マンション査定の基本知識を徹底解説!種類や注意点を知っておこう

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マンションの売却を考えているなら、不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。売却できる価格の目安がわかったり、仲介を依頼する不動産会社を選ぶ基準として役立ったりするためです。しかし、初めてマンションを査定に出す場合、利用方法や種類など不安に思うこともあるかもしれません。

本記事では、初めてマンション査定を受ける人に向けて、査定の仕組みや注意点など、押さえたいポイントをわかりやすく解説します。マンションの売却に関する疑問にも回答しているので、不安の解消にぜひ役立ててください。

目次

1. 【独自調査】マンション査定に関するアンケート

本記事では、マンション売却経験者を対象に、マンション査定を何社に依頼したかについてアンケート調査を実施しました。

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調査の結果、23社に査定依頼した人が60%ともっとも多く、次いで1社の26%45社の14%6社以上は0%という結果になりました。

アンケートの結果より、23社の複数社に査定を依頼し、妥当な査定額を把握しようと考える人が多いことが推察されます。45社の14%6社以上は0%という結果から、4社以上は負担の大きさから査定依頼する人が少ないと考えてよさそうです。

1社だけの人も26%いるため、複数社に査定依頼する人が多数派ではあるものの、1社を信頼して売却活動を進める人も少なくないと言えるでしょう。

2. マンション査定とは

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まずは、マンション査定とはなにかについて解説します。マンション査定を初めて利用する人や、どういうサービスかわからず、利用を迷っている人は参考にしてください。

2-1.将来売却できそうな価格の予測

マンション査定とは、査定時から3ヵ月程度で売却できる価格の予測のことです。査定で算出される金額のことを、売却見込み価格と呼ぶこともあります。

査定は不動産会社がおこないます。査定基準は各不動産会社によってさまざまです。そのため、算出される金額も依頼する不動産会社によって異なります。

不動産会社は、立地条件や築年数・マンションの構造といった物件の条件の他、競合物件の有無や価格相場、過去の取引情報などのデータを用いて査定します。また、不動産会社の実績にも大きく左右されます。

※関連記事:不動産査定とは?方法や種類、注意点などをご紹介

2-2.査定依頼は無料

不動産会社によるマンション査定は、無料で受けられます。査定は不動産会社による営業活動の一環であり、提供された物件の情報は、貴重な売却情報としてその後も不動産会社で活用されます。このような理由から、査定のサービス料や手数料、交通費などを請求されることはありません。

また、査定を受けたマンションを結果的に売却しないケースも多いです。複数の不動産会社で査定を受けることも一般的で、査定を依頼したからといってその不動産会社で売却をしなければならない決まりはないので、安心してください。

3. マンション査定の種類と特徴

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マンション査定は、大きく3タイプに分類できます。机上査定・訪問査定・AIによるシミュレーションの3つです。各タイプの特徴をそれぞれ解説します。

3-1.机上査定(簡易査定)

まず机上査定とは、提供された物件情報や自社が持つデータなどに基づいて金額を算出する査定方法です。不動産会社の担当者は現地を訪れず、データをもとに査定します。査定に活用されるデータは不動産会社によっても異なりますが、主に立地条件やマンションの構造、部屋の位置、専有面積などです。

机上査定は、査定結果がわかるまでの時間が短いことがメリットです。早ければ依頼した当日に査定結果が受け取れることも多く、時間がかかっても数日以内には結果が得られます。また、現地調査に立ち会う必要もないため、比較的気軽に利用できる点もメリットです。

ただし、現地調査をおこなわないため、実際の成約価格と査定額に差が生じる場合もあります。あくまでも目安として活用したい査定方法です。

3-2.訪問査定

訪問査定は、机上査定に比べてより精度が高く詳細な査定方法です。机上査定のようにデータを用いる査定に加えて、担当者が実際にマンションを訪問して詳細な条件を確認します。マンションの周辺環境や、部屋の状況、設備の状態などを目視できるためより正確な査定結果が得られます。

訪問査定のメリットは、成約価格により近い査定結果が得られる点です。実際に売り出すときや、住宅ローンの支払い、住みかえといった売却後の見通しを立てる際などにも参考にできます。

その一方で、訪問査定は査定結果が出るまでに時間がかかる点がデメリットです。また訪問査定に立ち会う必要があり、スケジュール調整が必要になります。依頼してから査定結果が出るまで1週間ほどかかります。

