
老後の住まいをマンションにするか、一戸建てにするかは悩ましいポイントでしょう。将来を見据えて慎重に検討したい方は多いはず。そこで今回は、老後の住まいにマンション・一戸建てを選ぶメリット・デメリットをご紹介します。他にもチェックしておきたい老後の住み替え先選びのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 老後はマンションか一戸建てか、どちらに住む?
老後の住まいとして、「マンション」「一戸建て」どちらが適しているかは、 個人が思い描く老後の暮らしやライフスタイルによって異なります。 |
マンションと一戸建てはどちらにもメリット・デメリットがあり、どちらが老後の住まいに適しているかは一概にはいえません。老後の住まい選びに失敗しないためには、個々のライフスタイルや理想とする老後の生活をふまえて決めることが大切です。
そのうえで必要な資金を準備したり、物件や施工会社を選んだりするなど、具体的な行動に移していきましょう。
ここでは、老後の住まいの選択肢として「マンション」と「一戸建て」それぞれのメリットとデメリットを詳しく紹介していきます。
老後の住み替えで失敗しないためには?選択肢や資金計画はこちら
2. 老後の住まいに「マンション」を選ぶメリット・デメリット
・セキュリティ面に優れる ・バリアフリー設計の住宅が多い ・利便性が高い立地の物件が多い ・物件の管理や維持の手間がかかりにくい |
・一戸建てよりランニングコストがかさむ ・隣人の生活音が気になる場合もある ・災害時の対応を考える必要がある |
老後の住まいとしてマンションを選ぶメリット・デメリットは、上記のとおりです。メリットだけでなく、デメリットにも着目してご自身に適した住まいかどうかを判断しましょう。
2-1.老後の住まいに「マンション」を選ぶメリット
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・セキュリティ面に優れる ・バリアフリー設計の住宅が多い ・利便性が高い立地の物件が多い ・物件の管理や維持の手間がかかりにくい |
まずは、老後の住まいにマンションを選ぶメリットをみていきます。
2-1-1.セキュリティ面に優れる
マンションによっては、防犯カメラの設置や管理人の配置、エントランスにオートロックがついているなど、一戸建てに比べるとセキュリティ面に優れています。一戸建ての場合、防犯カメラ等のセキュリティ対策を導入するとなると、費用が高くつくでしょう。
管理人が常駐しているマンションであれば、防犯面だけでなく困ったことや不測の事態にも対応してくれます。老後も安心して暮らせる環境が整っています。
2-1-2.バリアフリー設計の住宅が多い
選ぶマンションによっては、エレベーターやスロープなどのバリアフリー設計が施されている物件もあります。そのため、車椅子や歩行器を使用する方でも移動しやすい点がメリットです。
また、段差が少ない設計や広い廊下など、生活のしやすさが考慮されているマンションも多いでしょう。今の段階でバリアフリーが不要であっても、将来を見据えるとバリアフリー設計の住宅が安心です。
2-1-3.利便性が高い立地の物件が多い
地域によって違いはあるものの、マンションは駅やバス停、スーパーや医療機関などが近くにある利便性のよい立地に建てられるケースが多いです。生活に必要な施設が近くにあることで、日常の買い物や通院が便利になり、自立した生活を送りやすくなるでしょう。
公共交通機関が利用しやすい立地であれば、車を持たない高齢者でも不自由なく暮らせます。
2-1-4.物件の管理や維持の手間がかかりにくい
マンションでは、共用部分の管理・維持は管理会社が行います。一戸建てでは庭の手入れや建物の修繕を住民自身で行う必要があり、手間やコストがかかってしまうでしょう。
老後の住み替え先にマンションを選べば、気にかけるのは自分の居室のみでよいため、一戸建て住宅でかかるような負担が軽減され、安心かつ快適な生活が送れます。
2-2.老後の住まいに「マンション」を選ぶデメリット
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・一戸建てよりランニングコストがかさむ ・隣人の生活音が気になる場合もある ・災害時の対応を考える必要がある |
メリットが多い一方で、マンションには上記のようなデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットについてもしっかりと押さえましょう。
