マンション売却の流れを9ステップで解説|確定申告や引越しの流れまで

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マンション売却の流れを9ステップで解説|確定申告や引越しの流れまで

マンションを売却する手続きは複雑ですが、全体の流れを把握して適切な準備をおこなえば、スムーズに進められます。この記事では、マンション売却の流れを9ステップに分け、それぞれの段階のポイントや注意点をわかりやすく解説します。

また、マンション売却にともなって必要な確定申告や、売却と一緒に引越しをおこなう場合の流れもあわせて解説します。「マンション売却をおこないたい」「マンション売却の不安を無くしたい」という方はぜひ参考にしてください。

目次

1. 【独自アンケート】マンション売却で大変だったことは?

本記事では、マンション売却経験者を対象に、売却時の工程で最も苦労したポイントについてアンケート調査を実施しました。

マンション売却で大変だったことは?

調査結果から、マンション売却時の最大の難関は「売り出し価格の設定」で、約3割の人が苦労したことがわかります。次いで「不動産仲介会社との契約」が19%、「不動産の査定」が17%と続き、売却活動の入り口の段階で苦労する人が多いことがうかがえます。

不動産売買は大きな金額が動く取引であり、売主の負担も大きいため、信頼できる専門家にアドバイスをもらいながら進めることが肝心です。まずは不動産仲介会社選びの段階で、十分に情報収集し検討を行うことが成約に向けた第一歩になると言えるでしょう。

2. 分譲マンション売却の流れ

それでは、具体的な分譲マンションを売却する際の流れを見ていきましょう。準備から売却・引き渡しまで、大きく分けると9ステップあります。すべてのステップの完了には4か月から半年ほどかかるのが目安です。

分譲マンション売却の流れ

また、マンション売却で利益が出た場合、売却の翌年2月から3月には確定申告をおこなうことも意識しておくと、売却後まで見据えて準備を済ませられます。

それでは、各ステップでおこなうことを具体的に見ていきましょう。

2-1.事前準備

マンションを売却する前には価値の査定が必要です。査定の事前準備として、マンションの価値を算出する参考となる書類を用意しましょう。

不動産売却の必要書類一覧

具体的には、次の書類を用意するのが理想的です。

  • マンション管理規約
  • 間取り図
  • 登記簿謄本
  • 固定資産評価証明書
  • 建築確認済証(写し)
  • 売買契約書(購入時)
  • 長期優良住宅など)住宅の性能を証明する書類

これらの書類は査定時に必須ではありませんが、揃っていれば販売活動をスムーズに進めやすくなります。 書類によっては不動産会社側で取得することもできるため、ひとまず査定依頼だけしてみるのもよいでしょう。

また、契約時には次の書類も求められるため、あらかじめ準備しておくと後のプロセスをスムーズに進めることができます。

  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 権利証(登記識別情報通知書)
  • 実印および印鑑証明書

2-2.マンションの査定

事前準備で書類を揃えたら、次は実際にマンションの査定を不動産会社に依頼しましょう。不動産において査定とは、過去の売却実績や市場の状況から物件の売り出し価格を見積もることを指します。「マンションがどのくらいの価格で売れるのか」を知るためには査定が欠かせません。

査定方法には簡易査定と訪問査定の2種類があります。2種の違いは次の通りです。

比較項目 簡易査定 訪問査定
査定方法 物件情報から査定する 実際の物件を見て査定する
メリット •おおまかな金額が分かる
•手軽に査定ができる
•市場価格に近い価格が分かる
•査定額の根拠が明確
デメリット •実際の売却時には訪問査定が必要
•査定価格の正確さが低い
•査定に時間がかかる
•訪問時に物件にいる必要がある

簡易査定は気軽にマンションの価値を知りたいときに向いていますが、実際にマンションを売却する際には訪問査定の実施が必須です。訪問査定では、書類だけではわからない建物の保全状態、損傷や劣化の有無、立地条件、日照、眺望、騒音などの環境要因が評価されます。

訪問査定が完了するとより正確な査定価格が算出できます。売りたいマンションが相場と比較してどのような価値を持っているのかを理解し、その後の売却計画を組み立てましょう。

2-3.付帯設備表・物件状況等報告書の記載

マンションを売却する際には、付帯設備表と物件状況等報告書の作成が求められます。これら2つの書類は、売主が契約不適合責任を求められた際の対応において重要な役割を果たします。