3-3.AIによるシミュレーション

最後に、AIによるシミュレーションという査定方法もあります。AIが机上査定のようにデータを用いて査定結果を算出する方法です。AI査定とも呼ばれます。

査定の仕組みや用いるデータの種類は、不動産会社やサービスによって異なります。基本的に、サービスの公式サイトに物件情報を入力するだけで完結し、即時に査定結果が得られる場合が多いです。

会員登録などが必要な場合もありますが、個人情報の提出が不要なサイトが多く、気軽に利用できます。ただし、訪問査定のように現地調査をおこなうわけではないため、査定額の精度は高くありません。売却を迷っている人や、いまのマンションの価値を知りたい人などは、目安として活用しましょう。

4. マンション査定を受ける必要性

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マンション査定は手間や時間がかかるため、面倒に思う人もいるかもしれません。しかし、マンション査定を受けたほうが売却時の損を防いだり、適切な判断ができたりと、メリットがあります。この章では、マンション査定を受けたほうがよい理由を3つ解説します。

4-1.マンション売却で損をしないため

まず、査定を受けることで売却時の損を防ぐことができます。査定を受けて相場を知っておくと、必要以上に安い価格で売り出したり、逆に高く売り出して売れ残ったりすることを防ぐことができるためです。

マンションの売り出し価格は、売主が自由に設定できます。査定結果を基準に設定することが一般的なので、査定を受けていないと相場に合わない価格で売り出してしまうかもしれません。

実際の価値よりも安く売り出すと、早く手放せるかもしれませんが、金額的には損をしてしまうことになります。マンションの価値や周辺の相場に合った金額で売り出すためには、やはり査定が必要です。

※関連記事:中古マンションを売却する流れや失敗しないための相場の調べ方

4-2.住宅ローンを完済できるか判断するため

売りたいマンションの住宅ローンの支払いが残っている場合、査定によって完済できるかどうかの判断が付きやすいというメリットもあります。

マンションを売却する場合、引き渡しまでに住宅ローンを完済しなければなりません。自己資金で完済する方法もありますが、一般的には成約価格で清算します。査定を受けてマンションがどのくらいで売却できるか把握しておくと、残りのローンの返済計画が立てやすくなります。

必要に応じて、成約価格で足りなさそうな分を自己資金で補ったり、親に援助してもらったり、住みかえローンを検討したりと、売却までの時間に余裕があるため、じっくり計画できるでしょう。

ただし、売却時には、ローンの支払い以外にも仲介手数料や一括返済手数料、登記費用や司法書士報酬などの費用もかかります。売却後の生活も考えて、慎重に計画しましょう。

※関連記事:【不動産売却】住宅ローン返済中の家を売る方法とは?売却方法や注意点を解説!

※関連記事:【住みかえ】の知っておくべき『基礎知識』!プロが解説する「資金計画&減税処置」とは

4-3.仲介を依頼する不動産会社を厳選するため

マンションの査定は、複数の不動産会社に依頼することが一般的です。複数の不動産会社の査定結果や担当者対応を比較することで、より売りたいマンションの状況に合った不動産会社を見つけることができます。

マンション売却を成功させるには、相性の良い不動産会社を選ぶことも大切です。査定結果を重視してしまいがちですが、担当者の対応や雰囲気、売却サポートといったサービスの質も比較しましょう。大切なマンションの売却を任せるなら、信頼できる不動産会社や担当者かどうかの見極めが必要です。

査定額の高い低いだけでなく、相場とかけ離れていないか、査定結果の根拠は明示されているか、説明がわかりやすいかなど、担当者と積極的にコミュニケーションを取って判断しましょう。

※関連記事:満足度の高い不動産会社はどうやって選ぶ?

