎることを防ぐためといわれています。

路線価を8割で割り戻して公示地価を算出し、1.1をかけることで実勢価格の概算も可能です。ただし、路線価も公示地価も目安としての価格であるため、実際の価格から大きく離れる可能性があります。

3-4.固定資産税評価額

固定資産税評価額は、市町村・都によって評価される不動産の価格のことです。固定資産税額の算出の他、都市計画税・不動産取得税・登録免許税など多くの税額の算出に役立てられます。

固定資産税路線価と同様に各自治体によって設定されるため混同されやすいですが、評価の対象が異なります。固定資産税路線価が土地を囲む道路に設定されているのに対して、固定資産税評価額は土地・建物といった不動産に設定される価格です。不動産の場所や大きさだけでなく、建物の築年数・延床面積・構造・設備といった詳細な情報をもとに算出されます。

なお、評価は3年に一度更新され、公示地価の7割程度の価格になることが多いです。固定資産税評価額は毎年1月1日時点の不動産の持ち主に送付される納税通知書(固定資産課税明細書)によって確認できます。

4. 実勢価格の調べ方

実勢価格を調べる5つの方法

続いて、実勢価格の調べ方を5つ解説します。実勢価格はさまざまな方法で調べることができるので、自分に合った方法を選んでください。

4-1.国土交通省のサイトで調べる

まず手軽な方法として、国土交通省のサイトを活用する方法があります。国土交通省の「土地総合情報システム」にアクセスし、「不動産取引価格情報検索」に進むと実勢価格がチェックできます。

土地総合情報システムは、不動産購入者に実施したアンケート調査に基づき、取引価格情報を蓄積・提供するサービスです。集めた情報は四半期ごとに公表され、ダウンロードもできます。

アクセスすれば、誰でも全国の不動産取引情報が無料で閲覧可能です。会員登録なども必要ありません。実勢価格を調べるほか、予算内でどのような家が購入できるか、自分の土地や家がいくらで売れそうかといったさまざまなケースで活用できます。

4-2.固定資産税評価額から調べる

売りたい不動産の固定資産税評価額がわかる場合、簡単な計算式で実勢価格を概算できます。計算には次の式を使用します。

固定資産税評価額÷0.7×1.1

固定資産税評価額は、固定資産課税明細書に記載されています。毎年5〜6月ごろに自治体から所有者の自宅に届くので、保管しているものがあれば確認しましょう。最新の固定資産税評価額を確認したほうがより実勢価格に近い数値を算出できます。

4-3.公示地価や基準地価から調べる

国や自治体が設定した公示地価や基準地価からも実勢価格を計算できます。計算方法は次のとおりです。

公示価格(公示地価または基準地価)×土地面積×1.1

公開されている公示価格は1平方メートルあたりの金額なので、価格を調べたい土地の面積でかけて計算しましょう。

公示地価や基準地価は、国土交通省運営の「標準地・基準地検索システム」を使えば無料で調べられます。地図からの検索や、地名を入力した詳細な検索もできます。

4-4.相続税路線価から調べる

路線価から実勢価格を計算する方法もあります。まず、路線価は道路ごとに定められた価格であるため、調べた路線価から土地の価格を算出しましょう。相続税路線価は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べられます。土地価格の計算方法は、土地の形状や道路との接し方によって異なるので、国税庁の「路線価図の説明」を読んで計算しましょう。

路線価から土地価格が算出できたら、次の計算式を使って実勢価格が求められます。

相続税路線価による土地の評価額÷0.8×1.1

あくまでも目安の価格ですが、売却の判断などに役立ててください。

4-5.不動産会社に査定を依頼する

ここまで紹介したような方法でも計算は可能ですが、簡単に済ませたい場合やより正確な価格を知りたい方は、不動産会社に査定を依頼することがおすすめです。

紹介してきた方法を用いれば、自分で実勢価格を調べることができます。しかし、公示価格や固定資産税評価額などに基づいて計算すると、実際の市場価格とは大きく離れた金額が算出されることも多いです。また、路線価から土地の価格を算出するには複雑な計算が必要になるため、負担も大きいでしょう。

不動産会社に相談すると、価値を調べたい不動産の特徴を考慮し、周辺環境や市況の最新情報を踏まえた価格がわかります。本格的に売却を考えている方や、より正確な価値を知りたい方は、自分で調べるよりも不動産の専門家に相談したほうがよいでしょう。

ただし、不動産会社の査定額がそのまま売却価格になるわけではありません。状況によっては、査定額よりも安い価格で取引が成立するケースもあるため、あくまで参考としましょう。

5. 土地の実勢価格の調べ方における注意点

実勢価格はさまざまな方法で調べられますが、いくつか注意するべき点もあります。実勢価格を自分で調べる場合に気を付けたいポイントを5つまとめました。

5-1.現在の土地の価値とは異なる

実勢価格は、過去の取引実績をもとに算出した価格です。不動産取引価格情報検索で手軽に調べることができますが、現在もその価値が維持されているかどうかはわかりません。

地価はさまざまな要因で変動を続けており、実勢価格と現在の価値が乖離してしまうこともあります。なんらかの原因で土地の需要が急増して価格が高騰したり、反対に需要減で価格が大きく下落することもあるでしょう。

不動産取引価格情報検索では、四半期ごとに情報を更新しています。閲覧できる情報は最新の不動産市況を反映していないので、実勢価格だけを根拠に売却価格を考えると損をするリスクもあります。検索した取引情報を鵜呑みにしないようにしましょう。

5-2.物件の価格は土地だけで決まらない

路線価や公示価格から算出できるのは、土地の実勢価格です。不動産の価値は土地の条件だけでなく、建物の状態や構造・条件などさまざまな要素で決まります。土地の実勢価格だけで判断せず、建物や土地の形や方角といった条件にも注目しましょう。

不動産取引価格情報検索では、不動産種別を絞って検索もできます。土地と建物(戸建て物件)だけでなく、マンションの取引情報も確認可能です。実勢価格を調べるときは、売却を検討している不動産に似た条件の事例を調べるようにしましょう。

また、好条件な土地でも近辺で事故が起きるなどの環境要因で価格が下がる可能性もあります。調べた実勢価格を参考にしすぎないことが大切です。

5-3.実勢価格=我が家の売却価格?