2-2-1.一戸建てよりランニングコストがかさむ
マンションでは、修繕費積立や管理費などの支払いが必要です。毎月の固定費として発生するため、年金で生活する高齢者にとって負担に感じることがあるかもしれません 。
賃貸マンションの場合は、毎月の家賃や更新料などもかかります。一戸建てに比べて、ランニングコストが多く発生する点に注意が必要です。
2-2-2.隣人の生活音が気になる場合もある
マンションは集合住宅であるため、隣人の生活音が気になることもあるでしょう。建物によっては壁が薄かったり、上下階の音が響きやすかったりする構造の場合もあります。
とくに、夜間の騒音は睡眠に影響をおよぼしかねません。静かな生活を求める高齢者にとってはストレスになる可能性があるため、物件選びの際には防音性も確認しましょう。
2-2-3.災害時の対応を考える必要がある
高層マンションの場合、地震や火災などの災害時に避難が難しくなるリスクがあります。エレベーターが使用できない状況で、階段をスムーズに上り下りするのが困難な場合、避難に遅れてしまう可能性も考えられるでしょう。
万が一の災害時のことも考慮して、なるべく低層階の部屋を選んだり、自身でできる限りの災害対策を行ったりする必要があります。また、避難経路が確保されているかなど、マンション自体の災害対策がしっかりされているかを確認することが大切です。
3. 「老後はマンションに住む」のはこんな人におすすめ
・セキュリティ面を重視してコンパクトに暮らしたい ・物件の管理や維持の手間を減らしたい ・買い物や通院などを考えて、利便性のよい場所で暮らしたい ・家族の介護や物件の売却についても見据えて生活したい |
マンションは居室タイプが複数あり、家族の人数に合わせて住まいのサイズを選びやすいです。単身や夫婦2人などでコンパクトな生活を送りたい場合に適しています。一戸建てに比べてセキュリティがしっかりしている点は大きなメリットです。
また、管理費はかかってしまいますが、庭や敷地内の管理の手間を省きたい人にもおすすめです。好立地のマンションを選ぶことで、地域によっては車がなくても買い物や通院などの日常生活が送りやすくなります。
さらに、将来的に介護が必要になる可能性や介護施設への入居、子ども世帯との同居などを考えておきたい場合、マンションであれば売却や賃貸にも出しやすいでしょう。住み替え後のその先を見据えて、マンションの売却や賃貸に出すことなどを考えておきたい人にもおすすめです。
生活状況の変化に応じて柔軟な選択肢がある点は、マンションならではのメリットといえます。
4. 老後の住まいに「一戸建て」を選ぶメリット・デメリット
・プライバシーを保って静かに暮らしやすい ・リフォームの自由度が高い ・地域住民とコミュニティを築きやすい ・資産としても活かせる |
・老後を見据えたバリアフリー化が必要な場合もある ・建物・土地全体を自己責任で管理する必要がある ・セキュリティ面で不安を感じる場合もある |
一戸建てにはマンションにはないメリット・デメリットがあります。一戸建ては固定の資産となるため、慎重に検討することが大切です。
4-1.老後の住まいに「一戸建て」を選ぶメリット
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・プライバシーを保って静かに暮らしやすい ・リフォームの自由度が高い ・自分たちに合う快適な住環境を作れる ・地域住民とコミュニティを築きやすい |
一戸建てを選ぶメリットは、上記のようにさまざまです。詳しくみていきましょう。
4-1-1.プライバシーを保って静かに暮らしやすい
一戸建ての最大のメリットは、マンションに比べてプライバシーを確保しやすい点です。隣人と壁を隔てないため、生活音やプライベートな会話が外に漏れにくく、自分たちのペースで生活を楽しめます。
庭や敷地がある一戸建てであれば、外からの視線を遮ることも可能です。プライバシーを保ちつつ、静かな生活を送りたい場合には一戸建てが適しています。
4-1-2.リフォームの自由度が高い
一戸建ては自分たちのライフスタイルや好みに合わせて、部屋の配置や内装を自由に変更できます。マンションであっても購入した場合はDIYができますが、共用部はもちろん、部屋の構造によっては一戸建てほど自由にリフォームができません。
一戸建ては敷地も含めて自分たちの所有物であるため、老後の生活に合わせて増築したり、居住空間のバリアフリー化を進めたりすることもできます。
4-1-3.自分たちに合う快適な住環境を作れる
