空き地など土地を買取会社と一般ユーザーに売るときとの比較

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土地を相続したときや、長年活用していない空き地を所有している方が土地を売りたいと思ったときに、いつ・いくらで売れるのか疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
相続した古家付きの土地や空き地の売却には、大きく分けて一般ユーザーに売る場合と、不動産買取会社に売却する場合の2つの方法があります。
また、一定期間販売活動をしても売れなかった際に事前に取り決めておいた金額で買取をしてもらう買取保証という方法、さらに、自宅を不動産買取会社に売却後、そのままその家に住み続けることができるリースバックという2つの方法があります。
それぞれ特徴が異なるため、どの方法を選べばいいのか迷われる方も多いです。

そこで今回は、一般ユーザーに売却していくときのメリット・デメリットと不動産買取会社へ売るときのメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。

目次

1. 不動産を一般ユーザーに売るときのメリット

一般ユーザーに不動産を売却する上で最も一般的なのが不動産仲介会社に依頼する方法です。
一定期間は仲介による販売活動をするので高値で売却できる可能性があります。
買取保証があることにより、確実に不動産を売却することができるので、売買代金を使う予定がある場合(住みかえの際など)には、資金計画が立てやすくなります。
以上のことからも、一般ユーザーに売却するメリットは多々あります。

2. 不動産を一般ユーザーに売るときのデメリット

一般ユーザーに不動産を売却する際のデメリットとして考えられるのは、販売の長期化により売却代金を受け取るまでの時間が長くかかる可能性があることと、買主となる一般ユーザーが住宅ローンの審査に落ちてしまった場合に売買契約自体がなくなってしまう可能性があることです。
すぐにでも売却したい、売却代金を次の不動産購入代金に充当したいと考えていたとしても、タイミングよく買主が見つからない限りは不動産を売却することはできません。場合によっては半年以上かかるケースもあります。
その他、通常、不動産を売却する時に発生する費用として隣地との間で境界が確定できていない場合は境界確定をしなければなりません。
事案によりますが、手続きには数十万円のコストが発生します。また、立会が必要となるため時間もかかります。

さらに、売却後は一定期間、契約不適合責任が発生します。これは売却する前からその不動産にあった故障個所について一定期間は売主が責任を負うというものです。
例えば、水道から水が出ない、雨漏りがするというようなことがあったのに売買契約の内容でその旨が記載されていない場合には、追完請求(故障個所を直す)、損害賠償、代金の減額、契約の解除といった請求を受ける可能性があります。不動産仲介会社に相談の上、契約前に調べておくことが大切です。

3. 不動産を買取会社に売るときのメリット

不動産買取会社に売却するメリットとしては現金化しやすいことです。つまり、売りたいと思ってから売買代金を受け取るまでの時間が一般ユーザーに売却する時より非常に短いことです。
また、通常であればリフォームや解体をしないと買い手が見つからないような古家付きの土地でも現状のまま買いとってくれることがあります。また、建物の中に不用品などがある場合にも不動産買取会社が処分してくれる場合もあります。
他にも、境界確定など売却するまでに売主側でしないといけない作業を、不動産買取会社が買い取ってから行ってくれる場合もあります。
また、不動産仲介会社を通じて、買主である不動産買取会社とは交渉次第で契約不適合責任を負わなくても済む場合もあります。

これらのことにより、売主は早くに売買代金を受け取ることができます。 また、広告も出さずに売却することができるので、ご近所に知られずに売却することが可能になります。
つまり、不動産買取会社に売るときのメリットとしては「現金化しやすい」「契約不適合責任を負わない可能性がある」ということがあげられるでしょう。

3-1. リースバック

リースバックとは自宅を不動産買取会社に売却し売買代金を受け取ったあと、その不動産買取会社と賃貸契約を締結し、そのまま住み続けることができる方法です。
この方法で売却すると、まとまった資金を一括で受け取ることができ、慣れ親しんだ自宅に住み続けることもできます。また、所有者が不動産買取会社に代わるので固定資産税の支払いもなくなります。最近多く発生している自然災害による価格下落のリスクも無くなります。

4. 不動産を買取会社に売るときのデメリット

活用していない空地や相続した土地を売却するとき、不動産買取会社を利用するデメリットとしては売却価格が低くなってしまうということがあげられます。買取保証による売却、リースバックによる売却の場合についても同じです。
一般的に市場価格の60%~70%前後まで売却価格が下がると言われています。
不動産買取会社は買い取った不動産を再販売していきます。再販売する際に利益を出す必要があるので、どうしても買取価格というのは低くなります。

5. まとめ

不動産を売却する際、一般ユーザーに売却する場合に比べると不動産買取会社に売却するほうが売買価格は低くなります。その代わりに契約不適合責任を負わなくて済む可能性がある、売却代金を受け取るまでの期間が短いなどのメリットがあります。
住みかえの際など、売却して受け取った代金を次の不動産購入に充てたいときには不動産買取会社への売却を選択すると資金計画が立てやすくなるでしょう。
不動産の現金化を急ぐ必要がないのであれば、一般ユーザーへ売却してもらうと時期的なタイミングもありますが、高値で売却できる可能性があります。
いずれの場合にも信頼できる不動産仲介会社に相談し、よく理解した上で売却活動をすることが最も大切なことといえるでしょう。

元木進一

元木進一

司法書士
大手司法書士事務所で13年勤務してからの独立開業です。様々な案件を扱ってきました。ファイナンシャルプランナー資格を持つ司法書士が、常にお客様目線で、業務をしております。生前の遺言書作成・相続対策・遺産整理業務に強い司法書士事務所です。

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