そもそも売主は、不動産の売却価格を自由に決めることができます。実勢価格を参考に、周辺の競合物件に合うような価格を設定しなければと考える人も多いですが、「いくらにしなければならない」といった決まりがあるわけではありません。実勢価格に囚われすぎず、売りたい価格を優先することも大切です。

確かに、実勢価格よりも安く売り出すと、買い手が付きやすいというメリットがあります。一方で、実勢価格を無視してあまりにも高すぎる価格を付けると買い手が現れにくくなることも事実です。

しかし、早く買い手を見つけることを重視して安く売ると、実際の価値よりも安く売って損をしたり、希望価格を下回ることで後悔したりするデメリットがあります。自身の希望と実勢価格を照らし合わせて、バランスの取れた価格で売り出しましょう。

5-4.実勢価格は「幅」でとらえる

不動産取引価格情報検索などを使用して実勢価格を調べるなら、実勢価格は「○○万円」と点でとらえるのではなく、「〇〇万〜○○万円」と幅でとらえるようにしましょう。

調べられる実勢価格は、あくまで過去の取引事例の平均値に過ぎません。まったく同じ条件でおこなわれる取引は存在しないので、「このぐらいの価格帯」と大幅にとらえる必要があります。

具体的な数字を出して考えてみましょう。例えば、1坪あたり45万円、55万円、40万円、53万円で土地を売却したエリアがあった場合、平均の実勢価格は48.25万円です。この場合、平均値の48万円を目安に売り出したいと考える人も多いでしょう。しかし、条件によって不動産価格が増減することを考えると「40万〜55万円の価格帯で売却できる可能性が高い」と幅を持って考えたほうが、予想から大きく外れない取引が実現します。

5-5.公示地価の公表は遅れやすい

公示地価・基準地価は、その性質上公表が遅れやすいデメリットがあります。地価は日々変動をし続けているため、公示価格を参考に実勢価格を算出すると、実際の売却価格から大きく離れてしまう可能性も高いです。

公示地価や基準地価は1年ごとに評価・発表されます。調査も1年に一度で、調査から公表されるまで半年以上の期間が空いてしまいます。その間も地価はさまざまな要因で変動するので、実際に売却価格の設定などに役立てるには、情報の修正が必要です。

最新情報を含めてタイムリーな地価や売却価格を知りたい場合は、不動産会社に査定をしてもらったほうが確実でしょう。

6. 実勢価格が変わる要因

不動産の価格は、景気動向といったさまざまな要因によって変化を続けています。実勢価格が変動する主な要因3つを詳しく解説します。

6-1.立地条件

立地条件は土地の価値に大きな影響を及ぼします。不動産を取り巻く環境が変化すれば、不動産の価値も変化する可能性が高いです。

地域環境や交通の便、周辺施設の充実度といった変化は、実勢価格に影響するポイントです。例えば、道路が新設されて便利になったり、学校・商業施設・公園などの施設が新しく改装されたりすると、価格が高くなることがあります。

都心や駅近くなど、生活インフラが整っている土地は評価が高い傾向です。一方、事件や事故などが原因で評価が下がる場合も考えられます。

6-2.市場の需給状況

不動産市場の状況に応じて価格相場も変化します。不動産市場で需要が高ければ価格も高くなり、需要よりも供給が多くなれば価格が低くなるなど、供給・需要のバランスは変動の大きな要因のひとつです。

例えば、住みたい人が多いにもかかわらず、物件数が少ないエリアは実勢価格が上昇しやすくなります。逆に、空家が目立つようなエリアでは実勢価格は下がりやすい傾向です。都心の一等地は地方と比べて家賃が高いことを考えるとわかりやすいでしょう。

つまり、供給よりも需要が多い時期に売却すれば、実勢価格よりも高く売却することも可能です。しかし需要の増減を予想することは難しいので、不動産会社に相談しながら売却を進めることをおすすめします。

6-3.物件の特性

不動産自体の特性によっても価格は変動します。土地の形状や立地も物件の特徴のひとつですが、建物付き物件やマンションの場合は、次のような要因も実勢価格を左右します。

• 築年数
• 構造
• 間取り
• リフォームの有無・状態
• 設備
• 省エネ性能

特に築年数は価格の変動に大きく関わる要素のひとつです。しかし築年数がたった物件でも、リフォームやリノベーションによって内装が新しくなり暮らしやすくなれば、価格が向上する可能性があります。

7. まとめ

実勢価格とは、不動産が実際に取引された価格です。過去におこなわれた不動産取引のデータにもとづいており、さまざまな方法で調べることができます。

なかでも、国土交通省の土地総合情報システム「不動産取引価格情報検索」なら過去の取引情報を簡単に検索できて便利です。ただし、情報が公表されるまでにタイムラグが生じる点や、その他の要因で不動産価格が変動することがある点を考えると、自分で調べた実勢価格は、あくまで目安として活用することをおすすめします。

最新の不動産市況や情勢などを踏まえてより正確な不動産価格を知りたいなら、不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。不動産の専門家による査定で、需給状況も考えた売却価格の提案が受けられます。

※本記事は2024年3月12日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

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