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#住宅購入

2018.11.01

シニア層の人生を豊かにする「縮小買いかえ」という選択

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60、70歳になって、住みかえる人が増えています。「今の家への不満」を解消したい、買いかえて余った資金で楽しみたいと、住まいに対してもアクティブなシニア層。そのメリットや、物件選びの注意点などを紹介します。

60歳以上の購入理由は「家への不満」がトップで増加傾向

ひと昔前なら、仕事をリタイアした後は、静かに子や孫を見守る"ご隠居"というのが、シニア層のイメージでした。しかし、現在の60歳以上の方は自ら主役としてアクティブなセカンドライフを送っている人が少なくありません。日中のフィットネスジム、パブリックのスポーツ施設などを覗いてみても、年配の方々で意外に盛況だったりします。

そんな活発な動きは、住まい選びの行動にも表れています。60歳以上の方の住まいの購入理由では、「家への不満」が最も多く、一般的にシニア層に多いと思われがちな「高齢化への備え」や「相続」に関わる動機を理由に挙げる人は、それほど多くありません。新たな生活に向けて前向きに住みかえているのが、60歳以上のシニア層といえるでしょう。

「縮小買いかえ」で余裕資金を生み出す

60歳以上の方の住みかえ先も、いわゆる高齢者向け施設に移るのではなく、一般の住宅が多いようです。しかもそれは「高齢者=戸建て志向」とは限りません。むしろ最近ではマンション志向が強まっているといえます。

それは、60歳以上の場合、「家に対する不満」は狭さではなく、「庭や家が広すぎて使いこなせない」という理由が多いからです。子どもが独立して夫婦二人しかいないのに、4LDKの一戸建てのままで使ってない無駄な部屋が多い、2階にはほとんど上がらない、庭の手入れが面倒、といった声が背景にあります。そのため、バリアフリーで管理も楽なマンションに目が向いているのでしょう。

マンションを選ぶ際には広さを削ることの他、「その分都心に近い利便性の高いところに移りたい」という志向が増えてきます。

都心に近づく分、購入する物件の坪単価は高くなりますが、それほど利便性を追求せず、スペースを縮小することに重点をおけば、余裕資金を生み出すことも可能です。

たとえば、床面積100m2、4LDKの郊外の一戸建てで、2階の2部屋はすでに役割を終え、使っていないとしましょう。各部屋6畳の場合、2部屋で約20m2(約6坪)です。その分を縮小し、80m2の中古マンションに買いかえます。

実際には、子どもが独立して夫婦二人になったとしても、それなりに荷物が多いために、急に4LDKから2LDKには縮小できないかもしれません。3LDKを望むご夫婦が多いのも事実です。

ただ、上記のような「縮小買いかえ」を実行することによって、多少なりともまとまった余裕資金ができれば、その後の人生が劇的に変わるでしょう。趣味に生かせる資金、長い老後の万一に備えた蓄えなどが増えることによって、心のゆとりが生まれ、豊かなセカンドライフに夢が広がります。

シニア層向けのサークル活動やコミュニティが充実したマンションを選ぶ

仕事をリタイアしたシニア層であれば、住みかえ先の立地は通勤通学に縛られることなく、自分の趣味嗜好を中心に選ぶことができます。「思い切り都心に近づく」「リゾートに住む」など、比較的自由になるでしょう。

マンションを前提にした場合、選ぶ際のキーワードは「サービスとコミュニティ」です。住み慣れた場所から離れ、一から地域になじむのは難しい面もあります。その点、コンシェルジュサービスがついている大規模マンションであれば、さまざまな取次サービスを受けられるだけでなく、日常的な挨拶やちょっとした声掛けから会話も生まれてきます。さらに高齢になったときの、万一の「見守りサービス」的なニュアンスもあるでしょう。

横浜のあるマンションでは、60~70歳のシニア層が参加するサークルが数十もあり、シニア層が自然になじめるコミュニティができあがっています。高齢者といえば園芸や囲碁将棋などの静かなイメージがありそうですが、フラダンスやヨガ、ジャズダンスなど活発なプログラムも少なくありません。居住しているシニア層が、現役時代に培った知識やノウハウを活かして指導したりするため、中身が濃くかつ負担も少なく、人気があります。

こうした噂が口コミで地域に広がり、「住みかえるなら、あのマンションがいい」という評判がシニア層の間に広がっているそうです。このような視点で考えると、中古マンションであれば、どのようなサークル活動が行われているかを実際に見て確かめられるので安心といえるでしょう。

引越しは春・秋に一度がベスト。「つなぎ融資」サービスを活用

一般的な「住みかえシーズン」といえば冬と残暑ですが、「高齢者の住みかえは春と秋がベスト」といわれます。その理由は、暑さ寒さの厳しい夏冬に引越しをすると、体調を崩して入院してしまい、せっかくの新居でくつろげなかったという話が実際に珍しくないからです。

また、自宅を売って新居を購入する「買いかえ」では、売りと買いのタイミングを合わせて、タイムラグがないようにすることが望ましいといわれます。売り買い同時決済がベストですが、必ずしもうまくいくとは限りません。売却資金を買いかえ先の購入代金に使うのが普通なため、資金計画の面ではどちらかといえば「売り先行」のほうが安全です。

ただ、購入先が決まる前に売却することになると仮住まいが必要になり、引越しを二度しなければなりません。一度の引越しでも負担なのに、それが二度となると、高齢者にはきついでしょう。

こうした点を考慮すると、先に購入を決めて入居した後に売却すれば、引越しは一回で済みます。しかし、売却しないと購入代金が払えません。そんな場合に便利なのが「つなぎ融資サービス」です。購入先の決済から売却できるまでの間、一時的に融資してくれるものです。万一、売れない場合の「買取保証」があれば、なお安心でしょう。こうしたサービスを積極的に活用すれば、負担なくスムーズな買いかえが可能になります。

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