付帯設備表はマンションの設備に関する情報を記載する表のことを指します。主に、水回りや給湯関係、空調関係の設備の有無を記載します。もともと無い設備には『無』、残す設備には『有』、売却しない設備には『撤去』と記載しましょう。クレームやトラブルに発展しやすい項目のため、不具合などがあれば細かく記載しておくのがおすすめです。

物件状況等報告書は、売主が物件に関して知り得ている不具合や瑕疵を記載する書面です。雨漏りや白アリ被害、地盤沈下や境界越境、周辺環境や近隣の建築計画などの情報を記載する必要があります。買主が事前に知っていたら売買契約を再考する可能性のある点を意識し、一覧化しておきましょう。

付帯設備表との相違や、物件状況等報告書に記載の無い瑕疵が後から明らかになると、買主は売主から契約不適合責任を求められる場合があります。物件の瑕疵は、売買契約締結前に売主から買主に直接説明しなければなりませんが、書面でも伝えることでトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

2-4.不動産会社と媒介契約を締結

マンションの査定を受けたあと、信頼できる不動産会社と媒介契約を結びましょう。不動産売却における媒介契約とは、物件の売買の仲介を依頼する契約を指す言葉です。媒介契約には主に次の3種類が存在します。

比較項目 一般
媒介契約
専任
媒介契約
専属専任
媒介契約
他の不動産会社への同時契約 可能 一社のみに依頼可能 一社のみに依頼可能
自己発見取引
(自分で購入希望者を見つけて売買)
可能 可能 不可能
売主への報告義務 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
契約期間 定めなし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録義務 なし 必須
(契約締結後7日以内)
必須
(契約締結後5日以内)

上記3つの契約を結ばず完全に個人間で売却をおこなうこともルール上は可能です。しかし、不動産売却においては専門的な知識が必要で、売主と買主の間でのトラブルなどのリスクもあります。安心して不動産売却をおこなうためには、不動産会社と媒介契約を結ぶのがおすすめです。

また、付帯設備表と物件状況等報告書の作成も契約のタイミングで求められます。不動産会社側がフォーマットを用意していることが多いので、情報を整理しておき、作成を忘れないようにしましょう。

2-5.売り出し価格の決定

媒介契約を結んだあとは、物件の売り出し価格を決定しましょう。売り出し価格とは、物件がはじめて不動産市場に売りに出される価格のことを指します。専門知識が求められる売却活動そのものは不動産会社の主導でおこなわれますが、売り出し価格は売主が決める必要があります。

売り出し価格は、基本的には契約を結んだ不動産会社の査定額と、売主自身の売却希望価格をすり合わせながら決定します。適切な査定がおこなわれていれば、査定額は相場や適正価格に近しいものとなるでしょう。

不動産の売却価格は高すぎると売れ残り、低すぎると得られたはずの利益を得られない可能性があります。適正価格や相場からかけ離れない額に設定することが大切です。また、住宅ローンの残債がある場合には、それを支払いきれる見込みのある価格設定をおこないましょう。

2-6.売却活動

売り出し価格が決まったあとに、本格的に売却活動が実施されます。宣伝や販売活動などは不動産会社の主導でおこないますが、状況によっては売主も対応が必要なことを覚えておきましょう。

物件を綺麗に保つことはもちろん、内覧の際には物件の特徴や生活の利便性を紹介できるように準備しておくことが望ましいです。加えて、付帯設備表・物件状況等報告書に記載したような設備や注意点を正確に伝えることも求められます。

また、近所のスーパーや交通の便など、内覧者が気になりがちなポイントについて生活者目線で伝えることができれば、購入意欲の向上にもつながるでしょう。

2-7.売買契約の締結

マンションに買主がついたら売買契約を締結しましょう。この段階で、売主と買主は契約内容に合意し、売却する不動産の取引を確定させます。売却するマンションが現在の家である場合には、この時点で新居に引越す日を決めましょう。

実際の手続きでは、契約書に署名や捺印をしたあと、買主から手付金を受け取ります。手付金の上限額は成約価格の20%で、相場は成約価格の5~10%の金額です。手付金を受け取ったあとの段階で売却キャンセルすると違約金が発生するため注意しましょう。

また、売買契約が決まったあとに仲介手数料を不動産会社に対して支払います。仲介手数料は、成約価格に応じて次の計算式で算出できます。

成約価格が200万円以下:「成約価格(税抜)×5%」+消費税
成約価格が200~400万円以下:「成約価格(税抜)×4%」+2万円+消費税
成約価格が400万円以上:「成約価格(税抜)×3%」+6万円+消費税