5. マンション査定前に相場をチェックする方法

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繰り返しになりますが、マンション査定の結果は不動産会社によってばらつきがあります。しかし、あまりにも周りとかけ離れた価格の場合、妥当な査定をしているか疑いを持つことも必要です。この章では、自身でできるマンション相場の調べ方を3つ解説します。相場を知っておくと、査定結果の妥当性を判断できるためおすすめです。

5-1.不動産情報ライブラリで相場推移を確認

不動産価格の公的な情報源として、不動産情報ライブラリが挙げられます。不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営するサイトです。2005年からの不動産成約価格のデータが閲覧でき、条件で絞って検索できます。

相場を知りたいなら、売却したいマンションと似た条件の取引を検索するとよいでしょう。まずは公式サイトトップから「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」の「データの検索・ダウンロード」にアクセスします。次に、検索条件を設定しましょう。売りたいマンションがある地域を選択し、種類では「中古マンション等」を選択すると、マンションの過去の取引が確認できます。時期は、できるだけ最新のものを閲覧したほうが、いまの相場により近い情報が得られるのでおすすめです。

検索結果が表示されたら、最寄駅からの距離や専有面積・間取りなどの条件がより近い情報を探してください。同じ価格で売却できるとは限りませんが、取引総額を売り出し価格の参考にすることができます。

5-2.レインズで直近1年の取引を検索

過去の取引情報を閲覧できるサービスとして、REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)もおすすめです。

レインズは、「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しています。会員である不動産会社が物件情報を登録したり閲覧したりできるシステムで、不動産の流通に役立つシステムです。レインズでは、全国から集めた不動産の取引情報の統計データを一般向けに公開しています。それがレインズマーケットインフォメーションです。

レインズマーケットインフォメーションでも、不動産種別や地域、最寄り駅、専有面積などの条件で絞って過去の取引情報を検索できます。不動産情報ライブラリと比べて、駅からの距離や間取り、築年数など、検索条件がより詳細です。そのため、成約件数があまりに多く、一覧から似た物件を探すことが難しい地域のマンションを売却したい人におすすめです。

また、築年数による成約件数がグラフ化されるなど、マンション価格の推移を確認したい人にも利用しやすいでしょう。

5-3.マンションの固定資産税評価額を参考にする

もう一つの方法として、固定資産税評価額を参考にする方法もあります。固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書で確認できます。課税明細書の「価格(評価額)」を確認してください。

固定資産税評価額は、相場の7割程度で評価されています。つまり固定資産税評価額から相場を調べる場合、0.7で割ると相場に近い価格を算出できます。

ただし、築年数が古いなどの理由で資産価値が低いマンションは、課税対象にはなりません。具体的には、家屋の場合、評価額が20万円に満たなければ納税通知書が届かないので、他の方法で相場を調べましょう。

6. マンション査定を受けて売却するまでの注意点

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マンション査定を依頼し、実際に売却するまでにはいくつか注意点があります。後悔がないよう、実際に動き出す前に注意点を把握しておきましょう。

6-1.闇雲にマンション査定を依頼しない

比較することも大切ですが、むやみやたらにいくつもの不動産会社に査定を依頼することはおすすめしません。机上査定や訪問査定など、不動産会社による査定には個人情報の提出も必要です。大切な個人情報を守るためにも、査定は信頼のできる不動産会社に依頼しましょう。

もちろん、不動産会社には守秘義務があるので、提出された個人情報を外部に漏らすことはありません。しかし、一度査定を依頼することで、その不動産会社から繰り返し営業電話がかかってきたり、売却を勧められたりするケースがあります。営業対応に負担を感じるなら、売却を依頼したいと思える不動産会社を数社に厳選して査定を依頼したほうがよいでしょう。

6-2.リフォームは担当者と相談してから

マンションの売却にあたって、リフォームを考えているなら、まずは一度不動産会社に相談してみましょう。リフォームしたほうがよい場合と、そうでない場合があるためです。

リフォームや設備交換は査定額の向上につながりますが、かけた費用分が上乗せできるほどの効果があるとは限りません。リフォーム費用がかかるだけで、買主の購買意欲にうまく効果が出ないケースもあります。

売却目的でも、リフォーム費用は売主が負担しなければなりません。需要増を目的としたリフォームは自己判断ではおこなわず、信頼できる不動産会社の担当者に相談しましょう。

※関連記事:中古物件の購入検討者が気になるポイントは?売主様ができる工夫をご紹介!

6-3.売却状況に合わせて媒介契約

不動産会社と結ぶ媒介契約は、状況に適した種類を選びましょう。

媒介契約とは、不動産会社に売却の仲介業務を依頼するための契約です。一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ異なる特徴があります。各媒介契約の特徴を以下にまとめました。

一般媒介契約は制限が少なく、売主も自由に売却活動ができます。その一方で、レインズへの登録や活動状況の報告に義務がないため、不動産会社による積極的な売却活動が期待できないかもしれません。専任媒介契約や専属専任媒介契約は、より積極的な売却活動が見込まれます。しかし、1社のみとの契約であるため、担当者の力量によって成果が左右されやすい点がデメリットです。このように媒介契約は、売りたいマンションや売主の状況によって向き不向きが異なります。不動産会社に勧められるがままに契約せず、内容を比較して選びましょう。※関連記事:『専任媒介契約』の特徴やメリットを知ろう! 「一般媒介&専属専任媒介」とは何が違う?

