一戸建て査定とは？旬のAI査定や、査定価格UP方法なども解説

一戸建てがいくらで売れるのかを知るには、不動産会社に依頼して、売却査定をしてもらう必要があります。

査定価格とは、過去の取引事例や査定時点の市況、物件の状況などから不動産会社が総合的に判断した、いわゆる不動産相場価格です。査定価格は、売却依頼のために不動産会社と締結する「媒介契約」の最長期間（3ヵ月）以内であれば売れると想定される金額として設定するのが一般的です。

少しでも高く売るためには、焦らずにたっぷりと時間をかけて、高く買ってくれる買主をじっくり探せば良い訳ではありません。むしろ、売却期間が長引いて3ヵ月以上になれば、以下のようなデメリットを増やすことになります。

• 築年数が古くなり、建物の劣化が進む
• 不動産がよく売れる時期を逃してしまう
• 売れ残りのイメージが付いて、家に問題があるのかも？と敬遠される

売却査定をする理由には、以下の3つがあります。

• 売却によって住宅ローンが完済できるかを判断する
• 次の物件の頭金確保が可能かをシミュレーションする
• 3ヵ月以内に高確率で売却できる目安価格を知る

なお、売却査定は単に目安金額を知るためにするのではなく、なぜその金額なのかという「査定の根拠」を知ることが真の目的です。そして、査定根拠が明確で説得力があり、知識・経験が豊富で対応姿勢が優れた方を、売却依頼する担当者として絞り込むためでもあります。

したがって、一社だけでなく複数の不動産会社へ査定を依頼して多くの意見を聞き、不動産会社や担当者の対応や姿勢を比較することが大切です。

不動産鑑定士に査定を依頼する場合もありますが、贈与や相続のための不動産評価や、企業の決算報告のための資産評価など、利用シーンは限定的です。一般的には、以下の方法が用いられています。

不動産会社に依頼する売却査定は、原則として無料です。また、売却査定後に実際に売却する必要はなく、売却査定を行った会社と、別の不動産会社へ売却を依頼しても問題ありません。

売却査定には、以下の2種類があります。

土地価格は、周辺にある土地の過去の取引事例を参照します。建物の残存価格は、その建物の建築費から築年数に応じた償却を行います。そして、土地価格と建物の残存価格を合算したものが、簡易査定価格になります。

その土地や建物が持つ、固有の条件に合わせて簡易査定価格に補正をかけ、さらに査定金額の精度を上げます。訪問査定の調査内容は、以下の表をご参照ください。

つまり、簡易（机上）査定は大まかな目安金額でしかありません。その不動産固有の条件を加味した正確な査定金額を知るためには、不動産会社が行う訪問査定が必要です。

家の査定については、以下の関連ページで詳しく解説しています。

関連記事はこちら【家の査定とは？種類や依頼先、流れ、見られるポイントまで詳しく解説】

AI査定は、インターネットにつながったパソコンがあれば、誰でも簡単に無料で売却査定が行えます。

AI査定のメリットとデメリットは以下の通りです。

• 会員登録などの個人情報提供が不要（匿名）な場合がある
• 査定結果を瞬時に表示もしくはメールで回答
• 査定費用は無料で何度も利用が可能（査定価格が毎週更新されるなど）
• 以下のようなバイアスによって故意に査定結果を操作しない

　売れやすい価格に調整 / 媒介契約欲しさに高めに設定 / 偏った評価をする（過大・過少）

• 対象物件を訪問しないため、不動産固有の要素が査定価格に反映されない

不動産情報ポータルサイトで検索すれば、現在売出中の一戸建ての価格が分かります。ただし、不動産情報ポータルサイトは販売価格であり、成約価格はそれよりも安い価格になるのが一般的です。一方、レインズ マーケット インフォメーションであれば、過去の実際の成約価格が調べられます。

ただし、売却時の状況（売り急ぎ、売れ残り、厳しい値下げ交渉など）が分からないため、そのようなデータであることを十分に理解して利用する必要があります。

ここでは、一戸建ての査定金額を左右する条件や要素を見ていきましょう。

査定価格が上がるポイントとは、良い商品と分かる以下の条件がたくさん備わっていることです。

駅・学校・学習塾・習い事・スーパー・ドラッグストア・ホームセンター・大型商業施設・飲食店・病院・役所・銀行・公園・幹線道路・インターチェンジに近い　など

人気の駅・人気の沿線・有名な地名・人気の学校区・子育て支援が充実・待機児童が少ない・ランドマークが近い　など

土地の面積が大きい・地勢が平坦・土地形状が整形地・前面道路が広い・高低差がない・環境が良い（日当たり、風通し、騒音・振動・臭気がない、治安、緑が多い）・築年数が新しい・間取りが良い・収納が多い・駐車スペースが多い・劣化度合いが小さい・維持管理が丁寧・定期的にリフォーム・ハウスメーカー製・リフォームなく住める・耐震性能が高い・気密性能が高い・省エネ性能が高い　など

ここでいうマイナス要素とは、そこに住みたくないと感じる条件がたくさん備わっていることです。前述の査定価格が上がるポイントが少なければ、多くの買主のニーズを満たしづらいため人気がないということで、査定額にとってはマイナスになります。

地中埋設物・土壌汚染・自然災害が頻発・人口減少が顕著・大型商業施設が撤退・隣地所有者とトラブルがある・近所に心理的瑕疵がある　など

直近の取引事例が安い・販売中のライバル物件が多い・売出時期が悪い・金利上昇トレンド　など

長期のローンが組めない・現金でしか購入できない・再建築できない・不動産の規模が大きすぎる・間取りやデザインが奇抜・狭小物件・場所が不便すぎる　など

「単なる目安価格を知りたいだけ」であれば、人に会わずに匿名で依頼できるほか、査定結果も早いAI査定が便利です。しかし、「短期間で売却ができる正確な査定価格を調べたい」「まもなく売却するのが確定している」といった場合は、不動産の個別の条件を査定価格に反映してくれる不動産会社の訪問査定が最適です。

売却査定を依頼する際の注意点は、どの不動産会社へも同じ情報を提供して、査定の前提条件を揃えておくことです。また、買い手の気持ちになって査定価格が上がるポイントを増やし、特別なリフォームが要らないよう、物件は普段からきれいに維持しておきましょう。

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