仲介手数料の支払いは「契約締結時」「引き渡し時」の2回に分けられることがほとんどなため、2段階に分けて支払う準備をしておきましょう。

2-8.決済・引き渡し

マンションの売買契約の締結後、売主には所有権を買主に引き渡す義務が、買主には物件の代金を支払う義務が発生します。決済・引き渡しをおこない、売買契約を完了しましょう。所有権の移転や、代金の決済、買主側の住宅ローン手続きが完了したのちに引き渡しとなります。

決済・引き渡しの段階では、所有権移転登記や抵当権の抹消・設定登記などの手続きも必要です。契約から引き渡しまでは、最短で1ヶ月、一般的には2~3ヶ月ほどかかると考えておきましょう。

また、引き渡し時には主に以下の書類が必要です。事前に用意しておき、スムーズに引き渡しをおこなえるようにしておきましょう。不安があれば、不動産会社などと確認し合いながら書類の準備を進めるのがおすすめです。

  • 権利証又は登記識別情報通知書
  • 実印
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 住民票
  • 本人確認資料(運転免許証等)
  • 固定資産税評価証明書
  • 鍵(複製も含め全て)
  • 抵当権等抹消書類(金融機関が用意)
  • 管理費・修繕積立金の確認書等
  • 分譲時のパンフレット
  • 管理規約
  • 使用細則

売主に住宅ローンの残債がある場合は、決済と同時に完済手続きができるよう、金融機関と繰り上げ返済の話し合いをするなど準備を進めておきましょう。売却価格の残額や仲介手数料などを全て支払ったのち、鍵や書類などを引き渡します。引き渡し時に、書類などの不備や期限切れがあると引き渡しが延期となるため注意してください。

2-9.確定申告

マンションの引き渡しが終わっても全てのプロセスが完了したわけではありません。マンション売却後に利益が発生した場合には、利益を譲渡所得として確定申告する必要があります。

次の条件に適合する場合には、確定申告を忘れずおこなうようにしましょう。

  • マンションを売却した額が購入額よりも高い場合
  • 仲介手数料などの諸費用を差し引いても利益が出た場合
  • 売却益が出ていないが、節税などのため特例を利用したい場合

確定申告は、マンションを売却した翌年の2月16日~3月15日の間に、自身の住所地を管轄する税務署でおこないます。東京都に住んでいる人が北海道の不動産を売却した場合でも、確定申告は東京の管轄地域にある税務署で実施する点に注意してください。

3. マンション売却後の確定申告に必要な書類

マンション売却後に確定申告をおこなう場合には、次の書類を用意する必要があります。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 確定申告書第三表(分離課税用)
  • 確定申告書第一表及び第二表
  • 不動産売却や特例に関係する書類

「譲渡所得の内訳書」「確定申告書第三表(分離課税用)」「確定申告書第一表及び第二表」の3つは、税務署や、国税庁ホームページで手に入れられます。不動産売却や特例に関係する書類は、売買契約の際に受領した領収書や契約書、不動産会社や法務局から受け取った書類一式を揃えておけば安心です。

手続きや書類の準備に関して不安がある場合には、不動産会社などの専門家に相談するようにしましょう。

4. マンション売却後の確定申告の流れ

マンションの売却は不動産会社と相談をしながら進められますが、確定申告の手続きそのものは、ほとんどの場合一人で実施しなければなりません。不安に思う人も少なくないでしょう。

そこで、この項目では確定申告の流れを次の5段階ごとに解説します。実際に確定申告をおこなう際の参考にしてください。

1. 利益(譲渡所得)が発生したかをチェック
2. 取得費をチェック
3. 譲渡費用をチェック
4. 譲渡所得のなかで、課税される額を計算する
5. 確定申告をする

それぞれの段階ごとにおこなうこと、注意することを解説します。

4-1.利益(譲渡所得)が発生したかをチェック

マンション売却時の確定申告においてまず重要なのは、利益(譲渡所得)が発生したかどうかを確認することです。譲渡所得は、次の計算式で求められます。

利益(譲渡所得) = 不動産の売却額 - (取得費 + 譲渡費用)

この計算により譲渡所得が黒字になった場合、すなわち利益が発生している場合には確定申告が必要です。また、譲渡所得がない、または損失が出た場合でも、損益通算や繰越控除など節税につながる特例を利用するために確定申告が必要になるケースがあります。