6-4.値引き交渉を想定した価格設定

売り出しの際に気を付けたいのが、売り出し価格は値引き交渉を受けることを想定して設定するという点です。マンション売却では、相場に合った金額で売り出していても、購入希望者から値引き交渉を受けることも珍しくありません。値引き交渉を前提として、希望成約価格を実現できるような金額で設定しておくとよいでしょう。また、売り出し価格は不動産会社の担当者と相談しながら決めることをおすすめします。売り出し価格の最終的な決定権は売主にありますが、不動産に関する知識や売却ノウハウを持つ信頼できる担当者なら、状況や希望成約価格に合ったアドバイスが得られるでしょう。

種類

一般媒介契約

専任媒介契約

専属専任媒介契約

契約社数の制限

なし

1社のみ

1社のみ

契約期間の定め

なし
(一般的に3ヵ月以内)

3ヵ月以内

3ヵ月以内

自己発見取引

不可

レインズへの登録義務

なし

7日以内に登録

5日以内に登録

活動状況の報告義務

なし

2週間に1回以上

1週間に1回以上

7. マンション査定を受ける際の気になる疑問

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マンション査定を初めて利用する人が抱きやすい疑問2つに回答しました。ぜひ参考にしてください。

7-1.マンション査定で必要な書類は?

マンション査定には、用意したり提出したりしなければならない書類はありません。しかし、査定時に入力する内容が正確であるほど、査定結果もより成約価格に近くなります。次のような書類を用意して、査定の精度を高めましょう。

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 管理規約や使用細則
  • 購入時のパンフレットやチラシ
  • 登記事項証明書
  • 耐震診断報告書
  • リフォーム履歴がわかる書類
  • 設備交換履歴がわかる書類

不動産査定では、査定担当者に事実を伝えることが大切です。引渡し後のトラブルを回避する目的でも、設備の不具合といったマイナス面も隠さず伝えましょう。また、マンションは景観や室内の状況といった専有部分の情報だけでなく、共有部分の管理状況なども重要視されます。管理状況などわかることがあれば伝えて、正確な情報をもとに査定してもらいましょう。

※関連記事:不動産売却時に必要な書類とは?

7-2.査定から引渡しまでにどの程度かかる?

査定を受けてから引渡しまでは、36ヵ月ほどかかることが一般的です。買主が現れるかや、手続きが円滑に進むかなど条件によってはさらに時間を要することもあります。

査定から引渡しまでの一般的な流れは次のとおりです。

    • 査定を受ける
    • 媒介契約を結ぶ
    • 売却活動を始める
    • 購入希望者と売買契約を結ぶ
    • 決済・引渡し

マンションを売却した翌年には、確定申告も必要です。正確に申告することで控除も受けられるので、期間内に申告しましょう。

※関連記事:不動産売却にかかる平均期間とは?詳細スケジュールとポイントを解説

※関連記事:【不動産売却時にかかる税金】計算方法や納税時期、節税のコツを解説

8. まとめ

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マンション査定は、単純に価値を知るためだけでなく、売却で損することを避けたり、より信頼できる不動産会社を見つけたりするためにも必要です。机上査定やAIによるシミュレーションも気軽で便利ですが、売却を視野に入れるならより精度の高い訪問査定をおすすめします。

査定を依頼しても、その不動産会社で売却を進めなければいけないわけではありません。いくつかの不動産会社の査定結果を比較して選ぶ人も多いです。とはいえ、むやみに査定を依頼すると、営業対応が大変になったり、個人情報を必要以上に提供することになったりするリスクがあります。

マンション売却の成功には、信頼できる不動産会社や担当者を見つけることが不可欠です。顧客満足度が高い・購入希望の顧客が多い・マンション売却の実績が多いなど、自分に合った不動産会社を見つけて、査定を受けましょう。

※本記事は2024510日時点の情報をもとに記載しています。法令等の改正により記載内容について変更となる場合がございますので予めご了承ください。

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