老後の住み替え先に一戸建てを選ぶ場合、庭やガレージなどを好きなように活用できるため、趣味に合わせて自由にスペースが作れます。また、マンションのように規定がないため、ペットを飼育したり親戚や孫たちと敷地内でバーベキューをしたり、よりプライベートを楽しめるでしょう。
思い描く老後の暮らしが明確である場合、理想を叶えるためには自由度の高い一戸建てがおすすめです。
4-1-4.地域住民とコミュニティを築きやすい
地域住民とのコミュニティが築きやすい点は、一戸建てのメリットでしょう。近隣との距離が適度に近くなることで自然と交流が増え、情報交換したり困ったときに助け合ったりできます。
とくに、子どもや親戚が遠方に住んでいる場合は、近所の人とのつながりが安心感をもたらしてくれるでしょう。
4-2.老後の住まいに「一戸建て」を選ぶデメリット
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・老後を見据えたバリアフリー化が必要な場合もある ・建物・土地全体を自己責任で管理する必要がある ・セキュリティ面で不安を感じる場合もある |
一方で、老後に一戸建てに住む場合は上記のようなデメリットに注意が必要です。
4-2-1.老後を見据えたバリアフリー化が必要な場合もある
住まいによっては、老後の生活に適したバリアフリー化が必要な場合があります。階段や段差の多い家では移動が困難になったり、ケガのリスクが高まったりするため、リフォームが必須のケースもあるでしょう。
一戸建てのリフォームにはある程度の費用がかかるため、あらかじめリフォームを見越した資産計画が必要です。
4-2-2.建物・土地全体を自己責任で管理する必要がある
一戸建てはマンションとは違い、庭の手入れや建物のメンテナンス、修繕などの定期的な管理をすべて自分たちで行う必要があります。敷地が広く、建物が大きいほど体力的な負担も大きいでしょう。
業者に依頼することもできますが、手配の手間やコストがかかってしまいます。
4-2-3.セキュリティ面で不安を感じる場合もある
一戸建ての場合、自分たちでセキュリティ対策を講じる必要があります。マンションは防犯カメラやオートロックなどのセキュリティ設備がはじめから設置されていることも多いですが、一戸建ての場合は基本的に後付けです。
防犯カメラやセンサー、鍵の強化など必要なセキュリティ対策を自分たちで考え、設置にかかる費用も負担しなければなりません。
5. 「老後は一戸建てに住む」のはこんな人におすすめ
・家族やペットと静かに暮らしたい ・子どもや孫たちが集まれる場所を作りたい ・自由度の高い住まいでガーデニングやDIYなどの趣味を楽しみたい ・ご近所づきあいを大切にしたい |
一戸建てはマンションのように隣人の生活音や騒音が気になるケースが少なく、夫婦や家族、ペットとゆったりと静かに暮らせるでしょう。庭がある家ではペットを自由に遊ばせるスペースを確保でき、子どもや孫が集まる場所としても活躍します。
また、必要に応じてリフォームやバリアフリー化をするなど、カスタマイズの自由度が高い点も一戸建ての特徴です。
理想の暮らしを叶えるために住まいへの自由度を確保したい方や、趣味・プライベートを満喫するためのスペースを確保したい方、地域コミュニティとのつながりを大切にしたい方には一戸建てがおすすめです。
6. 【マンション・一戸建て共通】老後の住まい選びのポイント
・老後の暮らしや生活の変化を詳しくイメージする ・住まいに求める条件に優先順位をつけて選ぶ ・住み替えから老後の生活までゆとりある資産計画を立てる ・マンション・一戸建て以外の選択肢も念頭に置く |
老後の住み替え先は単に住居のタイプだけでなく、将来の生活や資産計画などを総合的に踏まえて選ぶことが大切です。ここでは、老後の住まい選びのポイントを詳しくお伝えします。
6-1.老後の暮らしや生活の変化を詳しくイメージする
老後の住み替え先を選ぶ際は、今の生活だけでなく将来の生活の変化を具体的にイメージしましょう。住み替えを考えている現在の状況と、さらに年齢を重ねた将来では自分や家族の健康状態、家族構成や理想の暮らしなどが変わっている可能性があります。
さまざまな変化の可能性を考え、中長期的な視点から適切な住まいを選ぶことが大切です。
6-2.住まいに求める条件に優先順位をつけて選ぶ
将来の暮らしや生活の変化をイメージできたら、その理想が叶いそうな住まいを選びましょう。住まいを選ぶ基準は、立地や周辺環境、住宅の設備や性能とさまざまです。すべての条件を完璧に満たす物件を見つけることは難しいですが、できる限り理想に近づけるためにも優先順位を明確にして選んでみてください。