計算式に使用する取得費と譲渡費用については、次の項目から順に解説していきます。

4-2.取得費をチェック

譲渡所得を計算するために取得費を確認しましょう。具体的には次のような費用項目が取得費となります。

  • 不動産の購入代金
  • 建物の建築費
  • 購入手数料
  • 登録免許税や不動産取得税、印紙税
  • 借主を立ち退かせるために支払う立退料
  • 土地の埋め立てや土盛り、取り壊し費など
  • 測量費
  • 設備費
  • 改良費
  • 一定の借入金利子 など

これらの費用項目の総額を譲渡所得の計算に用いましょう。

4-3.譲渡費用をチェック

譲渡費用の確認もおこないましょう。譲渡費用は、不動産を売るために直接かかった費用を指します。主に次のような費用が対象です。

  • 不動産売却にかかった仲介手数料
  • 売主が負担した印紙税
  • 立ち退き料
  • 建物の取り壊し費
  • 名義書き換え料 など

売却のためのリフォームをした場合は、その費用も譲渡費用に算入できる可能性がありますが、資産の維持や管理のためにかかった修繕費や固定資産税などは譲渡費用には該当しません。費用項目をしっかりと切り分けておくことが大切です。

取得費と譲渡費用を合算し、その額を不動産の成約価格から差し引くことで譲渡所得を計算できます。

4-4.譲渡所得のなかで課税される額を計算する

譲渡所得がわかったあと、控除などの特例に使用できるものがないかどうかチェックしましょう。主に、次のような特例は適用範囲が広く、多くの人に利用されています。

  • 3,000万円の特別控除の特例
  • 特定の居住用財産の買換え特例
  • 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特例が利用できる場合、所得のなかから控除される金額を差し引き、最終的な課税額が確定されます。詳細は国税庁ホームページからご確認ください。

4-5.譲渡所得の期間をチェックする

税額はマンションをどれだけの期間保有していたかによっても異なります。所有期間が5年を境に扱いが変化するため、次の表で確認してください。

所得の種類 かかる所得税※ 住民税 税額総計
短期譲渡所得
(売却した年の1/1現在で所有期間が5年以下)
30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得
(売却した年の1/1現在で所有期間が5年超)
15.315% 5% 20.315%

さらに10年を超えていれば、課税金額のうち6,000万円までは14%、6,000万円をこえる部分については20%の税率が適用されます。ただし、実際に支払う際は2037年まで復興特別所得税も申告・納付する必要があるため注意しましょう。
※税率には復興特別所得税を含む

4-6. 確定申告をする

税額や特例を理解したあとに確定申告をおこないましょう。不動産売却が完了した翌年の2月16日から3月15日の間に、管轄の税務署へ申告書類を提出する必要があります。確定申告の受付期間中に土日や祝日が含まれる場合、実際の期限は前後する可能性があるため注意が必要です。

5. マンション売却時に引越しもする場合の流れ

現在住んでいるマンションを売却する場合には引越しが必要です。内覧など売却活動をおこなっている段階ではまだ引越しをする必要はありませんが、引き渡しで代金の決済をするまでに、物件を空にしておきます。

マンション売却後の引越しの流れは次の通りです。

1. 【売買契約時】引越し日を決める
2. 【引き渡し2~3ヶ月前】新居を契約する
3. 【引き渡し2ヶ月前〜】引越し準備を進める

引き渡し2ヵ月前までには引越しの準備ができていることが理想的です。それぞれの段階でおこなうことを解説します。

5-1.【売買契約時】引越し日を決める

売買契約を結んだ際に引越し日も決定しましょう。引き渡し日は、引越しの期限にもなります。引越しは準備に時間がかかるため、売却見込みが立ち始めた段階で新居の購入や賃貸契約を進めると良いでしょう。家具や家電などの処分も早めに始めることで引越しをスムーズに進められます。

引き渡しまでに引越しが間に合わない場合は、買主と「引き渡し猶予」の特約を結ぶことも一つの手段です。引き渡し猶予とは、引き渡す日を代金支払い日の数日後に遅らせることを指します。買主からの同意は必要ですが、1週間程度の猶予は確保できるでしょう。

5-2.【引き渡し2~3ヶ月前】新居を契約する

売買契約時に新居の契約もおこないましょう。自身の生活スタイルやニーズにあった新居を探すことが大切です。

良い住みかえ先が見つからず、新居がない状態で引き渡し日が近づいている場合、1ヵ月などの短期滞在が可能なマンスリーマンションの利用を検討してみるのもおすすめです。荷物に関しては、引越し業者の一時預かりサービス、トランクルームなどが活用できます。