【住まい選びでチェックするポイント】
立地・周辺環境 |
・駅やバス停が近いか ・商業施設やスーパーが近いか ・かかりつけにできる医療機関が近くにあるか |
設備・性能 |
・バリアフリー設計がなされているか ・断熱性が高いか ・趣味を楽しめる空間が作れるか(例:庭など) |
6-3.住み替えから老後の生活までゆとりある資産計画を立てる
老後を見据えた住み替えを検討するにあたって、入念かつゆとりを持った資産計画が大切です。どのくらいの資金を住み替えのために回せるか、住み替え後の老後の生活にどれくらいの費用がかかるかなど、総合的な面から資産計画を立てましょう。
マンションや一戸建てを購入する場合、資産状況によっては住宅ローンを組む可能性があります。住宅ローンを組むリスクも踏まえ、慎重な検討が必要です。
【資産計画を立てるうえで考えておきたいこと】
住み替えに必要な費用 |
・住み替え先の物件の取得費用 ・引越し費用 ・家具や家電の購入費用 ・リフォーム費用 など |
住み替えに充てられる費用 |
・預貯金 ・現在の住宅の売却益 ・退職金 ・住宅ローンの借入金 など |
老後の生活に必要な費用 |
・日常生活を送るための費用 ・老後の医療費 ・介護が必要になった場合の費用 など |
6-4.マンション・一戸建て以外の選択肢も念頭に置く
老後の住み替えでは、マンションや一戸建てを購入する以外にも以下のような選択肢があります。
・高齢者向け住居に入居する ・現在住んでいる家のリフォーム・建て替えを行い、住み続ける ・子どもの住まいの近くに引っ越す・同居する など |
【その他の住み替えの選択肢】
住み替えの選択肢 |
メリット |
デメリット |
高齢者向け住宅 |
・住まい全体がバリアフリー設計になっている ・娯楽施設が備わっている、レクリエーション活動ができる ・入居者同士のコミュニティが築け、孤立感が少ない |
・一般的な物件に比べて購入費、月額費用が高い ・要介護度や認知症の状態が悪化すると住み続けるのが難しい ・選べる物件数が少ない |
持ち家のリフォーム建て替え |
・バリアフリー化できる ・自由にリフォームできる ・月々の家賃がかからない(ローンを完済している場合) ・子どもに資産を残せる |
・リフォーム代や修繕費がかかる ・施工期間は別の場所に住む必要がある ・リフォームや建て替えが計画通り進まない可能性もある |
子どもと同居・近居 |
・必要なときに支援を受けられる ・子どもや孫と交流できる ・安心感がある |
・干渉される可能性がある ・自分の時間が減りやすい |
健康状態によっては、単身や夫婦2人だけの生活が難しい場合もあるでしょう。ご家族や親戚とも相談し、安心して暮らせる方法を選ぶことが大切です。
7. 老後の住まい選びに悩んだときは
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老後の住み替えを検討するにあたって、将来を見通すのは難しいもの。住み替えのために現在の住宅を売却する場合は手続きも多く、家族の協力が得られたとしても進めるのは大変です。そのため、老後の住まい選びで悩んだときは、プロに相談しましょう。
野村不動産グループの野村不動産ソリューションズ株式会社が運営する「ノムコム」は、首都圏・関西・名古屋エリアの不動産の無料査定・売却支援サービスを提供しています。住み替えにあたって、所有している不動産の売却をお考えの方はお気軽にご相談ください。
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8. 老後はマンションか一戸建てがよいかは人それぞれ!理想の暮らしを考えて選ぼう
老後の住まいの選択肢は、個人のライフスタイルや理想とする暮らし、将来的な生活環境・健康状態の変化や資金などに応じてさまざまです。マンションにも一戸建てにも、どちらにもメリット・デメリットがあるため、総合的に考えて慎重に検討しましょう。
野村不動産グループの野村不動産ソリューションズ株式会社が運営する「ノムコム」は、不動産の無料査定・売却支援サービスを提供しています。首都圏・関西・名古屋エリアお住まいの方で、住み替えにあたって所有している不動産の売却をお考えの方はお気軽にご相談ください。
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