5-3.【引き渡し2ヶ月前〜】引越し準備を進める

引き渡しの2ヶ月前から、引越し準備を本格的に始めます。引越し会社の手配や荷物の整理、粗大ごみの処理をおこなうようにしましょう。引越し・ごみ処理関連の業者は休日の利用料金が高まる傾向があるため、土日祝日を避けると費用が抑えやすくなります。

インターネットや固定電話などのサービスの住所変更、水道、電気、ガスなどのライフラインの変更手続き、そして転居届や転出届の提出も重要です。子供がいる場合は、転校や転園の手続きもわすれずおこないましょう。

また、銀行やクレジットカードなどの住所変更は忘れがちなポイントです。引越しの前後は細かな出費が発生しやすく、カードの不正利用などが起きても気付きにくいリスクがあります。カード会社や銀行からの最新情報を受け取るためにも、住所変更はすぐに実施しておきましょう。

6. マンション売却後、契約解除になるケース

マンションの売却後、新居を決めて引き渡しをするだけの状態になってから、契約が解除されてしまうリスクは否定できません。新居の新たなマンションや戸建てを購入した後に契約解除をされると、金銭的な負担が深刻なものとなる恐れもあるでしょう。

契約解除になる恐れのある次のケースを理解して、事前にリスクを把握することが大切です。

• 買主が「手付解除」を実施した
• 買主がローンを借りられなかった
• 買主側の物件売却ができなかった
それぞれ解説します。

6-1.買主が「手付解除」を実施した

売買契約後でも、買主は手付金を放棄する手付解除で契約を解除することが可能です。手付金の一般的な額は販売価格の5~10%のため少なくない出費となりますが、「さらに良い物件が出た」「購入を家族に反対された」などの予測しがたい理由で発生する恐れがあります。

手付解除が起こるケースは珍しいとされていますが、法的に規制されているような行為ではありません。もし発生してしまった場合は、手付解除をやめるよう説得する以外に対処法はありません。

手付金は売主のものとなりますが、売却活動は一からやり直しになるため、余計な手間がかかることになってしまいます。なお、手付解除は受け取った手付金を返還することで売主側も実行できますが、やむを得ない事情が無い限り効果的とは言えないでしょう。

6-2.買主がローンを借りられなかった

マンション売却では、売買契約後に買主が住宅ローンの審査に落ちたために契約解除となるリスクが想定されます。

多くの売買契約では「住宅ローン特約(融資特約)」が設けられており、ローンが通らなかった場合に買主が手付金を全額取り戻し、契約を解除できるようになっています。この特約は買主を保護するうえでは効果的ですが、売り主にとっては不利なものといえるでしょう。

住宅ローン特約をつけないで物件を売りに出すことは可能ですが、買い手がつきづらくなるデメリットがあるため覚えておきましょう。

6-3.買主側の物件売却ができなかった

買主側が今住んでいるマンションを売却し、その売却額を元手に新たな物件を購入するケースでも契約解除の恐れがあります。買主(下図のBさん)が物件を売却できないと購入費用が確保されないため、玉突き式で売主(下図のCさん)側にも影響が出るのです。こうした条件付けは「買い替え特約」でおこなわれます。

買い替え特約とは

買い替え特約は、契約設定時に決めた期間内に、設定した価格以上で不動産を売却できなければ契約を白紙にできる仕組みとなっています。買主であるBさんはすでに支払っている手付金を売主から取り戻したうえで契約解除が可能ですが、ローンのケースと同じように売主のCさんにはデメリットとなります。

Cさんからすると、特約をつけないことで買主がつきにくくなる恐れはありますが、買主候補が複数いる場合は特約をつけずとも契約を進められる可能性があります。売主(Cさん)の立場からすれば、最初から特約を付けることを前提にするのではなく、話を進めるなかで必要であれば検討する、といったかたちがベストとなるでしょう。

7. まとめ

マンション売却の流れには不動産会社や買主との契約締結に加え、確定申告も含まれます。それぞれの段階で書類の準備などが求められるため、スムーズに手続きを進められるよう準備をしておきましょう。

売却と一緒に自宅の引越しが必要な場合には、売却と同時並行で手続きをおこなわなければなりません。契約解除などのリスクも踏まえたうえで、確定申告の完了まで気を抜かないでいることが重要と言えるでしょう。

マンション売却の流れに不安がある場合には、不動産会社と相談をおこないながら売却ステップを進めていくことが有効です。安心してマンションを売却できるように、自分でも知識を身につけたうえで信頼できる不動産会社を選びましょう。

※本記事は2024年3月12日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので、予めご了承ください。

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